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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ大統領、対中貿易柔軟化へ

2020年02月19日 23時02分49秒 | 国際関係
トランプ大統領、対中貿易柔軟化へ
 トランプ大統領は、突如としてか、なし崩しにか解りませんが、強硬な対中貿易路線の転換に動いたようです。

 先に、対中関税の半分への引き下げを決めましたが、今度はアメリカGE社が仏サフラン社との合弁で製造しているジェットエンジンの対中輸出制限を非難し、規制を緩めるべきだと政権に指示したとのことです。

 関税引の引き下げについては、それによって、中国のアメリカからの穀物の輸入の大幅増加を引き出したとしていますが、今回のジェットエンジン輸出制限については、「アメリカが輸出しなければ、自力で作るか、よそから買うか」という事で、「アメリカにとって、結局プラスにはならない」という説明のようです。

 考えてみれば、これは全くまともな説明で、アメリカはジェットエンジンをどこにでも売って、アメリカとしては、さらに優れたジェットエンジンを作り続けるのが最善の道というのは自明でしょう。

 ファーウェイについては相変わらず厳しいようですが、これは通信機器という性質上の問題が絡むからでしょうか。我々にはわからない所です。

 いずれにしても、世界経済という視点から見れば、米中貿易摩擦で多くの国の経済がマイナスの影響を受け、結果的に世界経済が下振れし、そこにまた、新しいコロナウィルス問題が発生して、これがまた経済の下振れを招くといった、人災に天災が重なったような状態ですので、ここは少し貿易戦争も休戦して、世界経済に過度なマイナスにならないような選択をする方が賢明かもしれません。

 我われ素人の目から見ていると、トランプさんも、はじめは、中国は、対米輸出で儲けているから関税をかければいいと単純に思って、実際に関税をかけてみると、対中貿易で儲けていたのはアメリカの企業が多かったようで、返り血を浴びて軟化したように思われてなりません。

 マスコミでは、トランプ大統領は利益に敏感なので、損になる事が解れば態度は変わるのは当然のような指摘もありますが、このあたりがやっぱり良く解らない所で、どのくらい長い目で見て損得を判断するかという期間設定によって、判断は変わってきます。

 ユネスコから脱退したり、気候変動のパリ協定やイランの核協定から離脱したりするのも、長い目で見れば、決してアメリカの得にならないのではないかと思うのですが、期間設定はもう少し短期で、認識の分野はビジネスだけなのでしょうか。

 大国の世界的責任とかノブレス・オブリージュといった見方からすれば、期間設定は出来るだけ長期の方がいいし、視野は広い方が良いように思うのですが、いままでのトランプさんには、覇権国の大統領ですが「 国としての地球的責任(NGR)」といった問題までの広い視野での長期的視点は、やっぱり無いのでしょうか。

 これから大統領選挙戦の本格化を控えて、トランプさんの視点の広範囲化と長期化と、アメリカ国民の視点の広さと長さとがどんな関係になるのか、それに巻き込まれる同盟国日本の視点の的確さも含めて、短期的視点と長期的視点や、視点の広さの錯綜や確執が如何なる展開になるのでしょうか。確り見ていきたいと思う所です。

リビア停戦の今後に期待する

2020年01月20日 23時07分13秒 | 国際関係
リビア停戦の今後に期待する
 嘗てはカダフィ大佐のもと、建国の理想に燃えていたと思われた北アフリカの国、リビアですが、この10年ほどは内戦に明け暮れていたようです。
 そのリビアにようやく平和が訪れようとしているとのことが報道され、こうした動きが、内戦で国民が苦しむ国に伝播してくれればと思いながら、昨日のニュースを聞きました。

 もう2年半前、2017年の6月に「コロンビア発の涼風」と書きました。当時のサントス大統領の呼びかけに応じた反政府ゲリラ組織とのとの間で和平が成立、長く続いた内戦に終止符が打たれたのです。

 それぞれに状況の違いはあるでしょうが、一国の中で武力を使って相争うのは国民にとっては大変な不幸でしょう。
 リビアの場合も、カダフィ大佐が国造りに努力していたころは、「日本を見習え」と言ったことなどもよく知られていましたし、豊富な石油資源による富を活用、国民にとっては良い国だったようです。

 しかし、「権力は腐敗する」の諺通り、その後は独裁政権化し、結果は内戦となり、双方に支援国がついて、泥沼化してしまったようです。
 今回、幸いにして内戦に介入した、トルコ、ロシアの呼びかけで入った停戦状態をより確実なものにするために、停戦推進を望む独仏に関係国、国連機関の代表も含め、ドイツのベルリンで多国間協議が行われました。

 そしてその結果がメルケル首相から発表され、対立してきた内戦の双方から5人ずつで委員会をつくり停戦について話し合うということが決まり、グテーレス国連事務総長からは、双方が委員会の設置を受け入れたことが報告されたとのことです。

 今日の内戦は、必ずしも実質的には内戦ではなく、内戦の国に武器を売る国があり、またそれぞれに大国の支援がついて、紛争が助長されることが多いようです。
 それによって、内戦で使用される兵器は高度化、長期化し、内戦はますます悲惨なものになっているというのが実態でしょう。

