tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

独裁者の傾向のある人を見分ける方法

2022年03月07日 16時35分54秒 | 文化社会
世界の多くの国では独裁者の誕生を防ごうと、国のトップを選ぶ場合のルールを定めています。

任期は3年とか4年が多いようですが。在任期間は連続2期までというのが多いようで、例えばアメリカは任期4年で2期8年までとなっています。

ロシアはもともと任期4年で、3選禁止だったようですからアメリカと同じだったという事でしょう。

中國は任期5年で2期までと鄧小平さんの時に決めたようです。

ついでに日本の場合は、政権党の総裁が総理大臣になるので、ほとんど政権党の座にある自民党の総裁の場合、任期は3年で2期までということになっていました。

こういうルールを作るという事は、どんな立派な人間でも、最高権力の座に長くいると、どうしても独りよがりになって、「権力は腐敗する」という諺のようになってしまうという歴史の経験から学んだ知恵の結果でしょう。

ところが、ここに挙げた4か国の例の中だけでも、このところ、歴史から学んだ知恵を蔑ろにするケースが増えています。

確かにアメリカは、代表的な民主主義国家を自負する国だけあって、ルールは守られて来ているようです。(でもトランプさんは何となく危ない)

ロシアは、間に別の人を挟めば、再選可能という事だったようで、プーチンさんは、メドベージェフさんを挟んで再選され、その後4年の任期を6年に延ばし、計算方法は解りませんが、2036年まで大統領が可能という事にしたようです。

中國では習近平さんが、国家主席は2期10年までという憲法の条文を削除することを提案して終身主席が可能としているようで、今秋の党大会で、定年制を適用しなければ、3選可能という見通しが一般的になりつつあるようです。

日本の場合は、安倍総理が無理をして自民党のルールを変更、3選を可能にして、問題を起こしながら8年余在任しました。

こう見てきますと、一国のトップになった人にも2種類あって、任期を終えると後任に国政を任せ、引退する人、つまり、歴史の教える知恵を尊重して、自らの役割を客観的に見られる人が一方です。
もう一方は、権力に目が眩んで、自分の力で何でも出来るような気になり、その中で思いついた妄想を追いかけて、世の人々が客観的にみれば、とんでもない事を、正しいことだと錯覚して権力を悪用して追求する人がいるという事です。

この2種類の人間を見分けることは容易ではないのかもしれませんが、上の例から見ますと、トップになって、自分の任期を延長しようとする人は、恐らく世の中が客観的にみられず、歴史の教訓などには興味も関心もない人で、独裁者になる可能性の高い人だという事になるのではないでしょうか。

これは一国のトップだけではなく、権力と人間の、いろいろな場合にも応用できる事のような気がします。
(影の声:もうその時では遅いのではないですか!?)


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