tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本は何を目指していくのか(施政方針演説雑感)

2014年01月27日 12時14分32秒 | 国際政治
日本は何を目指していくのか(施政方針演説雑感)
 国会冒頭の安倍総理の施政方針演説は、なかなか立派でした。安倍総理の話し方も、自分の言葉で話しかけるといった感じがかなり出ていて、感銘を受けた方も多かったのではないでしょうか。しかし、何か不安を感じさせるものもありました。
 
 経済問題では、昨年来の20~25円幅の円安で、経済の好循環の土台が出来てきたことが、政権、そして多くの日本人の自信回復につながっていることが大きいと思います。
 ですから、すべての経済問題の基底に、再び円高には戻さないという「条件」があることをしっかりと認識しておかなければならないでしょう。

 この円安転換は、日銀の政策変更、アメリカに倣った異次元の金融緩和によるものです。しかし、基軸通貨国であるアメリカは相変わらず経常赤字を続け、海外からの借金と、超金融緩和で遣り繰りが必要な不安定経済の国です。出口戦略もなかなか巧くいきません。

 アメリカ自体が、財政・金融問題で何時行き詰まるか予断を許しません。下手な失敗をすれば、ドルの信頼が失われ、リーマンショックの時のようにガタガタと何十円かの円高になる可能性は常にあるのです。
 政府、日銀が、 能くそれを防ぐことが出来るか、この問題への言及は全くありませんが、アメリカ発の経済問題の発生の確率は、南海トラフの比ではないでしょう。

 政治、外交面についてですが、積極的平和主義は大変結構です。紛争や戦争は多くの死傷者、難民を生み、人命も人の心も破壊します。
 日本としては、平和憲法の精神に沿う「徹底して紛争、戦争を避ける、人の殺傷はしない」ことを至上命題にし、それに近づくあらゆる政治的、経済的可能性を未然に防止する努力こそが、本当の「積極的平和主義」でしょう。

 施政方針の中の「積極的平和主義」の意味は不明ですが、力や権謀術策で対抗したり抑え込んだりする政策は、一見、紛争抑止のように見えて、実は一触即発の紛争発生の可能性を高めるものであることは歴史の教える所でしょう。

 日米安保そのものも、最初は、「危険な国日本」に再軍備をさせないというアメリカの方針から発生したものでしょうが、いま日本は世界でも最も平和を好む国になり、アメリカの日本に対する考えは大きく変わったようです。日本のとる「積極的平和主義」の中身は何か。これは極めて大事なことです。

 他国との争いを誘発するような言動を避ける知恵を持つことは当然として、例えば、アメリカの世界経済に不安を与えるような行動(万年赤字など)に対しては、積極的に忠告し、世界各国の経済、政治の混乱を未然に防止することなどが積極的平和主義のベースの1つになるのでしょう。
 歴史上、多くの戦争は、経済問題から発生しています。経済の健全化は重要です

 戦後60年、日本は、戦争や紛争で人を殺傷しませんでした。平和憲法に則り、この実績をいつまでも積み重ねることが、「日本=真に平和を愛する国」を世界に証明する究極の方法でしょう。
 縄文の1万年をかけて創り上げた「争いを好まない本来の日本の姿」を「解り易く」世界に示す時ではないでしょうか。


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