 たとえて言えば、日本の天下分け目の関ヶ原の合戦は1日で終わりましたが、もし、東軍と西軍に大国の支援がついて、より高度は鉄砲や大砲を供給したり、軍事的支援をしたりしていたならば、日本はどんなことになっていたでしょうか。

 また、もし、死の商人といわれる武器商人がいなかったら、内戦というものの様相は全く違っているのではないでしょうか。

 その意味でも、今回のリビアの例は、世界の主要国に、地球人類の平和の在り方について、改めて考えるきっかけになるべきものではないかと思うところです。
 
 メルケル首相のリーダーシップ、グテーレス国連事務総長の的確な動きなど、トラブルシューターとしての役割は高く評価されるべきでしょう。

 まだまだ残る内戦問題、シリアやアフガニスタンなどの問題も含め、一部に「代理戦争」などと言われる内戦問題について、国連のリーダーシップを尊重し、特に大国といわれる国々に、内戦の一方を支援することではなく、和平の実現のための仲介をすることこそが、地球社会の望むところであり、長い目で見れば、最も自国の利益にもなるという事を理解して欲しいと思うところです。

心から、中村哲氏の死を悼む

2019年12月04日 21時48分26秒 | 国際関係
心から、中村哲氏の死を悼む
 今日は、誠に痛ましい、心から残念に思う訃報が入ってきました。
 アフガニスタンで、中村哲さんの車が襲撃されたという報道です。最初は、運転手は死亡、「中村医師」は怪我ということで、ほっと一安心したのですが、夕方のニュースで、首都カブールの病院に搬送中に死亡という事でした。結果的には中村さんを含め6人死亡とのことです。

 あれ程までに、アフガニスタンの医療、灌漑、農業生産に尽力された方がなぜ? というのが最初の疑問でした。
 アフガニスタン政府は中村さんに名誉市民権を授与し、反政府勢力タリバンは、中村さんのアフガにスタンでの業績を評価し、尊敬していたはずです。中村さんご自身もも、タリバンを信頼していると述べておられます。

 報道によれば、最近、その地方ではISの活動が活発化しているとのことすが、警察が現在犯人を追っているとのことです。

 犯行を目撃した現地の人が、「犯人たちが、日本人はまだ生きている! と叫び、さらに3発撃った」と話しているTVの画面が映し出されていましたが、なぜ日本人が、なぜアフガニスタンに巨大な貢献をした中村さんが標的になったのか、まさに信じられない所です。

 犯人たちは、日本人も自分たちに仇なす敵だ、と思っていたと考えられる点では、一昨々年起きたバングラデシュの日本人商社マン襲撃と共通すものがあるように感じられるところです。

 日本人の多くは、日本は、世界の平和に貢献することをもって日本の国是であると考えていても、すでに、世界には、日本も我々に仇なす敵という認識が持ってしまっている人たちもいるということなのでしょうか。

 平和憲法を掲げる日本が、憲法が変わらないのに、他者から、こうして目で見られるようになっているとすれば、それでいいのかどうか、日本人全体が真剣に考えるべき問題ではないでしょうか。

<下記もご参照いただければ幸甚です>
https://blog.goo.ne.jp/tnlabo/e/ff2d7d0d05125eeb6a343a6b72596cc4
https://blog.goo.ne.jp/tnlabo/e/5b66e8a94f658bc33ddc9f77158a47c7

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 ここからは勝手な私見ですが、あえて書かせていただきます。
 ISのバグダディが殺害された時、泣いて「殺さないでくれ」と゚言ったと誇らしげに語るどこかの国の大統領もいました。その人にしてみれば、バグダディ殺害は自分の功績として、自らの人気が高まることを願っての事なのでしょう。
 しかし、いくら首領を殺してみても、多分テロ組織はなくならないのではないでしょうか。
 
 テロ組織をなくすためには、同じ地球上に共に住む人類社会が、テロ組織などを生み出さないような、世界の平和、生活の平穏を感じられるものにならなければならないのでしょう。

 日本としては、テロの指導者の殺害で事を済ますのではなく、テロ集団を生まないような人類社会をいかに作るかを最も大切に考え行動すする国であることを世界に標榜し行動で示す100年、200年先を目指した国になるよう努力するべきではないでしょうか。

 中村さんは、まさに、そうした理念を現実にするための努力を、アフガニスタンで、真剣に実行されたのでしょう。本当に残念なのは、そういう方が、そこまで徹底した意識も洞察力もない人たちが支配する社会の中で犠牲になってしまった、ということではないでしょうか。

 日本の政府として、また日本国民として、自らのあるべき姿を、写し見る鏡として、中村さんの生涯を本気で考える必要があるように思う所です。

トランプさん、この所、迷走気味では?

