tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ大統領の真意は?

2017年09月07日 10時48分55秒 | 国際経済
トランプ大統領の真意は?
 米朝対立の様相は、ますますエスカレートするようで、その当事者以外の国々が、それぞれに心配し、極端な結果にならないようにと対話路線、政治的解決の重要性を指摘している状態です。

 この問題についてもトランプ大統領の真意は、些か測りかねるところですが、一線を越えない内に、当事者の双方が真意を示すような機会が欲しいものです。

 もう1つトランプさんの真意を測りかねるのが、経済問題の方で、最近また繰り返されている「保護主義がアメリカを強くする」という発言です。

 国際競争力が落ち、いわゆるラストベルト、錆びついた産業地域の票を集めて当選したと言われるトランプ大統領ですから、支持層を裏切らないためにも、保護主義を旗印にアメリカ経済の再生を図りたいところでしょうが、事は志のようにはいきません。

 戦後の世界経済は、アメリカ主導の国際化で発展を遂げてきました。主導者のアメリカの企業は、率先して国際化を選択し、世界に覇を唱えてきましたが、 国と企業の利害相反の問題から、アメリカの国内経済の一部は衰退したようです。

 現実に起こったことは、アメリカの技術水準を活用し、賃金の安い海外で生産することで競争力を持ったのですから、アメリカの高い賃金水準で、生産しても、競争力はない分野が増えているのでしょう。
 結果は、国内工場の閉鎖ですが、トランプさんは、国内工場を閉鎖するなと号令をかけ、国内生産を企業に求めたわけです。

 しかし、経済原則は、それは成り立たないことを実証することになります。国際競争力のない工場は、雇用削減に走っているようです。残る手段はドルの大幅切り下げでしょうか。これはアメリカの威信と信用にかかわります。

 「 トランプ大統領のアメリカ:経済政策は矛盾の集積 」でも指摘したところですが、知りたいのは、「保護主義がアメリカを強くする」という言葉を、トランプさんが本当に信じているのかという事です。

 支持層への義理を果たすために、無理と知りつつ、当面それを繰り返すというのなら解らないでもないのですが、本当にそう信じているというのであれば、それこそ、アメリカの衰退は目に見えているという事にもなり、さらには、そういう大統領の選んだアメリカとはいったいどういう国になってしまったのかという事なるのでしょう。

 なんにしても、アメリカは現状、覇権国、基軸通貨国です。大国の責任、このブログで述べている >NGR(nation's global responsibility )の立場から言えば、許されないことでしょう。

 アメリカ人の多くは健全な良識を持っていると信じたいのですが、アメリカ自体のこうした混乱は、アメリカ自体の良識と努力によって、早期に改めていってほしいものです。

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