tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

防衛充実? インフラ整備? 国民の「生命と財産」を守るには

2018年08月21日 15時24分21秒 | 政治
防衛充実? インフラ整備? 国民の「生命と財産」を守るには
 台風19号、台風20号と連続して日本列島を襲うようです。
 今年は台風の発生数が多いですね。気象庁によれば8月で20号を超えることはほとんどないようです。
 今年は、台風以外にも西日本豪雨があり、この所、線状降水帯などという言葉が一般的になるなど、自然災害が極端に増えています。

 先日、「 新・日本列島改造計画」を書きましたが、気候変動のせいでしょうか、日本の気象状況も、従来の社会インフラとのバランスでは考えられないようなものになり、激甚災害が増えています。

 こんなものを示すのは、どうかとも思いますが、自然災害による死亡者・行方不明者の数の2000年以降の推移を見てみました。


資料:総務省、社会実情データ図録 (死亡者は行方不明者含む)

 2011年は東日本大震災の年ですが、こうした巨大災害は別としても、何か自然災害による死者・行方不明者の数が次第に増えてきているように思えるのです。
 勿論人命が失われるのと同時に、物質的な財産の損害も膨大なものになっているでしょう。

 被災地の声、ボランティアの方々の発言を聞くたびに思い起こすのは、安倍総理が口癖のように言う「国民の生命と財産を守るのは政府の責任」「国民の生命と採算を守ることに最善を尽くす」といった発言です。

 確かに安倍総理はこうした災害があれば、すぐに現地に行き、被災した方々と親しく言葉を交わす努力はしておられ、被災者の方々もそれは評価しておられると思います。
 
 しかしどうも、安倍総理の発言や行動を見ていますと、「国民の生命と財産を守る」という場合、何から守るかというと、どうもそれは北朝鮮からのミサイルであり、中国の脅威であったりして、自然災害の深刻化に先手を打ってインフラの整備をという発想は出てこないように見受けられるのです。

 端的に言ってしまえば、インフラの整備を確りやれば救えたかもしれない生命や財産は、災害地見舞いで対応し、政府としては、陸上イージスを整備したり、自衛隊を早く憲法に書き込んだりして、飛んでくるかどうかわからないミサイルや、尖閣という国民の財産を守ることが総理としての役割とお考えなのだろうと思えるのです。

 確かに一国の総理としては「大きなこと」をやりたいという気持ちを持つのは当然かもしれません。
 しかし、戦争と国防が大きなことで、インフラの整備は小さなことなのでしょうか。現実に、どちらが「生命と財産」を守る効果が大きいのでしょうか。

 言い換えれば、他国との関係と自然との関係とどちらが大事かという事でしょう。
 現実には国際関係で生命、財産が失われるという事に対しては、過去の経験から言えば、外交交渉が最大の手段でしょう。
 自然との関係は、今の気候変動問題を考えれば(自然とは交渉出来ませんから)、まさに焦眉の問題でしょう。

 必要なのは、どちらが優先化を決めるときに、国民と十分に対話して決めるという事でではないでしょうか。リーダー1人の思い込みで決めては危ういようです。
 1500年以上前、聖徳開始の17条の憲法の第17条にはそう書いてあります。

 安倍さんは、三選を果たしたら、「憲法改正」とお考えのようです。1500年前の知恵が、1500年経っても生かされていないのでしょうか。