司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

取締役の死亡による変更の登記異聞

2022-10-07 13:49:38 | 会社法(改正商法等)
 些末な話であるが・・・。

 取締役の死亡による変更の登記の申請書には,退任を証する書面(商業登記法第54条第4項)として,死亡を証する書面を添付しなければならない。例えば,遺族等からの会社に対する死亡届出等がこれに該当する(松井信憲「商業登記ハンドブック(第4版)」(商事法務)422頁,商業登記実務研究会編著「新版 商業登記法逐条解説」(日本加除出版)323頁)。

 問題は(というほど,大袈裟な話ではないのだが),死亡届書において,この「遺族等」の肩書をどのように記載するのか,である。

 私は,従来から「相続人」と記載するのみであったが,過日,隣接府県の登記所に申請した際に,「続柄」(妻とか,長男とか)を明記して欲しい旨の指摘を受けた。その際は,そういう考え方もあるのか,と思っただけであったが・・。


 役所に提出される「死亡届」の「届出人」の欄には,死亡した者との関係を記載するようになっている。

cf. 死亡届 by 法務省
https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-4.html

 これは,戸籍法において,届出人の順序が法定されているからである。

戸籍法
第87条 次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
 第一 同居の親族
 第二 その他の同居者
 第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
② 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。

 このように,戸籍法に基づく死亡届書においても,「同居の親族」「同居していない親族」という区別があるのみである。これを受けて,戸籍事項証明書にも「親族」と記載されるのみである。

 そうであるにもかかわらず,遺族等からの会社に対する死亡届書において,「続柄」に拘泥する理由は一体何なのか,全くもって不明である。

 会社も,遺族等から死亡届書を受領するにあたっては,届出人が戸籍法第87条第1項又は第2項に記載されているいずれの者であるのかの確認をしているであろうし,戸籍法に基づく死亡届書と同程度に区分された肩書が記載されていればよいはずである。

 商業登記の実務において,戸籍法の要請を超えて,確認する必要性があるとは思われない。


 余談ながら,仄聞するところでは,商業登記所から「死亡時刻は,いつ?」という補正の問い合わせがあり,死亡日のみならず,死亡時刻まで登記された事例があるらしい。

 ほんまかいな?
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「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」問題で,反対意見が殺到

2022-10-07 10:04:45 | 税務関係
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASQB66QFCQB5ULFA020.html?iref=comtop_7_02

「国税庁が8月に「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」とする通達案を公表したところ、反対意見が殺到。これを受け、同庁は基準を大幅に変更する。金額ではなく、帳簿の有無を重視する方向だ。」(上掲記事)

 7000件を超える反対意見が寄せられたようである。

 私も,雑所得に相当するものがあるにはあるが,これにかかる経費がゼロなので,通達改正による影響は全くない。しかし,影響が大きい方が多いようである。

cf. 「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=410040064&Mode=1
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「会社法施行規則等の一部を改正する省令案」

2022-10-07 09:44:48 | 会社法(改正商法等)
「会社法施行規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080280&Mode=0

〇 改正の趣旨
 本省令案は、事業報告に記載又は記録すべき事項の一部、貸借対照表及び損益計算書に記載又は記録すべき事項並びに連結貸借対照表及び連結損益計算書に記載又は記録すべき事項について、電子提供制度における書面交付請求をした株主に交付する書面(以下「電子提供措置事項記載書面」という)に記載することを要しない事項とするとともに、いわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象事項においても同様の見直しをするため、会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)及び会社計算規則(平成18年法務省令第13号)並びに会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(令和3年法務省令第45号)の改正を行うものである。

〇  施行期日
 公布の日から施行する予定である。ただし、いわゆるウェブ開示によるみなし提供制度に関する改正規定は、令和5年3月1日から施行することを予定している。
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