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アストラゼネカ、日本でワクチン製造へ

2021年01月28日 18時02分00秒 | 科学技術
アストラゼネカ、日本でワクチン製造へ
 新型コロナ克服の決め手になるかと期待されているワクチンについての朗報が飛び込んで来ました。

 英国のアストラゼネカ社と日本政府は1億2000万回分のワクチン供給の契約を結んでいましたが、このほど、その内、まず3000万回分を3月までに輸入することが決まり、後の9000万回分を日本で製造することになったという事です。

 日本のワクチン産業については、日本政府そのものが全く考えも態度も表明したこともなく、すべては輸入枠確保の努力しか言っていなかったので、この報道は驚きでした。

 もちろん、アストラゼネカは東京に支社があり、アストラゼネカジャパンという日本法人もあり、今回の主役はそこでしょうが、実際にワクチンの製造をするのはアストラゼネカからの委託を受けた日本の中小医薬品メーカーです。

 ネットで見ましたらその会社は、兵庫県芦屋のJCRファーマという会社で、アストラゼネカから製造の打診をされ、トップ以下全社一丸でやる気がひしひし窺われるところです。

 ワクチンのもとになる生きたウィルスをアストラゼネカが供給し、それをJCRファーマが大量に培養してワクチンにまで仕上げるという仕事で、アストラゼネカの田中執行役員は、「JCRファーマの能力の高さを認めたので」といい、JCRファーマの芦田会長は「初めは断りましたが、遺伝子治療をやっているチームがあって、出来ないことは無いじゃないかというので引き受けました」「失敗できないと感じています。しかし、こういう時に作れと言われたら作るのが使命かもしれない」とのことです。

 同社研究本部の岡本さんは「我々の技術があったらできるなと。(製造)テストでは思っていた以上に順調に進めることができました」とのことです。(以上MBSnewsより)

加藤官房長官は、今日の記者会見で、「ワクチンの生産設備を整備する厚生労働省の補助制度への申請を27日に行った」と説明し「ワクチンを国内で生産できる体制を確立することは大変重要だ。パンデミックに備えて生産体制の整備をしっかりと進めていく」と言ったようです。

 何事も後追いになっている現政権ですが、出来れば1年前、遅くとも半年前に、その言葉を聞きたかったと思う人は少なくないのではないでしょうか。

 これが刺激になって、日本でもコロナワクチンの国内開発、国内生産が進むのでしょうか、それとも、これまでのような状態が続くのでしょうか。今後の業界の動きは、政府の方針と、力の入れ方次第のような気がするところです。

 

    

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