tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費拡大は財政赤字削減にも貢献

2015年11月09日 09時45分52秒 | 経済
消費拡大は財政赤字削減にも貢献
 この所の一連のブログで願っているのは、赤字に悩む政府が、国債を発行して更なる借金を重ね、経済成長の後押しをするより、1600兆円という世界一の個人貯蓄(個人企業の分も入っていますが)を持っている国民が、主体的に金を使うような条件を整え、経済を活性化しようという政策です。
   平均消費性向を上げて日本経済の健全性を取り戻そうと考えるからです。

 そのために必要なのが、ここまで述べてきた、国民に将来への希望を持たせる、将来はより良い社会に「します」という政府の、具体性のある「分かりやすい」メッセージ(具体的で納得性のある政策の説明)だと考えています。

 国民を将来不安から、過度な貯蓄に追い込まないようにしなければならないのです。今の貯蓄は、ゼロ金利ですし、素人は投信などでは損ばかりで、これではまだ貯蓄が足りないと思わせ、更なる貯蓄に走らせるような状況です。

 政府が国民を安心させる政策を確りやれば(今はその逆の政策が多すぎますが)、国債発行を減らしても、個人消費がそれを補い、経済は活性化し、税収も増え、財政健全化のきっかけになるでしょう。

 雇用問題(雇用の安定)については、民間企業の役割が最も大事ですが、政府の仕事は、企業に将来への安心感を与えるような政策を進め、雇用を安定させることが大事で、かりそめにも非正規労働を助長し、労不安定雇用を増やし、社会を不安定にするような方向は取るべきではないでしょう。

 所得税の累進制復活を言いましたが(公明党も言い始めています)、格差社会にしないためにはこれは是非必要です。従来日本人は、高所得者もそうした社会を良しとしてきました。
 そしてこれは租税弾性値(経済成長率に対する税収の伸びの比率)を高め、財政再建に大きなプラスになります。

 経済成長が安定すれば、金融の異常事態である「ゼロ金利」時代も終わるでしょう。これにはアメリカのこれからが参考になります。多分日本はもっと巧くできるでしょう。
 そうなれば、定期預金にはまともな利息が付き、家計貯蓄は「生き返り」実生活の役に立つようになるでしょう。

 財政のプライマリーバランス(注)が回復すれば、国債は、国民の 重要な貯蓄手段となります。
 いずれにしても、貯蓄好きの日本人にとっては、将来不安から、ゼロ金利の預貯金やタンス預金に悩む必要のない、生活に有意義な貯蓄ができるようになります。


 世界で最も真面目、勤勉と言われる日本人です、良い政策さえ得れば、経済的安定や発展は当然得られるべき物と考えても誤りではないでしょう。

 (注) プライマリーバランス: 税金などの政府の経常収入で、政府の経常支出をまかなえる財政状態。この場合借金は増えないので、最低限健全といえる。利息が利息を生んで借金(国債残高)は増えるが、サラ金と違って国債利息は経済成長率程度なので、国民経済に対し、政府の借金が雪だるま式に増えることはないという前提。