tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経産省、航空機産業に注力

2017年09月25日 15時21分44秒 | 科学技術
経産省、航空機産業に注力
 経産省が遅まきながら、我が国の航空機産業の本格的発展を目指して、纏まった政策を打ち出そうという事になったようで、遅きに失した感はありますが、大いに歓迎したいと思います。

 海外、特に航空機産業に注力している国から見れば、「日本が始める? これは要注意だ」という事になるのかもしれませんが、我が国にとってみれば、新しい大きな産業分野が、組織的に整備されるという事でしょうから、多様な発展の可能性が大きいのではないでしょうか。

 戦後の日本産業の発展を見て来ますと、廃墟の中で、すべてに後発だった日本産業が、持ち前の勤勉さを生かして「追いつけ、追い越せ」で頑張ってきた軌跡が辿れます。
 
 1ドルが360円で、低賃金を生かした軽工業品の時代は早期に卒業し。海外主要国が先進技術を誇った、カメラ、オートバイなどで急速に世界市場に進出、成功を収めてきました。

 昭和30年代の終わりごろ、日本の自動車産業が輸出を始めたころです。ある大手自動車メーカの方に、何時かは日本の自動車が、世界市場を制覇する日が来るかもしれませんね」といったところ、「自動車はカメラやオートバイのようにいくことはないでしょう。自動車産業というのはそんなに甘くないですよ」といわれたことがあります。

 今では日本車は世界でも、「最も故障しない良い車」と評価されているようですが、その間日本産業は「追いつけ追い越せ」の分野だけではなく、トランジスタラジオ、ウォークマンからデジカメまで、それまで世界になかった独自の製品も作り上げてきています。

 航空機については、YS11は飛びましたが、種々国際的な制約もあったようで、その後はMRJまでブランクで、MRJ開発も遅れに遅れています。しかしその間に、ホンダジェットが飛び始めるといった独自分野も出てきています。

 一方で、大型航空機の部品においては、炭素繊維技術を生かして部品製造には日本の航空機部品産業が世界になくてはならない存在にまで上り詰めています。
 今回の、経産省の政策は、こうした航空機部品の産業クラスター(集積)を総合的に組み上げ、全体の情報共有や協力体制を構築しようという事のようです。

 この動きが、伝統的に産業育成では成功例の多かった旧通産省の流れを汲んでいるとすれば、これは将来、日本の航空機産業が世界を制覇する可能性を開くことに繋がっていくのかもしれません。
 遅れに遅れているMRJのケースを見ながら、期待するところの大きいニュースです。

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