tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

これでインフレになるのでしょうか?

2012年12月27日 16時59分22秒 | 経済
これでインフレになるでしょうか?
 安倍政権の「経済優先政策」の方向はかなりはっきりしてきました。何はともあれ、円が1$=85円を切り上げ、株価が1万円台を回復し、この面からは、低迷していた日本経済に明るい部分が出てきたことは明らかです。
 
 しかしこれでだんだんインフレになるのでしょうか。多分そんなことはありえないでしょう。政府、日銀が協定してみたところで日本が1~2パーセントの恒常的なインフレになるにはまだまだ先があります。

 早い話が、近い将来、アメリカが財政の崖への対応に失敗した、とか、またヨーロッパのどこかの国の赤字への対応が予想したように巧くいかないなどといった状況が出て来て、また消去法で円が買われて70円台に逆戻りなどということになれば、此の所の明るさなどは、雲散霧消でしょう。

 しかし、アメリカややユーロ加盟の経常赤字国が経常赤字を減らすことは容易ではありません。企業でも再建計画が巧く行くとは限りませんが、国ではもっと難しいでしょう。赤字状態の下では、危機は繰り返しやって来ます。

 今の日本経済というのは、ことほど左様に、自分の努力ではどうにもならない危なっかしさをはらんでいるのです。
 今回はもう大丈夫です、とは誰も保証してくれません。最後は日本経済は日本国民が守らなければならないのです。

 先ず大前提は、日本の物価が、世界の物価より高いうちは、インフレは起こりません。今、日本の物価水準は、世界でも最も高い方でしょう、サブプライム・リーマン・ショックで$1=¥120が、$1=¥90になり、さらにユーロショックで70円台までドル建てで3割以上、高くなった日本の物価が、国際水準に戻るためには、$1=¥100位にならなければ。駄目でしょう。
 でなければ日本人の生産性向上努力で日本の物価を15パーセント程度下げなければなりません。

 その前にまた円高が起こる可能性の方が大きいとすれば、いつまでたってもインフレは来ないでしょう(確かにこの20年来ませんでした)。

 そんな訳で日本にとって必要なことは、先ず円高からの防衛を日本経済の防衛と考えること。次いで、生産性を上げて、日本の物価を下げる努力ということになります。インフレはなかなか来ません。


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