tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「金利」:金利水準に影響する要素は

2016年10月05日 12時43分36秒 | 経済
「金利」:金利水準に影響する要素は
 中世から近世への社会の変化の中で、金利が合理的なものとして認められてきたという事は「言われてみればそうなのか」と分かるように思います。

 では、金利が合理的と認識されるとしても「どれだけ金利を払うか」は結構難しい問題です。
 「わかった、貸してやろう。その代わり儲かったら儲けは折半てのはどうだ」と言われて、「それでもいいから貸してくれ」というか、「半分持っていかれちゃ厳しいから、誰かほかから借りる」かは、ほかに貸してくれそうな人がいるかどうかで決まります。
 探したら「わかった、その代わり儲かったら俺に3割よこせ」という人がいたら、その人から借りるでしょう。

 つまり基本的には、金利の水準はマーケット(借り手と貸し手の駆け引き)で決まります。では。マーケットは何を基準にするのでしょうか。 
 マーケットには大勢の参加者がいて、それぞれの参加者の事情や考え方がありますが、金利が高すぎれば借り手がない、低すぎれば貸し手がいない、ということで、その間の適当なところで決まるという事でしょう。市場原理と言われるものです。

 そうしたマーケットに影響を与える要因は大きく2つあるように思えます。
 1つは、金を借りる人の儲けが大きければ多少は高い利息でも借りたほうが得だという借り手側の気持ち、もう1つは、おカネを貸しているうちに物価が上がってしまったら、低い利息では損になる、インフレ分をプラスした金利は欲しいという貸し手の気持ちです。

 一般的な言い方をすれば、1つは景気のいい時は金利は高くなる傾向がある、もう1つはインフレの時は金利が高くなる傾向がある、という事でしょう。

 ところで今は「ゼロ金利」「マイナス金利」です。仕事をしても儲からないほど景気が悪いからでしょうか、さらに、物価上昇は本当にゼロでしょうか、インフレがないから貸し手は利息はゼロでもいいというのでしょうか。
 そんなことはないようです。企業の収益状況は割合順調ですし、ゼロ金利に不満な庶民は、「自分で利息を付けて(貯蓄を増やそうと利息の付かない分預金などの積み増しをする)いる」といった状況です。

 どうも市場原理がまともには働いていないようです。誰かが歪めているのでしょうか。

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