2019年10月17日 23時32分52秒 | 国際関係
トランプさん、この所、迷走気味では?
 アメリカは来年の大統領選挙に向けて動きだしているようですが、アメリカの伝統から来るのでしょう、あの複雑な大統領選挙のプロセスが始まるわけです。

 アメリカとしては、アメリカなりに最も適任の大統領を選ぶシステムということなのでしょうが、前回の,我々には些か異様だった誹謗中傷発言が常態化するような選挙戦ではなくて、素晴らしい人格を持った候補者が紳士的な態度で選挙戦を戦って、世界の見本となるようなプロセスを見せて頂きいたいとつくづく思うところです。
 
 トランプさんは何としても二期目を狙いたいでしょう。しかし太平洋の対岸の日本から見ていても、最近のトランプさんの行動の結果は、何か迷走気味になってきているように思われます。

 もともと、覇権国としてその矜持とともに世界を見るべき国の大統領が、「自国ファースト」と言っていたのですからそれだけでも違和感を禁じ得なかったのですが、その後の行動は世界により多くの混乱をもたらし、そのうえ、自国についても、株価こそ最高値を更新したりしていますが、双子の赤字に象徴されますように、実は破局に向かって突き進んでいるように感じられてなりません。

 基本的には、覇権国はコストがかかるから、世界の警察官などはやめて、自国中心で豊かにやろうと考えてのかもしれませんが、第二次大戦以来担ってきた「覇権国」「基軸通貨国」という役割からは、そう簡単に降りられません。

 世界には、日本のように「覇権国などとんでもない」という国ばかりではなくて、チャンスがあれば覇権国になりたい国が沢山あるようです。
 では、アメリカがどうぞどうぞとと譲れるのか といいますと、トランプさん自体も、譲った方が安くつくという気持ちと、覇権国の役割はアメリカが引き受けるのが一番いいはずだという気持ちの両方の中で、結論が出ていないのではないでしょうか。

 かといって覇権国の役割をだんだん国連に移管していくといった国連重視の姿勢もないようで、都合のいい時だけ国連の名前を使うというようなことになってしまっているようです。
 
 世界の注目を集めて始まった北朝鮮問題では、いくらキムさんに優しくしても、逆に相手を居丈高にしてしまったようですし、イラン問題では対話を拒否され、シリアでは変な成り行きでアメリカとトルコの関係が変なことになってしまったようです。

 最大の問題の中国との関係では、超大国同士覇権争いという見方な強くなる中で、関税の威力を使ってと考えたところ、アメリカの製造業大企業がほとんど中国を生産拠点として使っているという現実にぶつかり、返り血がひどくなり過ぎ、政策変更を余儀なくされているようです。

 「アメリカ・ファースト」に専心して、アメリカ経済を豊かに健全にという目標の達成は容易でなく、財政と国際収支の「双子の赤字」は、より深刻になる気配です。
 アメリカの経済価値の源であったアメリカの証券の信用はリーマン・ショックで失墜、ドルの価値も、トランプさんのドル安期待で冴えません。

 このままではトランプさんご自身の不動産ビジネスにも悪影響が出そうです。さて、覇権国の大統領の権限を使って、何ができるのか、あと1年でトランプさんの評価も決まるのでしょうが、アメリカ国民は、いま、何を考えているのでしょうか。

「ごっこの世界」だから安心して・・・

2019年10月04日 21時35分31秒 | 国際関係
「ごっこの世界」だから安心して・・・
 一昨日でしたか、朝日新聞の朝刊の「異論のすすめ」というコラムに、佐伯啓思氏の「○○ごっこ」する世界、という論文がありました。国際政治の世界などをとりあげられ、本気なのか、「鬼ごっこ」のような「ごっこ」ではないのか、といった問題提起が書かれていました。

 そしてその証拠には、「もし本当の鬼が出てきたら、こんな「ごっこ」はやっていられないということ、本当の鬼の恐ろしさを前提にした時、今やっているとは「ごっこ」の範囲ではないかという趣旨なのでしょう。拝読し、心に痛く響きました。

 経済では、時には、リーマン・ショックのような本当の鬼が出てきて、世界中の経済がとんでもないマイナスに陥ることもあるわけですが、経済活動では、大失敗でも、人類が滅亡に陥るような事態は通常起こりません。

 しかし、事が政治から軍事に及ぶと、その惨禍は経済の比ではありません。第二次世界大戦でも、人的被害は5000万から8000万といわれ、人類の2.5%ほどになるといわれています。日本の人的被害も300万でした。
 
 しかし、これは「ごっこ」ではありませんでした。そして人類はまさに長い歴史の中でそれを続けてきたわけです。 第一次世界大戦からもほとんど学ばず、第二次世界大戦をやりましたし、その後も局地的な戦争は繰り返されています。

 そして今も、戦争の危険はあちこちにあるようです。
 なのになぜ、戦争の危険をはらむような行動が、「ごっこ」の世界と見られるようになったかです。トランプさんが怖い顔をしても、金正恩さんが、粛々と大量殺戮兵器を作っても、やはり「ごっこ」とみられるということのようです。

 なぜか。それは「本当の鬼が出てきたら」という「本当の鬼は」は何かを考えてみれば理解できるのではないでしょうか。
 多分、「本当の鬼」というのは、「核戦争」でしょう。そして、核兵器が自分で動き出す事は有リ得ませんから、本気で核戦争をやろうという「人間」が出てくることが「本当の鬼の出現」ということになるのではないでしょうか。

 すでに「核の抑止力」という言葉は広く使われ、またかなりの程度信じられています。しかし本当に信じていいのかどうかは誰にも解りません。
 もし、本気で核兵器を使おうという人間が現れれば、いまの国際関係のトラブルはすべて「ごっこ」だたということになるのでしょう。

  ユネスコ憲章の前文にある「戦争は人の心の中で始まるものでありから・・・・・」というあの言葉は忘れられてしまったのでしょうか。
 そういえば、アメリカはユネスコを脱退していますね。これも「ごっこ」でしょうか。

