月刊登記情報2008年2月号所収の、葉玉匡美弁護士講演録「司法書士のための会社法の諸論点」に関する若干のコメントpart⑪。
(19)「吸収型再編の効力発生日として確定日を定めることが必要か?」
「葉玉講演録」・・・確定日を定める必要がある。
「ハンドブック」・・・合意により柔軟に定めることを認めてもよいのではないか(517頁)。
この点は、「ハンドブック」の方が柔軟な立場であるが、手続に先後関係がなく、効力発生日までにすべての手続を終えればよいとして、スケジューリングが楽になっていることからも、確定日説に与したい。
なお、新株予約権の権利行使期間について、株主総会が決定する必要がある(取締役会に委任できない)とされている一方で、始期を「割当日から2年を経過した日」と定めることを認める解釈が採られている(法務省民事局付清水毅・小松岳志「商業登記実務のための会社法Q&A (13)新株予約権の発行」月刊登記情報2007年9月号36頁)ことからすれば、本論点に関しても「ハンドブック」のような柔軟な立場を採る方が整合性があるようにも思われるのだが。