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2019ワシントンG20 :日本、経常収支問題を提起

2019年04月13日 12時37分43秒 | 国際経済
2019ワシントンG20 :日本、経常収支問題を提起
 日本時間の今日未明、ワシントンのG20は閉幕したようです。
 今回は、共同声明は出さないという事がったようで、いわばそれぞれの意見の言いっぱなし終わったという事でしょう。

 入ってきているのは議長を務めた麻生さんと副議長の黒田さんの談話が中心ですが、二国間交渉に固執するアメリカと多国間交渉を良しとする多くの国々を纏めるのは容易でないようです。

 世界経済も、IMFが成長見通しを引き下げるといった状況の中で、やはり最大の問題は米中関係だったようで、それにヨーロッパでは英国のEUりだつもんだいがこじれにこじれていることも含めて、世界経済の下振れリスクは確認という事のようです。

 ただ、中国もアメリカも景気減速には極めて敏感に反応するという前提でしょうか、摩擦や混乱があっても、適切な景気対策の実行を予想して、「下振れリスクは短期的で、今年後半には回復に向かうというIMFの見方で一致したとのことです。

 一方では米中摩擦長期化という見方もあり、G20としては必要な政策をとるべき、という希望、あるいは希望的観測という感じもしないでもありませんが、せっかく安定してきている世界経済の成長にマイナスになるような国際間の問題は出来るだけ柔軟な交渉を通じて避けたいものです。

 ところで議長国としての日本は、国際間の問題の背景にある「経常収支の不均衡」という問題を提起したようです。
 貿易収支ではなく経常収支を取り上げたという事は、政策のあり方としてはより優れていると思いますが、経常収支黒字国として目立つ国の中には当然日本が入っているわけで、総論はともかく、日本としての各論の在り方が注目されます。

 日本は近年貿易収支は赤字になることもあるようなほぼ均衡状態ですが、経常収支は、ドイツなどと並んで、大幅黒字国になっています。

 現象的には、第一次所得収支(海外からの利子配当収入など)の大幅黒字が原因ですが、見方を変えれば、日本は、国としての(財政ではありません)収入に比べて、支出が少ない分が経常黒字となっているわけで、このあたりの日本の経済構造が問題にされる可能性は多分にあるのではないでしょうか。

 本来なら、経常収支赤字の国が努力不足、金の使い過ぎといわれるべきかもしれませんが、最近では、経済活動を頑張って黒字を出している国が悪いといわれるような風潮が顕著です。

 イソップ寓話ではありませんが、「貯め込むアリ」と「乱費するキリギリス」どちらが良いのか悪いのか、日本が議長国としてこれから開かれる福岡のG7や大阪サミットなどで、どんな議論になるか、ならないのか、何となく気になるところです。

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