またまた石油危機? 前回との違いは

2019年09月17日 21時09分41秒 | 国際関係
またまた石油危機? 前回との違いは
 1973年(昭和48年)に起きた石油危機の記憶もだいぶ薄らいできています。
あの時は、99.8%を輸入原油に頼る日本で、工場が止まって生産に支障が起きたら、日々の生活で最も困るのは洗剤とトイレットペーパーがなくなることという風説が生まれて、日本中の店頭から、合成洗剤とトイレットペーパーが消えるというパニック状態になりました。

 先高を見越しての売り惜しみだろうとか、誰かが買い溜めしているといった風説も生まれてマスコミは大賑わいでした。
 結果は、1人が1個買うところを2個買えば、需要が倍になり、生産が間に合わなくなるのは当然ということでした。

 ところで、今回もサウジの石油施設の破壊問題で原油価格が高騰しています。今の日本は原油の備蓄体制もかつてとは違い、さし当たって1年間は問題ないとのことですが、問題の本質は、かつての石油危機より今回の方がよほど重大ではないかということではないでしょうか。

 1973年からの2回の石油危機は、OPECの政策としての原油価格値上げでした。これはあくまでも経済的な問題でした。しかし今回は違います。 今回は石油関連施設の破壊、それもドローン(というより無人機ですね)による爆撃、つまり物理的な破壊行為という「野蛮な」な行為によって起きたとのことです。

 こんな野蛮なことが罷り通れば、人類社会全体がパニックに陥りかねません。
 人間は表に出ず、遠隔制御の無人の兵器で、人類の文明生活に致命的な破壊行為が容易に起きることになりうるのです。
 今回は、イエメンの反政府武装組織フーシが犯行声明を出しましたが、何故か信用されていないようです。

 アメリカもこの犯行声明を信用せず、イランの関与を疑い、ドローンがどこから飛んできたか調べるといっています。
 もちろん、この究明の努力は大切なことですが、アメリカが出す結論を信用しないといいう意見が出たらどうするのでしょうか。

 アメリカも、イエメン、イランも、世界に200ほどある国の1つです。あくまでも1つの国としては対等です。アメリカが自分が正しいと言っても、覇権国であっても、「アメリカ・ファースト」を標榜する1つの国でしかありません。世界で起きる問題を公式に判断する立場にはないでしょう。

 今の地球人類社会の本来の姿から言えば、こうした問題につて、まず率先して取り組むべきは国連の「安全保障理事会」でしょう。
 その名の通り、世界の安全を保障するべきこの組織に対して、アメリカは一顧だにせず、自分だけで片付けようとしているようです。
 他の4か国からも安全保障理事会で審議すべきという積極的な意見はないようです。

 安保理を構成する5か国は、人類世界に対して持っている自分たちの責任と権限を最大限に尊重し、自国の利害に先んじて、人類世界の安全保障に真剣に協力すべきではないでしょうか。

対ロ外交、対北朝鮮、進展ゼロですが・・・

2019年09月13日 22時00分15秒 | 国際関係
対ロ外交、対北朝鮮、進展ゼロですが・・・
 昨日のアクセス解析をみていましたら、「 日ロ首脳会談の不毛」へのアクセスが大分ありました。今回のうラジオストックでの首脳会談については、何も書かなかったので、クリックしてみましたら、出てきたのは、今年1月23日、つまり前回の首脳会談のものでした。

 今回の会談について書かなかったのは、書こうとすれば、前回とほとんど同じものになってしまうだろうからということでしたが、1月23日付のものを読み返してみましたら、「もし書けばやっぱり同じことを書かなければならなかったな」との感を強くしました。
 
 共同記者危険でも安倍さんはほとんど同じことを言っています。プーチンさんとは既に27回首脳会談をしてるといっているようですが、民間会社だったら、評価の対象は回数ではなく、成果でしょう。

 プーチンさんは平和条約締結を条件に、2島返還の様な事を言ったりしましたが、もう既に色丹島には巨大な水産加工工場を作り、その視察に行ったりしているのですから、実効支配で、返さないために実績づくりとみたほうが常識的でしょう。
 それにしても安倍さンは何を目指しいているのでしょうか。唯々諾々として、経済協力だけは受け入れているようですが、そのあたりは計算に厳しい民間に任せて、余計なことは言わない方がいいのではないでしょか。

 同様なことは北朝鮮についても言えそうです。これまで、すべてトランプさん頼みで、自分では何もしませんでしたが、トランプさんも、「シンゾーに言われたから、ひとこと言っておけばいいのだろう。あとは自分でやれ」程度で済ましているのではないでしょうか。
 金正恩さんがミサイルを打っても、拉致問題に何の進展がなくても、「彼はいいやつだ」のようです。
 
 要するに対ロ、対北朝鮮の外交は、回数が多かったり、信頼できるトランプさんに頼んだという形だけの実績づくりに終わってしまっているといわれても仕方ない状態にあるような気がしてなりません。

