tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本はこんな方向を目指すべきでは

2017年01月03日 12時08分58秒 | 国際関係
日本はこんな方向を目指すべきでは
 国際的にも、国内的にも、今年はいろいろな事(変化)が起こりそうな気がします。
 変化に対応する柔軟性は大事ですが、同時にその柔軟性は「ぶれない芯」を持っていなければならないでしょう。場当たり主義では信用を無くするだけです。

 世界でも、国内問題でも、企業内や地域社会でも、人間には、安心感が必要です。
 安心感は人間関係の中から生まれます、人間社会には組織があり、その組織は人間によって成り立っています。
 組織の中に安心した人間関係(信頼関係)を持てない人がいると、組織という人間集団はうまく動きません。特にリーダーの立場の人にはこれが重要です。

 実は、誰もが、いつもそう思っているのです。そう思っていながら、国際関係は不信が支配しがち、国民の多くが政権の政策に不信感を持ち、ブラック企業が昔より増えたように思われ、いじめの問題も深刻化しているようです。

 そうした中ですが、日本という国、日本人である我々ぐらいはすくなくとも、何か「ぶれない芯」をもって、行動したいものです。

 戦後70余年、日本はそれなりに世界から、またアジアの国々から信頼できる国といった認識を築く努力をしてきたと思いますが、その基底には何があったのでしょうか。
 
 戦争に負けて反省したからという意見もあるでしょう。しかしそれだけではないようです。平和を守り決して戦わないことを是とした日本人は、それが最も「居心地がいい状態」と意識しているのではないかと思われます。それは日本人の海馬の中に、「それを善しとする」何かが確りと存在するからでしょう。

 おそらくそれは 1万有余年の縄文時代、日本人が形作られた長い経験(記憶)から生まれたものではないでしょうか。1万年という長さは大きな意味を持つように思われます。
 このブログでも触れてきましたが、縄文時代には戦争の形跡がありません。征服、被征服、奴隷制もなかったと見られています。

 地震、台風、洪水、津波などの自然災害が多分頻繁に起きていたであろう、海面上昇で孤立した日本列島で、何十万人かの、大陸や島嶼からの多様なDNAを持つ人間が、北から南まで交流し、共存、共生して、あたかも単一民族のような日本人になるまでの1万余年の海馬の記憶、そこに原点があると考えるべきではないでしょうか。

 時に荒れ狂う自然と共存しながら、森を育てれば海も育つことを学び、今日でも国土の7割の森林を維持してきている日本です。
 十七条の憲法の第一条に「和を以って貴しと為す」が掲げられ、平安時代から江戸時代まで日本の子供が学んだ「実語教」には「山高きをもって貴からず、木あるをもって貴しとなす」とあります。

だからこそ、戦後の状態が日本人にとって、かけがえのない居心地よさを感じさせるのでしょう。
 この知恵を世界で共有することが日本人の夢であってもいいのではないでしょうか。