tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

MRJ離陸

2015年11月12日 09時51分36秒 | 科学技術
MRJ離陸
 2015年11月11日、三菱のMRJが文字通り離陸しました。
 航空機事業については戦後の強いられた空白、そして戦後の航空業界にとって記念碑的な1962年のYS11の誕生、性能はよかったが営業でつまずき1971年に生産打ち切り、それから44年、日本のメーカーは海外航空機会社の下請けが中心でした。

 そしてようやく国産ジェット旅客機が文字通り離陸したのです。おそらくこの離陸は、日本の航空機業界が世界のマーケットに向けての本格的離陸ということになるのではないでしょうか。
 YS11の時は、ベースは戦争中に培った軍用機の生産技術だったといわれます。性能はいいが乗り心地や保守作業対応などには問題があるなどと言われたようです。しかしそれからの期間、日本のものづくり技術は格段に洗練されました。

 世界に通用する、国際水準を凌駕する製品が目白押しです。中でも燃費、居住性、操縦性などでは日本の自動車技術は世界に先行していますし、飛行機並みのスピードを誇る高速鉄道も日本のお家芸です。

 離陸したMRJにはそうした発展の中で洗練された高度な技術が徹底的に組み込まれているようです。国際水準を2割がた上回る燃費性能、軽量・スマートで座り心地のよい座席、広めの居住空間、操縦性能は今後ますます磨きがかかるでしょう。

 この4月に ホンダジェットが本拠地のアメリカから飛来しとことはこのブログでも取り上げましたが、その際も触れましたように、日本の航空機製造技術は着実に進化していたようです。新明和の飛行艇は3メートルの荒波でも着水できるという高性能を誇ります。

 そして今回は、いよいよ世界に注目される中型旅客機MRJの登場です。
 この分野は、航空機業界ではある意味ではニッチで、ボーイングやエアバスはやっていません。性能さえ良ければ、マーケットは巨大だという意見は以前から聞かれました。

 とはいえ、もちろん競争は激しいでしょう。しかし、戦後、カメラからオートバイ、家電製品から自動車まで世界市場を席巻してきた日本のものづくりの伝統があります。
 日本人の得意技であるこの、きめの細かいものづくりの技術、ノーハウに磨きをかけることが、これからの日本産業のもう一段の発展の支柱でしょう。

 その象徴として、の今回のMRJの離陸を祝福したいと思います。