 思惑の違う相手と、いかに交渉するかという外交の基本的視点がすっぽり抜けているいるのではないでしょうか。

 安倍さんが一体何を目指して対ロ、対北朝鮮の外交をしようとしているのか、多くの国民にはさっぱり解りません。
 外交は機密だといえばそうかもしれませんが、それはプロセスのことでしょう。国民は、明確な目的を知りたいと思い、納得のいく説明を、「真摯に」、「丁寧に」してほしいと思っているのではないでしょうか。

世界が何かバラバラに、こんな時、日本は何をしますか

2019年08月23日 17時09分01秒 | 国際関係
世界が何かバラバラに、こんな時、日本は何をしますか
 ついこの間、日本の諺「人の噂も75日」をもじって、「戦争の記憶も75年」では人類の記憶力が問われますよと書きましたが、このところ急速に国際情勢が混乱していきました。

 象徴的なのは明日からのG7で、ホスト国のマクロン大統領が、今回のG7では恒例の共同声明は出さないといっていることでしょう。

 ロシアは、クリミア半島併合以来、G8から除外され、G8がG7になっているわけですが、トランプ大統領がロシアを復帰させたらどうかといい、賛同が得られないことなどがあり、何がどう絡まり合っているのか解りませんが、せっかく世界の主要国が、世界の安定のために話し合いをしても、共同声明が出せないような会合になることを予測しているのでしょう。

 トランプ大統領は、北朝鮮がミサイルを発射しても、アメリカに届かなければいいと言っていたり、INFの失効を待っていたように巡航ミサイルの発射実験を再開したり、ホルムズ海峡の安全航行のために有志連合を組織しようと参加を募ったりして、何か世界の不安を煽っているさ中のG7です。

 ホルムズ海峡などは、国連が、イラクとオマーンに海峡の安全航行を要請するのが一番合理的だと思うのですが、「自国で守れ」なということになると、余計な混乱が起きることは必定です。

 またこれは身近な話ですが、日韓の関係が急激に悪化し、日米韓3国の結束にひびが入るとアメリカが大きな懸念を示していますが、その日韓と中国は、日中韓の外相会談を行い、日中韓サミットに向けた準備を合意するといった展開もあり、対立する米中経済関係とのバランスがまさにどうなるものか、先行きどうにも不透明のようです。

 こうした中、主要国の中で唯一「平和憲法」を持つ日本でから、常にトラブルシューターの役割を担うべき立場にあると思いますが、今度のG7、安倍さんはどんな役割を果たしてくれるのでしょうか。日本人の1人として、期待を持って注目しています。

 こうした混乱を作って頑張っているのは「国民の輿望を担っている」と思っている(勘違いしている)それぞれの国のリーダーたちで、国民のほとんどは平穏な生活を願っているのです。

 それでも国際的なリーダーたちの会合が、頻繁に開かれるというのは良いことで、通常、人間は接触すればするほど理解し合えるものなのです。もしそうならなければ、会うのは形だけで、本当の対話がないからでしょう。

 それだけに、G7の結果には誰しも期待し注目するのです。今回は共同声明が出ないことになるのかもしれませんが、人間同士としての本当の対話ができれば、必ず人類社会にとって望ましい共同声明が出ることになるはずです。
 安倍さんには、困難かもしれませんが、世界平和の願う日本の代表として、そうしたあるべき国際関係への推進役を期待するところです。
 
 アインシュタインは、第3次、第4次の世界戦争は別として、第5次世界戦争は石と棍棒で行われると予言したそうです。
 アインシュタインの予言は、物理学に関しては次々実証されていますが、この予言は当たってほしくないですね。

日本は貴重な財産を失おうとしているのではないか

2019年08月14日 23時23分02秒 | 国際関係
日本は貴重な財産を失おうとしているのではないか
 日本は戦後74年、営々と努力して新しい財産を積み上げてきました。
財産といっても、金銭ではありません。日本は、世界にとって「人畜無害の国」という評価です。

 もちろん、「人畜無害」だけではたいした財産にならないのかもしれませんが、その上に、日本は「役に立ってくれる国」という評価も加わってきていました。
 害がなくて益はあるという国でしたら、何処からも歓迎されるのは当然でしょう。

 実はまだその境地に十分には達していないようですが、少なくとも、そういう国であろうとしているという日本の意図は、世界でもかなり認識されてきているように思われます。

 日本自体、第二次世界大戦で、世界に大変迷惑をかけ、自らも大きな痛手を受けて「もうこんな馬鹿バカしいことはやめた」と世界の平和を願い、まずは自ら戦争をしないと宣言したのです。

 こうした立場で国際関係を持てば、だれもが安心してお付き合いをしてくれるのです。アジアや中近東、アフリカなどの多くの国が、安心して日本とお付き合いをしてくれる背景にはこうした日本の明確な立場があるからだといっていいでしょう。

 これこそが真に貴重な、日本の財産です。企業でも相手に損をさせてでも儲けようという所より、お互いに利益になるように協力しましょうちう所の方が信用されるのは当然です。

 アメリカなども、トランプさんが「アメリカ・ファースト」と言い出してから、次第に「安心してつきあえない国」になってきています。
 アメリカは経済力(金融力?)も、軍事力も抜群ですから、それでも何とか通していますが、日本が「ジャパン・ファースト」等と言ったら、たちどころに相手にされなくなるでしょう。

 日本は、時間をかけ努力して積み上げてきたこの貴重な財産を決して手放してはならないのです。
 あらゆる機会に「やっぱり日本の言う事の方がまともで良く解る」と世界中から思われなければならないのです。

 ところが今、日本は、どういう訳か、世界唯一の被爆国なのに、核兵器についての態度がはっきりしなかったり、せっかく平和憲法があるのに改憲の方針を打ち出したりで、世界のところどころから「あれまた日本は昔に戻るの?」等と勘繰られたりしているようです。

 戦争を体験し、戦後は営々と経済の再建と、新しいイメージづくりに努力してきた人たちから見ると、最近の日本は、何か大変勿体ことをやりそうなことになっていて、どうにも心配だという事ではないでしょうか。
 折しも明日は「終戦の日」です。

人の噂も75日、戦争の記憶は・・・?

