tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政治と経済と平和

2013年06月22日 09時55分36秒 | 国際政治
政治と経済と平和
 政経分離という言葉があります。この言葉が使われるケースというのは、政治的には未だいろいろあるけれど、とりあえず、ビジネスの世界では交流を活発にしましょう。といった場合に使われてきたようです。平和と共生への流れが見えています。

 政治は国政レベルの方針変更や、いろいろな手続きが必要で、時間がかかるが、ビジネスの方は民間同士だから、柔軟に進められるという利点からでしょう。
 これから仲良くして行こうという場合には、有効なアプローチです。

 ところが、逆の場合、政治的なトラブルが発生し、二国間関係が悪くなるといった場合は「政経分離」と言ってもなかなか通らないようです。
 最近の韓国や中国との関係は、根強い感情対立もある中で、戦後長い時間をかけて、築き上げて来た、大切だが壊れやすい相互理解と平和への努力を、事もあろうに時の政権が心ない言動で、一挙に突き崩すようなことになりました。

 おりしも、日本経済は、新たな復活を目指して前進しようとしています。経済復活の3本の矢に命運をかける現政権ですが、日本経済が極めて重要な関係を持つ中・韓両国とのこのようなトラブルのさ中では、政経分離を言ってもあまり効果はないでしょう。

 中国も韓国も日本も、経済的に大きなマイナスという事態に引き込まれながら、それも仕方ないといえることでしょうか。これまでの先人の努力から見ると、動機はよくわかりませんが、余りに勿体ないことをしていているとしか考えられません。

 当面の貿易量の激減など、このトラブルの3国の経済的損失は歴然です。改めて政治家の思慮深い言動が期待されるところですが、今後どうなのでしょうか。意地の張り合いを止めるという大人の態度を先ず取るのが日本の役割でしょう。
 もちろんその先には、世界各国の平和共存・共生という根本的な主題があるはずです。

 敢て余計なことを付け加えますが、昔から、家と家の間でも、村と村の間でも、トラブルが深刻化するのは「地境」の問題です。これを持ち出し、自説を通そうとすれば、関係悪化は不可避というのは常識です。

 今度、世界文化遺産に登録される富士山ですが、富士山の頂上は静岡県か山梨県か決めてないということのようです。地図の境界線は8合目で終わっているとのこと、頂上の領有権を持ち出して、公費をかけて論争しても、無駄と知っての知恵でしょうか。
 無駄なトラブルの源には、出来るだけ触れないのが最善のような気がするのですが。