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核兵器禁止条約の交渉開始に日本は反対

2017年01月09日 11時07分10秒 | 国際政治
核兵器禁止条約の交渉開始に日本は反対
 国連で採択された核兵器禁止条約の交渉を今年開始するという今回の決議案の採決にあたって日本は反対しました。(前段階の報告書の採択では棄権でした。)

 これに対しては国内でも賛否両論、マスコミの論調も二分の状況のようで、確かに今の日本の置かれた状況の中では難しい問題でしょう。

 唯一の核兵器被爆国として、せめて棄権という選択はなかったのかといった意見は多いようです。
 日本人としての気持ちを表すのであれば、棄権という選択もあったのでしょう。しかし棄権、反対のどちらにしても、世界の核兵器保有問題が当面それでどうなるも考えられないから、日本の置かれた立場も考え、極めて現実的に反対したという事でしょうか。

  今の世界情勢の中で、核兵器廃絶の交渉に入ると言っても、実現性は殆どないと言うのかもしれませんが、こうした条約が提案され、採択されるという事はある意味では人類の危機意識の表出かもしれません。

 私は人類は多分今後核兵器を使うことはないと思っていますが、それは、核戦争は人類の破滅に直結するという核兵器に対する人類全体の恐怖が、核兵器保有までは認めても、現実に使用することへの決定的な抑制意識を生み、それは核兵器が持つ、いわゆる「核の抑止力」という形で支えられていると思っています。

 確かに、1945年、日本に2発の原爆が落ちて以来、人類は核兵器を使用(実験はしても)してはいません。そして多分この状況は今後も続くでしょう。
 しかしこのままでいいとは、今の核保有国でさえ思っていないのではないでしょうか。地球を何回も破滅させることが出来るほどの核戦力を保有している現状などといわれますが、そのコストも巨大でしょう。

 日本自体、核抑止力の傘の中にあるから、あるいは決議しても実効性がないから反対といった考え方もあるでしょうが、唯一の被爆国として、先ず人類全体の意見を聞いて、100年先に向かって知恵を出し合おうという積極的意識を持つことが大事なのではないでしょうか。