2019年08月03日 15時35分37秒 | 国際関係
人の噂も75日、戦争の記憶は・・・?
 TVの報道で、台湾の蔡英文総統が対中国問題について真剣に話すのを聞きました。その中で、さすがと思う発言がありました。
「挑発しないことです」という発言です。大きな中国、小さな台湾、という状況の中で、これは究極の知恵でしょう。

今の世の中、大きなアメリカは大きな中国に対して挑発を試みているようです(なぜか北朝鮮に対しては違いますね)。背後に「未だアメリカの力の方が大きい」という意識があるように感じられます。

 世界最強国という意識からでしょうか、TPP交渉から離脱、エルサレムへの大使館移転、イラン核合意から離脱、イランへの経済制裁などなど、国連決議を無視したり盾にしたり使い分けながら、挑発と見られるような行動が最近とみに多いようようです。

 まさか日本はそうしたことはやらないと思っていましたが、今回の対韓国への措置は、どう見ても挑発的です。
 こちらが挑発ではないとっても、相手が挑発だと受け止めるのが挑発なのです。

 しかも、その後の韓国との対話は「対話」ではなく自分を主張するだけの「相対発言」に終始しているようです。
 日本政府は「先にトラブルの種を作ったのは韓国だ」と言いたいのでしょうか。しかし、結果は全く同じレベルでの「トラブルメーカー同士の関係」に成り下がっています。
 昔から「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言いますが、アメリカも含めて多くの海外諸国や識者達は、あきれて、仲介にも二の足、「当事者同士でどうぞ」と言っているようです。

 このままでは決して解決にはたどり着けません。最後は「力で」という最も野蛮なことになるのでしょうか。
 日本政府は、自分の理屈を言うだけではなく、この際、国際的なトラブルの「力によらない」解決方法を、勉強するチャンスと考えたらいかがでしょうか。

  結局は誰か(どちらか)がトラブルシューターにならなければならないのです。
第二次大戦で国際トラブルの嵩じた先は「破局=破壊」、という事を、原爆まで落とされ、(戦争による解決とは如何なるものかを)悲惨な実体験で知った日本です。
しかし今の日本はそれを忘れかけているのでしょうか。

建設が好きで、破壊が嫌いだった田中角栄は、 田中角栄語録の中で
「戦争を知っているやつが世の中の中心である限り、日本は安全だ。戦争を知らないやつが出てきて、日本の中核になったとき、怖いなあ。」と言っています。

 今の日本は、多分率先して戦争はしないでしょうが、アメリカに付いて戦争することになるのではないかと心配する人が多くなっています。

 折しも、来年は、終戦の年1945年から75年めです。
 もともと日本人は忘れやすいのでしょうか、昔から「人の噂も75日」等と言われます。1日と1年は違いますが、「戦争の記憶も75年」などという事にならないように、くれぐれも願いたいものです。

日本の「知恵」でトラブルシューターに徹した外交を

2019年08月02日 00時08分57秒 | 国際関係
日本の「知恵」でトラブルシューターに徹した外交を
 世界情勢はますます不穏です。トランプさんは言いたい放題のようにツイッターを連発、世界中を振り回しいています。

 トランプさんのお陰で世界中がおかしくなれば、アメリカの同盟国日本も、当然おかしな環境の中に置かれます。

 考えてみれば、最も大事な日米関係にしても、トランプさんは、米軍の駐留経費を3倍とか5倍とかに引き上げるなどと、本音かハッタリか解りませんが、常識では想像もできないような(「思いやり予算」が「重い槍予算」に変わりそうな)ことを平気で言いだすのですから、日本も大変です。

 直接の日米関係がこれですから、トランプ発言で発生する諸問題に日本政府がどう対処するかは、国民にとっても、直接に日常生活や経営活動に影響する大問題が続出です。
 日中、日韓、日イラン、対北朝鮮などなど、対応を誤るととんだ事になるような難問が目白押しです。

現在進行形の日韓問題ではこれまで「対話」というより「双方発言」だけの平行線でしたが、必要なのは解決ですから、まずは、これが日本の外交の能力を示す試金石ということになりそうです。
 明日からはアメリカが本格的に調整に入るようですが、さて日本政府はどんな道を選択するのでしょか。

 ここから始まって、上記のような国際関係を次々に解決していかなければ、日本という国が、世界の平和と繁栄に貢献する国としての存在意義を持つ大事な国としての広い認識を得ることは出来ないでしょう。

