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中国は焦っているか 尖閣諸島防衛問題

2020-05-14 16:22:22 | 国際
中国海警船に依る尖閣諸島エリアの領海侵犯が毎日行われている。この問題はかなり以前からあるのだが、最近はさらに緊迫度が増している印象がある。

それにしても武漢コロナウィルスを世界中にばら撒いて日本を含めて各国に大迷惑をかけ続けている中国であるが、むしろそれを好機と捉えた中国は尖閣に対する威嚇行動の度合いを高めているようだ。正に鬼畜外道な国家である。

この問題について安全保障・インテリジェンス専門の評論家である江崎道朗氏が解説しているので、その内容を抄録の形でお伝えしたい。


数年前に中国漁船が尖閣の領海侵犯をした事件があった。その乗組員の話では中国政府の指示で意図的にやった、という事実が記者取材によって明らかになっている。中国政府としては「尖閣・台湾を自分達のものにする」という意向を昨年末からあきらかにしており隠しもしなかったのである。

これに対して、1月10日にアメリカの陸軍長官のマッカーシーが「尖閣台湾にこれ以上ちょっかいを出すのであれば特殊部隊を尖閣などに配備する」と発言した。実は尖閣諸島をめぐっては、昨年末から今年にかけて日本とアメリカ・台湾・中国の間でかなり凄いやりとりが続いているのだ。このような状況の中で日本がアメリカと組むことで全然引かないので、中国としてはさらに圧力を加えてきた、という見方ができるのである。

普通に我々国民から見れば日本は一方的にやられるばかりで遺憾砲だけ打っていてもしょうがないんじゃないか、と、もどかしく思われる向きも当然あるだろう。本当はもっと反撃してほしい、と。

だが、実際はそれほど心配する状況でもなさそう…というのである。

なぜか。

日本は必ずしも何もやってない訳ではないのだ。尖閣諸島に関する防衛については海上保安庁も強化しているし海上自衛隊も強化している。その状況下でなぜ習近平の中国は尖閣に圧力をかけてきているのだろうか。

背景として、最近アメリカの空母セオドア・ルーズベルトが武漢コロナウィルスの感染で動けなくなる、という深刻な事態がある。

で、トランプ政権としては空母に代わって強襲揚陸艦という上陸作戦ができる軍艦を南シナ海・東シナ海に展開しているのである。これの意味は「尖閣だけじゃなく台湾も含めてそのエリアに対してもしも中国がなにかを仕掛けてきた場合は強襲揚陸艦に依って中国軍の動きを封じる」ということである。上陸専用の軍艦であり部隊なのでそれができるのだ。こうした備えをトランプ政権がアメリカと日本の連動でやっているのである。

強襲揚陸艦は海兵隊と陸軍で運用される。運用は海軍もやっているので そういうメンバーが一緒になって動いているのだ。強力である。

尖閣を巡っては最近になって動き始めたのではなく、昨年から継続して動いている話なのである。

はっきりと公にする事は難しいが、実は日本政府は尖閣諸島の防衛に関してはかなりやっているのである。報道されてないだけで、結構頑張っているのである。

最近の中国船の動きを見ると、中国もいよいよ牙を剥いて日本の弱みにつけ込んできたか、という形にも見えるのだが、これは逆に中国の方が焦っているからそうなっているのかもしれないのである。

報道には大きく出ていないが、この間もアメリカ空軍と日本の航空自衛隊とインド太平洋諸国18カ国くらいの空軍の幹部たちがテレビ会談を行っており、実はそこに台湾の空軍を入れているのだ。インド太平洋群司令部と言うのだが、ここの主催の会合に台湾の空軍の幹部もテレビ会談に入れることで、どうやって東シナ海・南シナ海の空の守りをするのか、という協議をやっているのである。もちろん日本も全面的に入っている。このような事を日本とアメリカが連携しながら台湾も入れてもの凄い勢いで中国にプレッシャーをかけているのが実情であり、それに対する反応が中国船に依る領海侵犯なのである。

日本メディアの報道だけを見ていると、日本が一方的にやられているように見えるが、実際は逆であり、日本は中国をかなり追い詰めている、とも言える状況なのである。そこは誤解のないように理解したいところだ。このような状況下で必要なのはもっと海上自衛隊の予算を増やす事であろう。

中国が領海侵犯・領空侵犯を頻繁にやりに来ている理由は他にもありそうだ。それは何か?

中国機が領空侵犯をすると航空自衛隊はスクランブル発進して対応に当たる。これには当然ながら経費がかかるのだ。実は中国としてはこれを繰り返すことで日本の防衛費を削りに来ている、とも解釈できるのである。

スクランブル発進を一回やると燃料費や諸経費を入れて7~800万円ほどかかるのだ。相当なお金がすごい勢いで出ていってしまうにも関わらず防衛予算は増えてないので、結果的に他の所を削ることで予算をひねり出しているような状況なのである。だから、尖閣問題をなんとかしたいのであれば、まずは防衛予算を増やすことが重要である。具体的には燃料・訓練・武器弾薬の費用を増やしたいところである。実質的に持久戦であるからこそ必要な事なのだ。

ちなみに沖縄には陸上自衛隊が居るのだが、そこでやっているのは島嶼防衛、つまり「奪われた離島をいかに取り返すか」という訓練である。

南西の領土を守るのは大変なことだが、是非とも頑張っていただきたいものであるし、国民一般の理解を深めたいところである。


最後に筆者の意見だが、それにしても尖閣諸島がこれだけ危険に晒されているのにも関わらず、野党は中国に対して何も言わず問題としても取り上げようとしないのは不思議でしかない。彼らは何処の国の政治家なのだろうか。このような問題ひとつでも判るのは野党の議員達は日本ではなく「中国の為に」政治をやっているからである。武漢コロナウィルスの感染拡大が問題であるその時に野党の面々は「桜」「モリカケ」に固執して日本国民の命の事を全然考えていなかったのは厳然たる事実である。それはあたかも中国の非道をカムフラージュする為に議論を横に逸らそうとしていたかのようにも見えるのである。
また、政権与党の中の親中派、特に二階幹事長を中心とする連中はこれだけ日本の国土が脅かされている時に何も発言せず、むしろ中国に媚びようとするその姿はひたすら異様で醜悪でしかない。チャイナスクールの官僚たちも同様だ。彼らは中国の為に動いているとんでもない連中…正に売国奴なのである。