tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

一国のリーダーの選び方

2017年10月25日 12時50分12秒 | 政治
一国のリーダーの選び方
 5年に一度開かれ、今後5年の中国のリーダーを決める中国共産党大会が昨日閉幕しました。
 習近平総書記の第2期に入るわけですが、党規約に、習近平の名を冠した「習近平による新時代の特色ある社会主義思想」を党規約に盛り込み、習氏の権威付けが大きく進んだようです。
 個人の名前が冠されるのは、毛沢東、鄧小平に次いで3人目という事だそうですが、確かに、AIIBの創設、一帯一路構想の展開など、経済大国として世界に認められた中国の経済力を背景に、国際的な場に大きな一歩を進めた功績は、中国にとって極めて大きいものでしょう。国内的には「汚職撲滅」が国民の心をつかんだようです。

 南沙諸島に軍事基地を建設、近隣諸国の反発を受けながら、国際仲裁裁判所の判断を「ただの紙屑」と無視した勇み足(?)もあったりして、国際的には心配される部分もありますが、大国として力をつけたことは間違いありません。

 ところでここで考えるのは、そうした問題ではなく、リーダーをどう選ぶかという問題です。世界のほとんどの国ではリーダーは選挙で選んでいます。
 それだけ「民主主義」が広範に根付いているという事でしょうが、中国は相変わらず「共産党一党独裁」で、今後についても、従来のリーダーの選び方で良いと確信しているという事のようです

 共産党一党独裁のソ連邦は崩壊しましたが、中国は、鄧小平以来「社会的市場経済」という概念を導入、習主席も「中国の特色ある社会主義を堅持し発展させる」と明記、現体制の発展の方向を明確にしています。

 資本主義が社会主義的な「福祉国家思想」を取り入れサバイバルを果たしたように、対局にある社会主義が「市場経済」を取り入れサバイバルを果たすというのは「中間にある真理を目指す動きなのかもしれませんが、ここで全く違うのが「リーダーの選び方」です。

 選挙でなく、中国方式で何時まで行けるのか、と考えてしまうのですが、発想を変えてみれば、企業の経営者の選び方は、選挙ではありません。官僚のトップ(次官)の選び方も中国方式に近いでしょう。 
 そして、企業や官庁は、そうしたリーダーの選び方が、矢張りいいのだと考えているからこそ、それが続けられているのでしょう。

 こうしたリーダーの選び方の違いは、何によるのでしょうか。組織の性格や目的の違いでしょうか、それとも社会文化の違いでしょうか。
 経験から見れば、どちらにも、結果的には成功例、失敗例があります。どちらが成功例が高いのかという経験がしからしめているのでしょうか・・・。

 リーダー選択の失敗の場合のチェックの可能性という考え方は基本的に大事だと思われます。であれば、どちらの制度も、失敗の場合のチェックシステムをしっかり持つことが大事になってきます。
 
 リーダーの選び方は組織の命運を左右します。我々は、その点で、どこまで進歩しているのでしょうか。

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