tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

SNS時代の国連の役割を問う

2021年02月23日 20時23分16秒 | 国際政治
SNS時代の国連の役割を問う
 ミャンマーの問題は、誰がどう考えても軍の理不尽だと思われます。
 あれだけの国民が、あれだけ一生懸命に、軍のクーデタ、民主主義を破壊して国民の意思を抑圧しようとする政府に抗議の態度を示している実情が、あらゆるメディアを通じて世界中に報道されている中で、今の人類社会は、何ら効果的な行動をとれないという事で済ませていていいのでしょうか。

 昔は、国内で起きている事が何なのか、外からは解らないことも多かったと思います。しか今は違います。世界の公共放送の電波は勿論、SNSは世界中の出来事を、それが起きている現場から、瞬時に世界中に伝えることが出来ます。人類社会の情報化はここまで進んできました。

 情報は行き渡っています。正確に分析すれば、何が起きているかは明らかになります。当然それについての客観的な判断も可能になります。

 現在のミャンマーの問題も、既に実態は世界に明らかで、軍の理不尽な横暴と独裁は多くの人にとって目に余るものでしょう。多くの国で、その国に住むミャンマーの人たちがそれぞれの国や国連事務所にミャンマーのために世界の世論を作ってくれるようにデモなどをして一生懸命に働きかけています。

 国連事務総長も深い懸念の意を表明し、国連人権理事会も動き始め、それは世界の国々で報道されています。世界の多くの人達は心を痛めています。

 しかし、残念ながら、この現状に対する国連の行動はまだ見えてきません。
 具体的に行動をとっているのはアメリカが、ミャンマーの軍の要人に対してアメリカの銀行口座の封鎖や取引の停止といった経済的制裁措置を取り、イギリス、カナダやEUも同様な経済政策措置を取っているという事までです。
 
 これがどの程度の効果を持つのか知りませんが、一方で、国連の常任理事国である中国やロシアは、ミャンマー軍に対して、同じ独裁政権という事でしょうか、友好を維持しようという事のようです。中国は国連の意見に反対を表明しています。

 これでは子供の喧嘩と一緒で、いじめっ子に対して反対という子もいれば、もっとやれという子もいるようなもので、問題の解決には程遠いという事でしょう。

 こうしたトラブルに関しては、同じ「独立国」という立場で制裁をする側と援助をする側が対立し、双方が本気なえば、トラブルが拡大するだけです。

 本当の解決につながるのは、「国レベル」ではなく、世界の国の組織体である国連がその機能を発揮して、世界民主主義や世界人権宣言の立場で、理非曲直を判断し、世界人類を代表して世界の世論として「どうあるべきか」を確りと示すという役割をしなければならないのでしょう。

 勿論これは理想論で、現実は、米英仏ロ中国という国連常任理事会の5か国がそれぞれに拒否権を持ち、ロシア、中国という独裁国は民主主義的な判断には必ずしも同調せず、ミャンマーの問題でも、国連常任理事会がまともに機能しないとぃうことになるのでしょう。

 さらに言えば、第二次世界大戦の戦勝国の五か国が、その後世界情勢が全く変わったにも関わらずいつまでも常任理事国でいるというアナクロニズムが国連の機能不全を齎しているという事にほかなりません。

 出来れば、今回のような機会を何とか、こうした問題を民主主義に則って解決出来るような国連に造り替えていく契機として、世界世論の集約にSNSなどの最大限の活用も含め、今日のコミュニケーション技術の発展の力を活用し、より良い地球社会にするような運動を起こすべきではないのでしょうか。

国連中心主義を常に標榜してきている日本としては、非力ながら本気でそうした発言、行動の発信地を目指したら如何でしょうか。

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