tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「解除」ではなく「一部緩和」が国民の理解のようです

2020年05月15日 16時09分55秒 | 文化社会
「解除」ではなく「一部緩和」が国民の理解のようです
 新型コロナかに対する「緊急事態宣言」は、14日、39県で「解除」という事になっています。何か「ホッ」とする感じです。
 国としては「もう緊急事態ではない」と宣言し、後は当該県や業界の方針でという事のようです。

 テレビのインタビューで、街の方がたの声を聞いていましたが、ほとんどの方は大変慎重で、「解除になっても十分気を付けて生活します」という感じのご発言でした。
 お店などをやっておられる方々も「店を開けられるのは有難いが、感染防止は気を使いますね」と店の殺菌、清拭などに励む姿が映っていました。
 政府は「解除」という言葉を使い、マスコミもその通りの言葉づかいですが、街の方々の受け取り方は、「解除」とは程遠く、未だまだ、緊急事態の範囲内とお考えのように感じたところです。

 政府は、出来れば月内にも東京なども含め、「解除」宣言をしたいといった様子ですが、私自身、政府が解除宣言をしても、東京都の意向の尊重は勿論、例えば、中央線の電車に乗って、都心まで出て行くような場合には、先ずは出来るだけ避ける、行くとすれば、細心の注意をしなければと考えるでしょう。

 政府の持っているデータは、基本的には、感染者の数がどの水準まで減ったかという数字ですが、これは検査を行ったケースの中からの結果ですから、検査をしていない人がどうなっているのかは全く解りません。

 仮定としては、検査をしていない人は多分全員感染していないのだろうという事で出されている数字です。この仮定による誤差がどのくらいあるかは全く解っていないのです。

 こうした統計的な危機管理の杜撰さもありますし、さらに問題なのは、今、感染者が減ってきているのは、明らかに「緊急事態宣言」のお蔭です。
 ですから、緊急事態宣言が解かれ、部分的のも、規制が緩和されれば、その分だけ感染者が増える、リバウンドはあって当然、というのが常識的な結論でしょう。

 にも拘らず感染者がそれほど増えなかったとすれば、その理由は多分、
① 規制がきつすぎて、そこまで強くしなくてもよかった
② 希薄感染による無発病の抗体保持者が増えた(所謂社会的免疫状態の発生)
③ 宣言を解除しても、国民(県民)が、確り感染防止の努力をした
のどれかになるのではないでしょうか。

 これらのうち、①は、新型コロナウィルスという未知の相手ですから仕方なかった、②は、いまだ学術的にも説明できていない、そしておそらく真実に最も近いのは③ではないのかと考えるのが適切なのでしょう。

 マスク2枚から始まって、PCR検査、医療体制の整備、抗体検査まで、後追いあとおいの政府の政策にもかかわらず、現状、世界でも有数の、対策成功の国の仲間入りをしている現実は、ひとえに、真面目で賢明な国民の行動の在り方によるという事を政府は十分認識してほしいものです。

何とか感染のリバウンドがあまり深刻にならなかったとしても、いやしくも、政府は、国民の手柄を自分の手柄と読み違えるようなことはしないでほしいと思っているのですが、如何でしょうか。