tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

新入社員の皆さんへ

2014年04月01日 09時46分19秒 | 経営
新入社員の皆さんへ
 新入社員のみなさん、入社おめでとうございます。

 今まで学費を払って勉強していた皆さんが、今後は仕事をして給料を貰うのですから、経済学でいえば、全く逆の立場になるわけです。当然意識も生活も変わるでしょう。

 ということで、これから長いサラリーマン生活が始まります。誰しも人生の大半はサラリーマン生活です。私もサラリーマン生活を卒業して10年以上になりますが、サラリーマン生活は「いろいろあったけれど、やっぱり振り返れば面白かった」というのが実感です。

 ところで、昔、私の勤めていた関係の所で、よく新入社員のための本を出していました。その中で今でも印象に残っていることがあります。

 その本は、当時のオピニオンリーダーの方々が、新入社員のために役立つような経験や意見を、心をこめて書いたものです。
 記憶に残っているのはジャーナリスト出身の扇谷正造という人のもので、
「サラリーマンになって給料を貰ったら、お金が入ったと喜んで、全部消費に使ってしまうのではいけません、よく考えて、その一部を必ず自分の将来のために役立つ「投資」に使いましょう。」
という趣旨のものでした。

 一部を貯金しましょうというのはよく言われますが、「自分の成長のための投資に使いましょう」というのが、大変重要と思われて、印象に残ったのでしょう。

 実は、これは個人でも、企業でも、全く同じでなのす。企業は給料の代わりに「付加価値」(国の場合はGDP)を得ます。得た付加価値は、従業員の給料と利益(国の場合は雇用者報酬と営業余剰)に分配されます。これはサラリーマンで言えば、消費と貯蓄です。そして企業では貯蓄は投資に回ります。

 投資は、基礎研究、新製品開発、生産設備高度化、市場開拓、などなどいろいろな分野で行われます。
 これはサラリーマンで言えば、知識教養を広める、専門書を読む、専門分野で資格を取る、好きな分野の勉強を深める、社会人講座に通う、良き友人を得る(飲み会も可!)などなどでしょう。

 企業では(実は一国経済でも)、付加価値のより多くの部分を適切な投資に振り向けた企業(国)が成長するのです。投資なくして企業の成長(国の経済成長)はありません。
 サラリーマンの成長も、給料の内どのくらいの割合を適切な自己成長(自己啓発)に投資したかで、将来が決まる可能性は大きいようです。

 私は、企業の成長は(一国の成長も)生産した付加価値の内どれだけを投資に回すことが出来たかによって決まってくる、という説明をするとき、いつも身近な例として扇谷正造さんの「サラリーマンの給料の使い方」の話をお借りしています。