 容易なことではないですね。明日からは、本気でハラハラ・ドキドキしながら、日本政府の外交の現実を見ていくことになるのでしょうか。
 トラブルを激化させるのではなく「さすが日本」といわれるような、「日本らしい知恵」の外交を展開して常にトラブルシューターとしての意識と存在を堅持してほしいと思うや切です。

オリンピック精神「競いの文化」を大切に

2019年07月30日 13時32分09秒 | 国際関係
オリンピック精神「競いの文化」を大切に
 東京オリンピックまで1年を切りました。主催国日本、主催都市東京だけでなく、オリンピックは世界中を引き付ける力があります。

 アスリートにとっては「オリンピックは格別なもの」といった意識があるようです。世界選手権で勝っても「やっぱり、オリンピックで優勝したい」といった言葉を聞きます。
 もちろんアスリートだけではありません。自らの努力の成果、自国の名誉をかけて、オリンピック記録を目指して頑張る選手の姿に誰もが感動するのでしょう。

 「記録は破られるためにある」という名言もよく聞かれます。世界のスポーツの祭典で、新記録を達成することは、本人はもちろん、選手の出身国も喜ぶだけでなく、世界中が祝福するのです。

 こうした清々しさは、オリンピックが純粋に「競いの文化」に立つものだからではないでしょうか。「競いの文化」は、相手の強さを認め、さらにその上に達しようとするものですから、決して後退はありません。人間の、個人の、チームの力が何時かは記録を破る、その瞬間が多くの人々に純粋な感動を与えるのでしょう。

 古代ギリシャはその知恵でこうしたスポーツの祭典の文化とシステムとを作りました。そして、その精神の素晴らしさのゆえに、近代オリンピックとして復活し、人類の「競いの文化」の代表的な存在になっているのでしょう。

 一方、誠に残念な事ですが、今の国際政治の姿を見ますと、文化のレベルとしては極めて低い「 争いの文化」の様相が、ますます濃厚になっています。
 
 「争いの文化」では、自らの優位性を保つために、自らが精進するのではなく、相手の力を弱くするという手段が往々用いられます。
 自ら精進して、相手を凌駕する力を持つよりも、相手の力を削いで自らが優位を保つことの方が簡単かも知れません。しかし、それでは共に競い合って、より高い能力への到達を目指すという「進歩」の精神は失われます。

 万年赤字で覇権国からずり落ちるのではと焦るアメリカは、トランプさんに至って、その様相を強めてきたように感じられます。
 共により高い発展を目指そうというより、自らも打撃を受けても、相手への打撃がもっと大きければそれでいいというのが米中貿易問題でしょう。

 そういう事は決してやらないだろうと思っていた日本政府が、突如、韓国への輸出3品目のホワイト国指定を見直すといった時、正直「日本もそこまで堕ちるか」と慨嘆の念が止まりませんでした。
 
 オリンピックの誘致に成功し、それが来年に迫っている日本です。外交や、国際経済関係においても「オリンピック精神」、「競いの文化」に則った行動こそが日本には似つかわしいと思うのですが。

一匹狂えば千匹狂う

2019年07月27日 22時52分13秒 | 国際関係
一匹狂えば千匹狂う

 台風5号は温帯性低気圧になって本州を縦断する様子です。
 今年も天候は不順で、5月に異常に暑かったかと思ったら、6~7月は「やませ」が吹いて、「寒さの夏」かと思われました。このところ急激に暑くなりました。そして台風。

 まさか、台風一過で秋になるような事はないと思いますが、上の写真のように、我が家の庭の秋海棠の中には明らかに季節を間違ったのがあるようです。
 5月の暑さの後の梅雨を秋の長雨と間違えたのでしょうか、もう10日ほど前から花をつけました。その後暑くなったので、花を開くに開けず、数日ずっとこの状態です。

 ところで、今日はまた困ったニュースが飛び込んできました。トランプさんが、「アメリカのワインの方がフランスのワインよりモノがいい」といったとか。

 事の起こりは、フランスがGAFAに対してデジタル課税を検討していると言ったことに対する報復という事で、フランスワインに課税すると発言、それに加えて言ったとのことです。

 デジタル課税については先日のG7で、国際的枠組みの検討の要があることでまとまっているので、「フランスはその合意形成を望みつつ自国の方針も検討している」と説明しているようですが、トランプさんは「アメリカ企業に税金をかけるならアメリカがかける」といい、マクロン大統領の「愚行」に対する対応措置ということで、言葉遣いも喧嘩腰です。

 何かトランプさんのやることは「子供の喧嘩」の様相が濃くなっている感じですが、覇権国の大統領がこれでは、少しでも気に入らないと喧嘩腰というのでは、これから先、ますます思いやられます。世界中がおかしくなりそうです。

 「一匹狂えば千匹狂う」という諺がありますが、動物が集団移動するようなとき、先頭に1匹が狂えば、後からついていくのがみんな間違った方向へ行ってしまうという事のたとえでしょう。

 人間も動物の仲間ですから、そんな事も有り得るでしょうから、気を付けないといけません。そうならないためには、先頭の後をついていかないという選択も必要です。
 かつて「 アメリカ・パッシングの様相」と書きましたが、先頭についていかないという事は、いろいろと難しい事が多いと思います。しかし、このままついていってしまっていいのでしょうか。
 危険水域までいかないうちに、先頭の行き先を調整する必要が出てきているような気もしますが、あらためて、このまま突き進んでいいのでしょうか。

