tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トラブルシューターが必要な時代

2019年07月25日 12時33分55秒 | 国際関係
トラブルシューターが必要な時代
 日韓関係が半導体関連3品目の輸出手続きの問題で、悪化の懸念が予想されます。
 戦後協力し合って経済発展を遂げ、先進国の仲間入りをしてきた隣同士の国が、此処にきて改めて仲が悪くなるなどという事は全く情けないことです。

 米中関係もそうですが、お互いに挑発しあって、双方ともそれなりの痛手を負いながら、世界中に迷惑をかけるような状態をだんだんひどくしていくようです。
 拝見するところ、両国首脳には、現状では、世界に迷惑をかけないよう「トラブルシューター」としての役割を果たそうというという気持ちは残念ながらあまり見えません。

 トラブルを起こすことは承知で、相手が屈服するまで言い募るという、世の未熟な人間に往々みられるようなことを、大国同士がやりあっているように見えます。どちらが仕掛けたかなどはそれぞれに意見があるのでしょう。

 日韓関係も基本的には同じでしょう。今回のWTOの場でも、日韓両国の代表が自らの立場の説明を繰り返すだけで、会場からの意見はなかったようです。
 第3国の代表の皆様にしてみれば、日本と韓国のような立派な国なんだから、自分たちで解決したらどうですか。他人の意見を聞くこともないでしょう。聞かれる我々もどちらに肩入れしているなどと思われても困りますから」というのが本音でしょう。

 場違いかもしれませんが、戦後日本の労使関係が世界に冠たる成熟を見たのは、日本には強制仲裁の制度がなく、労働委員会は、出来るだけ当事者同士で、解決しなさいと、何度でも問題を当事者同士に押し戻すというのが慣例だったからという意見があります。

 世の中には「トラブルメーカーとトラブルシューター」がいて、トラブルメーカー同士が張り合っても、解決は破局以外にないのでしょう。
 本当に必要なのはトラブルシューターで、  大分前に書きましたが、、日本人は縄文以来、トラブルシューターの知恵を磨いてきたのではなかったでしょうか。

 世界のリーダーの中で、何かトラブルメーカーが増えてきているように感じられる今日この頃ですが、今後の世界を考えても、日本は、トラブルシューターとしての多様な知恵と行動を、ますます磨いていくことが、世界に役立つ国として認められる条件の一つではないでしょうか。
 
 また余計なことを書きますが、トラブルシューターになる第一歩は、無闇に腹を立てないことではないかと思う所です。