tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済と株価の動き

2013年06月06日 22時15分24秒 | 経済
日本経済と株価の動き
 アベノミクスで上げた株価が、連日の大幅下げを演じています。折角上がって、企業も、株主(サラリーマンを含む)もだいぶ気持ちが明るくなってきたところに残念なことです。しかし、株は本来乱高下するもの。いつかも書きましたが 「株屋殺すにゃ、刃物はいらぬ、 寄り引け同値で、ザラバなし」と言われるように、変動があっての株式市場です。

 問題は、株価を動かしている円レートの方にあると考えた方が、核心に近いと思われます。
 もともとアベノミクスなるものが、経済政策などという種類のもではなく、単に国際投機資本を脅かして、行き過ぎた円高を正常に戻しただけですから、国際投機資本が少し落ち着いて、当面円買いが得だと思えば、株価は忽ち下がることになります。

 日本経済が正常に動くかどうかは、さし当たって円レート次第ですから、80円近辺から100円近辺へ、20円の円安が、再び大幅に円高方向に動かないかぎり、日本経済の復活への動きは継続するでしょう。

 国際情勢不安定ですから、また明日にでも何かが起こって円レートが90円とか80円になれば別ですが、政府・日銀が何としてでも$1=¥100~110円を死守する限り、日本経済そのものは、これから着実に復活の道を辿っていくはずで、株価も、長い目で見れば、それに従って動くことになるのでしょう。

 信用取引でデイトレをやっているのでない限り、長期的視点で見れば、当面の乱高下に一喜一憂することはないでしょう。
 それより安倍政権の掲げる第3の矢の内容を確り見る方が、余程大事ということではないでしょうか。

 例えば、10年で一人当たり国民総所得を年3パーセント、150万円(35パーセント)増やすと言いますが、名目3パーセントで実質2パーセントだそうですから、実質は10年で22パーセント増ということです。国際公約のインフレターゲット年2パーセントは何処へ行ったのでしょう。
 
 新聞で見る限り、第3の矢の中身には、理想的というより、かなり空想的なことも掲げられており、今のマネーゲーム全盛の中で、東京を国際的なビジネス都市にするために、大地震が予測される一方で容積率緩和とか、黒字をため込みながら外資呼び込みとか、中身不詳の大幅な規制緩和が盛り込まれたりです。その時、現実にはどんなことが起こるのか、言葉は踊っていますが、何か足が地についていないという感じが否めません。

 「物も言い様で角が立つ」ではありませんが、単純な発言で国際関係を悪化させてしまったり、突如憲法改正を持ち出したりというのではなく、もっと国民の声を聴き、足が地についた目標を掲げることを国民は望んでいるのではないでしょうか。

 投機でなく投資なら、「政府も円高は放置しないでしょうから」、株価の乱高下に一喜一憂する事はないと言うつもりで、つい余計な八つ当たりをしてしましました。