tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デフレ脱出へ総力戦を

2012年03月28日 13時50分50秒 | 経済
デフレ脱出へ総力戦を
 西村日銀副総裁のデフレ脱出宣言らしきものも出て、それぞれの人たちから、それぞれに「もうデフレはこりごりだ、早く脱出したい」という気持ちが語られ始めたことは大いに歓迎すべきではないでしょうか。

 $1=¥75台まで行って、多くの日本人が、これはもう生命線、これ以上円高が進んだら日本経済社会は壊滅しかねないと考えるに至りました。
 一番恐ろしいシナリオは、70円を切り上げるような水準までじりじりと円が切りあがり、どこで手を打つかもつかめないままに、日本経済が「茹でガエル 」ならぬ「凍死ガエル」にならないかという事でした。

 国際投機資本は日本経済がどうなろうと、自分がマネーメイクさえ出来れば、「それが全て」ですから、彼らに円高への思惑を持たせるようなことは徹底的に排除し、円安を連想させるような条件をあらゆる努力で作り上げることが必要でしょう。

 そういう意味では日本はあまりに無防備すぎました。何があっても円は健全、何かあったら、差し当たって円を買っておけば間違いない、といった雰囲気のもとでは、サブプライムでもリーマンショックでもギリシャ問題でも、何かあれば、すべて円高につながります。

 円高になった分だけ日本の物価は国際比較で上がりますから、国際的に高い物価は下がる、つまり世界中で日本だけがデフレになるのは当たり前です。
 逆に、どうも円を買うと下がって損しそうな雰囲気と思わせれば、国際投機資本は円を敬遠するでしょう。円高にならなければ、デフレにはなりません。

 日銀の金融政策は変わったようです。政治の混乱は「日本は頼りにならない国だ」という印象を与えているでしょう。これはいいことではありませんが、円高阻止には効果があるかもしれません。
 
 一方、実体経済の面では、円高が止まれば日本経済は、確実に回復する。それは、アメリカにとっても、EUにとっても、アジア諸国にとっても、世界にとっても、日本経済が色々な面で貢献を強められるという意味で、必ず大きなプラスをもたらすことになるでしょう。日本にはその用意があります。逆に、日本経済が円高で苦しむことは、世界にとってマイナスです、という事を、事あるごとに説明することでしょう。

 困ったことに、今の国際経済の中では、金融経済と実体経済が全く反対になっていて、日本がそんなに元気になるのなら、すぐ円高になることにつながるということです。