tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

昨日への追記

2015年11月01日 20時55分28秒 | 政治
 企業が生産を増やせば経済成長するというのはその通りですが、今の日本は、生産した分を買ってくれる国民の消費のほうが足りないので景気が伸び悩んでいます。アジアからの旅行者の爆買いも有難いのですが、1兆円程度では足りません。

 今年度も10兆円ぐらいの経常黒字が出るでしょう。これはGDPの使い残しです。平均消費性向の反対の貯蓄(黒字率)が大きすぎるということです。これを政府が10兆円の国債発行で吸い上げ、補正予算で10兆円使うことも理論上は可能ですが、現実には出来ないでしょうし、やるべきでもないでしょう。

 ならば政府に頼まないで、自分で使えばいいというのが結論になるのですが、国民が、貯蓄してしまって使わないのです。結局この金は日本の銀行が、外国の銀行などに預けたり、外国の国債を買ったりということになるのです。グローバルソブリンやブラボンなどの投資信託で損した人も多いと思います。そんなことなら、外国に預けないで、消費して今の生活をより豊かにしたほうがいいという理屈にもなります。

 しかし、将来不安があるから、多少目減りはしても、うまくいけば儲かるかもしれないそうした投信に投資する人は多いようです。儲からなくてもいい、目減りしないほうがいいという人は日本の国債を買います。ですから、日本の国債はきっちり国内で消化されるのです。

 しかし、今の日本では、もう1つの選択肢があります。余った10兆円を消費に向けるという選択です。これで経済成長が高まれば、来年の所得が高まる可能性があります。

 安倍政権が、消費拡大を言うのはそれを狙っているからです。しかし国民に「どんどん金を使ってください」とは言えませんから、賃上げをしましょうというのでしょう。しかし現状では賃上げを奨励しても消費はあまり増えないでしょう。

 そこで問題になるのが、国民が政府に何をしてほしいか、どうすれば国民が安心して消費を増やすようになるのか、そのために政府の為すべき政策は何かということになります。