tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人・後継者を育てない組織は・・・

2024年06月28日 16時13分38秒 | 政治

アメリカの大統領選挙はこの秋です。日本の総選挙は決まってはいませんが、いずれそう遠くないうちだと言われています。

アメリカの大統領候補はお二人ともご高齢です。お二人には失礼ですが、もっと若くて優秀な人材はいないのかなどと思ってしまいます。アメリカならいくらでもいそうですが。

日本では、長年政権を担ってきた自民党が自分たちの選挙で選んだ岸田総理に不満のようです。元気はいいのですが自民党自体の評判を下げてしまったようで、自民党内で岸田下ろしが始まっているという惨状です。

アメリカも日本も民主主義の国ですから、リーダーを決めるのは選挙によるのですが、その結果がうまくいかないというのは何故でしょうかと考えてしまいます。

なぜか?なぜか?と考えて達した結論は「人が育っていない」というところに行きつくのではないでしょうか。そして、人が育っていないという事の原因は「人を育てなかった」 ということでしょう。

リーダーは組織を統率し、運営し、育てる責任者です。リーダーに宜しきを得れば組織は発展します。しかしリーダーには、さらに、もう一つの責任があります。それは後継者を育てることです。人間には老化も寿命もあります。しかし、組織はいつまでも存続発展しなければならないのです。いかに立派なリーダーでも、いつかは交代しなければなりません。後継者育成は当然必須の仕事なのです。

これはアメリカの話ですが、アンドリュー・カーネギーとデール・カーネギーは日本でも有名です。同じカーネギーですが、親戚筋ではありません。

アンドリュー・カーネギーはアメリカの鉄鋼産業を興し、鉄鋼王と呼ばれた人です。この人の墓には「自分より優れた人々を自分の周りに集め得た人、ここに眠る」と刻まれていることで有名です。

デール・カーネギーは『人を動かす』という著作で有名な人材育成、コミュニケーション、リーダーシップなど人間関係分野の「大御所」です。 

アメリカは短い歴史の中でもこうした世界に名だたる人間関係の実践のプロ、理論のプロが名を残している国ですが、今や、民主党も共和党も、組織・国の成長発展のためには、人を育てることが必須であるという先人の経験や教えを忘れてしまったのではないでしょうか。

日本の自民党もかつては特色のある政治家が、自由民主という新しい時代にふさわしい思想哲学の中で、自説を展開し、それぞれに支持層を得ていたように思います。 そうした雰囲気は二世議員の増加などとともに、地盤・カバン・看板といった政治信条とは無関係な選挙の法則などが言われるのと共に薄められ、本来の政治家の在り方を怠ってしまったのではないでしょうか。

組織は人材に支えられていますが、同時に組織での仕事は人を作るのです。リーダーはそれをわきまえ、後継者の候補者・後継者を着実に育てなければなりません。それはリーダーの義務です。

しかし、多くの人はリーダーになると、自分がリーダーであり続けることが主要な関心事項となるようです。そのためにリーダーは独裁色を強め、その結果組織の運営を誤ります。そしてその時、同時に後継者不在の問題が発生するのです。

自民党もこのところこんな状態が続いているのではないでしょうか。ならば政権交代すればいいというのが民主政治の世界ですが、ならば野党に適切な後継者がいるかという問題は、「自民党もダメだけど、野党も四分五裂で困ったものだ」というよく聞かれる意見が示すところでしょう。 

人の育成、後継者の育成には時間と計画性が必要なのです。本当に必要なのは政治資金ではなく、政治の勉強と政治の現場での仕事と活動の積み上げといった経験と努力なのでしょう。 


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