tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

積極的平和主義と積極的コロナ対策

2020年08月19日 14時42分29秒 | 文化社会
積極的平和主義と積極的コロナ対策
 安倍政権は「積極的平和主義」を唱えているようですが、これは安倍政権の造語でしょう。はっきりした定義はされていないようです。
 中身のはっきりしないことを旗幟に掲げられても、国民は困るばかりですが、最近論議になっている「敵基地攻撃能力」も積極的平和主義の範囲などという事になるのでしょうか。

 「積極的」というコトバは、通常良い意味で受け取られることが多いからでしょうか、厄介な造語を作ってくれたものですが、話を変えて、「積極的新型コロナ対策」といってくれたら、国民は大喜びでしょう。

 残念ながら、安倍政権のコロナ対策には「積極的」というコトバは付きません。いつも「専門家の意見を聞いて」そして「状況を真剣に注視している」といったことになっているだけです。

 注視するのは、適切な時期に適切な手を打つための「注視」と思っていましたが、どうも安倍政権の言う「注視」とは、ただ単に見ているだけで、積極的のセの字もなく、感染者が急増しても、その結果、重症者増加の気配が見えて来ても、政府は特別に何もせず、国民それぞれの適切な行動に任せるという事のようです。

 そんなところに、今日の日経産業新聞では「コロナワクチン、国内生産急ぐ」という記事が出ました。

 製薬6社、武田薬品、塩野義製薬、英アストラゼネカ、アンジェス(タカラバイオ)、KMバイオロジクス、第一三共の6社に、それぞれ301億円から60億円の助成金を決めたとのことです。

 今までマスコミでは、米ファイザーや英アストラゼネカに、「ワクチンが出来たら、日本にも売ってください」とお願いして、「枠を確保した」といった事ばかりでしたが、自主開発にも助成金を出すことに決めたのは大変ケ結構なことだと思います。

 確かにそれはそうですが、もうコロナ騒ぎが始まって半年以上、第二波が始まって感染者増加の一途のような段階で、ようやく動き出したのかといった感じです。

 そういえばアベノマスクの着想は早かったという事かもしれませんが、総額500億円以上かけて、僅か3.5%しか使われていないアベノマスクに比べると、ワクチン開発助成金は、TOO LATE、 TOO LITTLEの感は否めません。

 もしアベノマスクより早くワクチン開発の決断をして、企業の望むような助成金を出していれば、ワクチン開発はずっと早かったでしょうし、日本の開発技術を世界に売るチャンスの可能性もあり、事業規模、更には経済効果としては政府支出の何倍もの経済活性化効果につながっていたかもしれません。

 政治に最も必要なのは先見性と洞察力といわれますが、マスク配布とワクチン開発の重要性をどう判断したかは、まさに政治判断のレベルを示すものでしょう。

 この辺りの政府判断を見て来ますと、積極的平和主義の危うさ、積極的新型コロナ対策の「欠如」の危うさの対比は歴然で、国民は先の見えない不安の中で、まだ当分過ごさなければならないという事になりそうな感じが否めない所ではないでしょうか。

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