tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人口減少: 50年先が予測できるか

2011年07月10日 20時53分40秒 | 社会
人口減少: 50年先が予測できるか
 前回は、少子・高齢化、人口減少が続いたら、日本経済・社会は衰亡するしかないのかという問題を取り上げてみました。
  ところで、前回の計算は、合計特殊出生率の中位推計、1.26人を使ったものです。実際の動きは2005年に1.26人を記録した後、2010には1.39人まで上昇していますから、そのあたりは、皆様方の適切なご判断をいただきたいと思います。
  因みに、合計特殊出生率1.22人の韓国経済は、日本よりよほど元気です。

  この、合計特殊出生率の動きをどう見るか、というのが今回の問題です。
 戦後のいわゆるベビーブームの頃4.5人だった合計特殊出生率は、その後急下降、第二次ベビーブームで2.2人に回復しましたが、その後は1980年代の前半に多少の回復を見たものの、一貫して下がり続け、2005年に1.26まで低下、その後多少の反転上昇という経過です。

 戦後、世界の主要国では、合計特殊出生率はいずれも急速に低下し、2人(人口静止には2.08人が必要)を割り込み、その後、1980年代後半ないし、1990年代に反転上昇して2人の近傍に回復しつつあるというのが大きな傾向のように見られます。

 日本で見ますと、低下傾向の中で、多少の回復を見たのは、戦後のベビーブーム世代が親になる第二次ベビーブーム時代、そしてその後は、ジャパンアズナンバーワンといわれた1980年代前半と、最近の日本経済が「いざなぎ越え」に入ってからです。
 もちろん、景気が良くなれば出生率が増えるとは言いませんが、昨今の状況を見ると、それも1つの要因かもしれません。

  こうしたものは、人間社会の大きな営為であり、自然と人間の関わり、その時点の人間社会の姿などが人の心に反映して生じる人間の意識と行動の結果によるものでしょう。
 人間も動物の中の1つの種であれば、人知を越えた、本能に根ざした動きもあるのかもしれません。

 自然が身近なほど出生率は高まるという見方もあります。自然エネルギーへの回帰といった問題も今後は関係してくるかもしれません。
 いずれにしても、出生率低下は不可避であるなどと固定的に考えるのではなく、それは、われわれ日本人の心が決めるものだ、という意識を持つことが大事でしょう。

 そうすれば、そのために何をすべきかという積極的な意識が、また、これからの経済、社会、環境を考える上での日本人の行動指針になるかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。