兼子仁「行政書士法コンメンタール(新9版)」(北樹出版)が,本年4月に出版されており,その帯に,「『相続にかかる登記申請代理』も法定業務へ」とあるのを見て,出版社がいかにもキャッチーなコピーを付しただけだと思っていたのが・・。
しかし,同書には,
「不動産登記規則の改正(2017年5月施行の法務省令247条1項)により,相続手続としての「法定相続情報一覧図」および登記の申請代理は,司法書士・弁護士と並んで,行政書士の共同業務と規定されるにいたっている(同条2項2号,戸籍法10条の2第3項,法定の他士業者とともに)。」
という記述があるようである。
法定相続情報一覧図の保管等の申出の代理については,司法書士法第3条業務に該当しないという整理がされたことから,司法書士及び弁護士以外の6士業者についても,代理することができる旨が規定されているものである。
不動産登記規則第247条の規定から,「司法書士及び弁護士以外の6士業者も,相続にかかる登記申請代理をすることができる」という解釈など導かれるはずもないし,法務省もそのような立場を採ってはいない。これを認めるには,業法の改正が必要となるのは,理の当然である。
著者の兼子先生は,東京都立大学の名誉教授でいらっしゃる法学者であるのだが・・。
「法務省令247条1項」という書きぶりもおかしい・・。
あり得ないことだとは思うが,上記コンメンタールの記述を信じて,司法書士及び弁護士以外の6士業に属する方が相続に係る登記申請代理を行ってしまうような愚行(司法書士法違反)が生じないことを祈りたい。
【追記】
どうやら,既に,善処されているようである。
帯は,「『相続情報証明の登記所申請代理』も業務へ」に変更されている。
http://www.hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=1079&Tfile=Data
しかし,同書には,
「不動産登記規則の改正(2017年5月施行の法務省令247条1項)により,相続手続としての「法定相続情報一覧図」および登記の申請代理は,司法書士・弁護士と並んで,行政書士の共同業務と規定されるにいたっている(同条2項2号,戸籍法10条の2第3項,法定の他士業者とともに)。」
という記述があるようである。
法定相続情報一覧図の保管等の申出の代理については,司法書士法第3条業務に該当しないという整理がされたことから,司法書士及び弁護士以外の6士業者についても,代理することができる旨が規定されているものである。
不動産登記規則第247条の規定から,「司法書士及び弁護士以外の6士業者も,相続にかかる登記申請代理をすることができる」という解釈など導かれるはずもないし,法務省もそのような立場を採ってはいない。これを認めるには,業法の改正が必要となるのは,理の当然である。
著者の兼子先生は,東京都立大学の名誉教授でいらっしゃる法学者であるのだが・・。
「法務省令247条1項」という書きぶりもおかしい・・。
あり得ないことだとは思うが,上記コンメンタールの記述を信じて,司法書士及び弁護士以外の6士業に属する方が相続に係る登記申請代理を行ってしまうような愚行(司法書士法違反)が生じないことを祈りたい。
【追記】
どうやら,既に,善処されているようである。
帯は,「『相続情報証明の登記所申請代理』も業務へ」に変更されている。
http://www.hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=1079&Tfile=Data
本文を訂正するのは当然として、虚偽の記載をしたことを著者・出版社は広く公表・謝罪し、既販売分は回収すべきでしょう。こっそり帯だけ修正してそれで済むと思わせてしまったら、ますます彼ら(行政書士)特有のなし崩しの業際侵犯を助長することになります。
この件は、単なるミスではなく、行政書士による司法書士法違反の横行と言う現実を念頭において考えるべき問題だと思います。
http://www.hokuju.jp/news.html