tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

株式投資大成功の話

2014年03月29日 11時44分43秒 | 経済
株式投資大成功の話
 前回年金積立金の株式運用の話を書きましたが、関連して、嘗てはこんなこともあったので、御参考までに。

 昭和40年不況をご存知の方もおられると思います。「戦後最大の不況」といわれ、山陽特殊鋼の倒産、4大証券の一角の山一證券が破綻に瀕し、当時の蔵相田中角栄の英断で日銀特別融資で救済したという深刻な不況です。
 神武景気、岩戸景気、オリンピック景気と高成長を謳歌してきた日本経済もいよいよダメかなど思われたのでしょうか、日本人のだれもが危機感を持った不況でした。

 株価は低迷、日経ダウは1200円を割り込みそうな況になり、政府も株価の維持に躍起でした。
 株価維持のために設立されたのが、共同証券と証券保有組合です。株価の買い支えに特化した組織でしたが、「そこまでやっても株価が上がらないのか」と設立の狙いとは逆に、一層悲観論を深刻化させました。

 ところがその年の補正予算で、蔵相に就任した直後の福田赳夫が、戦後守ってきた借金財政はやらないという禁を破って、「国債(赤字国債)を発行します 」といった途端に株価は上昇を始め、景気は回復、いざなぎ景気となり、1973年日経ダウは当時のピーク5359円をつけます。

 共同証券、証券保有組合はその前に解散していますが、莫大な利益を上げ、ともに当時のカネで2百数十億円を基金として公益財団を創り、証券業の発展やその他の事業を行っています。

 もちろん、共同証券も、証券保有組合も株式投資でお金を儲けようとして出来たものではありません。放置すれば昭和恐慌の再来かと恐れられた状態を何とか安定させようと窮余の一策で(政府の肝いりで)金融、証券業界が必死の思いで創ったものでしょう。

 しかし結果的には、それが大きなリターンを生んだということで、あとから見れば、「株式投資の要諦は安い時に買って、高い時に売ることです」=株式チャンネルのTVコマーシャル=の通りという大変結構なことになったわけです。

 デイトレで信用取引という方には全く参考にならないお話ですが、このブログでいつも否定しているキャピタルゲインでも、こんな形だったら、実質経済への援軍にもなるまともな形に近いもの、といってもいいような気もします。

 どうでしょう、皆さんも少し長期的視点で、株式投資を考えてみませんか。