tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

円レート、日経平均2万円、企業の投資行動

2015年11月30日 14時02分39秒 | 経営
円レート、日経平均2万円、企業の投資行動
 三題噺のように3つ並べてみましたが、このところの姿勢の日本経済に対する見方は、この辺りで何となく整理がつくような気がするからです。

 ネット上で「ファイナンス」などというところで書かれている株価についての意見などを見ていますと、日経平均二万円に今日あたりは乗りそうなどと書いてあったりします。
 今朝もそんなのをちらっと見ましたが、午後に入って150円ぐらい下げています。

 予想は当たらない事も多いようですが、少し長い目で見れば2万円を超えることはだれも疑わないでしょう。
 株価の動きも短期的予想は難しいですが、長期的には市況分析の手法など解らなくても、ある程度の方向感覚は何となく持てるでしょう。

 このブログも、日本経済はここ当分緩やかながら成長軌道と何時も書いていますが、それを前提にすれば、株価はじりじり上がるのでしょう。
 経済成長が踊り場状態にある原因として、消費性向の低下については統計上からも見てきましたが、もう1つ安倍さんがやきもきしている投資が予想ほど伸びないという問題にはやはりそれなりの根があるように思います。

 アベノミクスの第1弾金融緩和で企業は利益を上げ、内部留保を大きく伸ばしたのだからもっと投資を積極化せよというのでしょうが、企業は金があるから投資をするのではありません。そこにビジネスチャンスがあるから投資するのです。

 この足掛け3年ほど、確かに企業の収益は大幅に改善しました。しかし、その改善の最大の要因は20円ずつ2回にわたる円安のおかげだと企業は知っています。
 もう、そうした円安は期待できませんから、あとは通常の経済の中での活動になります。

 今後は着実に付加価値を作り、その中から利益を計上していくことになります。企業にとって、それでは何を目標にすれば、成功(成長)の可能性が大きいか、その選択が極めて重要です。
 
 もちろんそれを的確につかんで進めている部門もあります。省エネ車、航空機、などについてはこのブログでも取り上げました。最近ではロケット、先進医療、養殖漁業、機能性素材、ウエアラブル端末などなどマスコミを賑わすものも多くなっています。

 しかし産業の根幹であるエネルギー問題については、COP21の最中ですが、国の方針がどこを向いているのか解らないと誰しも感じているでしょう。

 為替レート(円安)で潤った時期が終わり、地道なビジネスが基調となる時期への切り替え、企業の投資行動から見れば、これが日本経済踊り場状態の原因でしょう。

 新3本の矢の中身では、企業は動きにくいでしょう、一億層活躍社会でも同じです。企業に投資を奨励する前に、企業が投資をしたくなるような政策が示せるかどうかのようです。

 新しい正常な経済の中で健全に経済活層が前進し、日経平均2万円などは軽々超えていくような日本経済が望まれます。