雇用の発生 <2007年9月8日付のリメイク版> その2
景気は回復基調ですが、賃金はなかなか上がりません。この夏のボーナスの平均増加率はかなり高かったようですが、月例の賃金水準はあまり上がりません。企業は人件費の増加には常に慎重なようです。
という事で、個人の場合の雇用発生の条件の一つは、端的に言って、その人が「給料以上に稼いでくれる」可能性が大きいという事でしょう。
面接担当者が、いろいろ質問するのも、この人を雇用して、わが社で仕事をしてもらった時、企業としてペイするとの確信を持ちたいからです。
企業としては、「私は100円稼ぎますから給料を60円下さい」という人なら間違いなく採用されるでしょう。
企業にとっては、給料分だけ稼いでくれるのではだめで、給料プラス資本費(利益や借入金の利息や減価償却費など)の分も稼いでくれないと企業は存続していけません。通常、付加価値(稼ぎ)の7割以上を人件費に払うようでは企業はキツキツで、6割台になると何とか一息というところでしょうか(この7割とか6割というのが「労働分配率」です)。
更にもう一つ条件があります。不況になった時の対応です。不況時には、欧米では従業員を解雇して雇用を削減し、日本では、残業やボーナスを減らしたり、一時的に賃金をカットしたりして雇用維持を図って来ました。
しかし日本でも長期不況の中では、人員削減も見られました。同時に正規従業員を非正規従業員に置き替え、平均賃金水準を下げるという方策も採りました。その結果「格差社会」といわれる後遺症が残り、問題になっています。
Hire and fireと言われるように解雇が容易な国ぐには別として、日本の場合は特に正規雇用の増加には慎重で、会社が苦しい時は共に苦しんでくれる人を求めます。
そういう意味では、自分はこのように会社に貢献できますという点を明確にし、それが採用担当者に、この人の能力と人柄なら、「将来苦楽を共に出来るという可能性も含めて」会社の役に立ってくれると感じさせることが雇用成立の条件と言えるでしょう。
採用担当者にとって『採用』という決定は、会社として、今後長期に亘り、この人間の生活に責任を持つとの意思決定という意味で、大変重いのです。
必要な職務に必要な人間を張り付ける「職務中心」の雇用(日本でも非正規雇用は同様)と違って、会社という組織と入社する人間との相互の信頼と約束としての性格の強い日本の雇用への認識がそうさせるのでしょう。
「もっと気軽でいいじゃないか」という意見も最近多いようです。しかし、日本企業は、そうした伝統が「いざという時、会社の強みになる」という経験を持っているので、簡単には変わらないようです。
景気は回復基調ですが、賃金はなかなか上がりません。この夏のボーナスの平均増加率はかなり高かったようですが、月例の賃金水準はあまり上がりません。企業は人件費の増加には常に慎重なようです。
という事で、個人の場合の雇用発生の条件の一つは、端的に言って、その人が「給料以上に稼いでくれる」可能性が大きいという事でしょう。
面接担当者が、いろいろ質問するのも、この人を雇用して、わが社で仕事をしてもらった時、企業としてペイするとの確信を持ちたいからです。
企業としては、「私は100円稼ぎますから給料を60円下さい」という人なら間違いなく採用されるでしょう。
企業にとっては、給料分だけ稼いでくれるのではだめで、給料プラス資本費(利益や借入金の利息や減価償却費など)の分も稼いでくれないと企業は存続していけません。通常、付加価値(稼ぎ)の7割以上を人件費に払うようでは企業はキツキツで、6割台になると何とか一息というところでしょうか(この7割とか6割というのが「労働分配率」です)。
更にもう一つ条件があります。不況になった時の対応です。不況時には、欧米では従業員を解雇して雇用を削減し、日本では、残業やボーナスを減らしたり、一時的に賃金をカットしたりして雇用維持を図って来ました。
しかし日本でも長期不況の中では、人員削減も見られました。同時に正規従業員を非正規従業員に置き替え、平均賃金水準を下げるという方策も採りました。その結果「格差社会」といわれる後遺症が残り、問題になっています。
Hire and fireと言われるように解雇が容易な国ぐには別として、日本の場合は特に正規雇用の増加には慎重で、会社が苦しい時は共に苦しんでくれる人を求めます。
そういう意味では、自分はこのように会社に貢献できますという点を明確にし、それが採用担当者に、この人の能力と人柄なら、「将来苦楽を共に出来るという可能性も含めて」会社の役に立ってくれると感じさせることが雇用成立の条件と言えるでしょう。
採用担当者にとって『採用』という決定は、会社として、今後長期に亘り、この人間の生活に責任を持つとの意思決定という意味で、大変重いのです。
必要な職務に必要な人間を張り付ける「職務中心」の雇用(日本でも非正規雇用は同様)と違って、会社という組織と入社する人間との相互の信頼と約束としての性格の強い日本の雇用への認識がそうさせるのでしょう。
「もっと気軽でいいじゃないか」という意見も最近多いようです。しかし、日本企業は、そうした伝統が「いざという時、会社の強みになる」という経験を持っているので、簡単には変わらないようです。