トラブルシューターが必要な時代

2019年07月25日 12時33分55秒 | 国際関係
トラブルシューターが必要な時代
 日韓関係が半導体関連3品目の輸出手続きの問題で、悪化の懸念が予想されます。
 戦後協力し合って経済発展を遂げ、先進国の仲間入りをしてきた隣同士の国が、此処にきて改めて仲が悪くなるなどという事は全く情けないことです。

 米中関係もそうですが、お互いに挑発しあって、双方ともそれなりの痛手を負いながら、世界中に迷惑をかけるような状態をだんだんひどくしていくようです。
 拝見するところ、両国首脳には、現状では、世界に迷惑をかけないよう「トラブルシューター」としての役割を果たそうというという気持ちは残念ながらあまり見えません。

 トラブルを起こすことは承知で、相手が屈服するまで言い募るという、世の未熟な人間に往々みられるようなことを、大国同士がやりあっているように見えます。どちらが仕掛けたかなどはそれぞれに意見があるのでしょう。

 日韓関係も基本的には同じでしょう。今回のWTOの場でも、日韓両国の代表が自らの立場の説明を繰り返すだけで、会場からの意見はなかったようです。
 第3国の代表の皆様にしてみれば、日本と韓国のような立派な国なんだから、自分たちで解決したらどうですか。他人の意見を聞くこともないでしょう。聞かれる我々もどちらに肩入れしているなどと思われても困りますから」というのが本音でしょう。

 場違いかもしれませんが、戦後日本の労使関係が世界に冠たる成熟を見たのは、日本には強制仲裁の制度がなく、労働委員会は、出来るだけ当事者同士で、解決しなさいと、何度でも問題を当事者同士に押し戻すというのが慣例だったからという意見があります。

 世の中には「トラブルメーカーとトラブルシューター」がいて、トラブルメーカー同士が張り合っても、解決は破局以外にないのでしょう。
 本当に必要なのはトラブルシューターで、  大分前に書きましたが、、日本人は縄文以来、トラブルシューターの知恵を磨いてきたのではなかったでしょうか。

 世界のリーダーの中で、何かトラブルメーカーが増えてきているように感じられる今日この頃ですが、今後の世界を考えても、日本は、トラブルシューターとしての多様な知恵と行動を、ますます磨いていくことが、世界に役立つ国として認められる条件の一つではないでしょうか。
 
 また余計なことを書きますが、トラブルシューターになる第一歩は、無闇に腹を立てないことではないかと思う所です。

空恐ろしいニュースでは・・・

2019年07月23日 21時50分12秒 | 国際関係
空恐ろしいニュースでは・・・
 国内では、安倍総理が、いよいよ改憲についての議論の活発化に動き出したとか、また、7月の月例経済報告で、政府は「緩やかな警戒回復を維持している」という(些か甘いかな)判断を示したといったニュースが流れて来ていますが、外からは大変なニュースが入ってきました。

 アメリカが、中国の国営企業に対して、イラン産原油を購入したという事で制裁を発動したというニュースです。
 制裁の中身は、米国内の資産凍結、幹部の米国への入国禁止などのようですが、トランプ大統領は「イランの行動が非常に悪く、合意が難しくなって来た」と記者会見で述べ、また、「最悪の事態に備えている」と発言したとのことです。

 「最悪の事態」が何を指すかは解りませんが、常識的には当然、戦争というイメージが浮かびます。
 
 さらにポンペイオ国務長官は「これ以上イランに金を渡し、米兵の命を危険にさらすことは許容できない」と発言しているそうですから、戦争というイメージは歴然でしょう。

 中国は「一方的な制裁には断固反対で、アメリカは不正な行為を改め、他者の権利と利益を尊重することを求める」強く批判しているとのことです。

 もともとイランの核合意問題は、欧州主導で米ロを含む6か国で同意を見ていたものを、アメリカが突如離脱を表明、対イラン制裁を再開したことによるもので、アメリカ以外は合意継続を望んでいたものでしょう。

 日本は、イランとは友好国で、従来もイラン産原油を輸入し続けていたのですが、今、まさに岐路に立たされることになりました。アメリカは去る5月、日本などに対する輸入規制の延長を止めています。

 安倍さんは過日イランを訪問しましたが、イランは日本との友好関係を維持したいという意志を強く示したようです。
 しかしその一方で、トランプ大統領との直接対話はきっぱりと拒否する厳しさも表明しています。

 日本としては出來うれば、アメリカとの同盟関係、イランとの友好関係は従来通り継続したいというのが率直な気持ちだと思うのですが、事態はそれを許さなくなる可能性が見えて来る様相です。

 主権国家同士の対立で、日本には現状、それを調整する能力は、残念ながら、なさそうです(あれば素晴らしいですが)。
 アメリカの中国への制裁を横目で見ながら、さて、日本はどう動くのでしょうか。ホルムズ海峡の「有志連合」の話も当然絡んできます。

 我々にできることは、ただ、無理のない平和な解決を望むしかないのですが、こうした庶民を巻き込む主要国リーダーの思惑が、どこまで進んでしまうのか、モノには「弾み」といったものもないわけではありません、平穏な中での世界経済の発展を願う心は痛むばかりです。