Altered Notes

Something New.

”練習せずにいきなり演奏”はできる

2020-05-12 17:57:09 | 音楽
楽器をやっている方なら判るかもしれないが、「一度も練習したことがないメロディー/フレーズがいきなり演奏できてしまった」という経験はないだろうか。ちょっとした長さのフレーズがいきなり演奏できてしまう、という体験である。

新しいメロディーやフレーズを自分が演奏できるようになるには、まず遅いテンポで演奏してみて、やがてその曲のテンポまで上げていくのが普通である。

これは脳の中に新しい神経回路を構築するようなものであろう。対象のフレーズを演奏するにはその演奏に相当する神経回路を脳の中で作られなければならない。遅いテンポで練習を開始するのはその回路作りの初めの一歩である。

これは逆に考えると、脳の中でそのフレーズを演奏する為の回路が予めできていれば練習という段階を踏むことなくいきなり演奏出来る筈である。そしてそれは可能である。

要は頭の中でイメージトレーニングを行うのだ。まずは対象のフレーズを頭の中で鳴らしてみて、きちんと歌えるようにする。その時、五線紙上でどんな譜面になるかを具体的にイメージし認識する。次に自分の楽器でどんな指使いをすればそのフレーズになるのか、を実際的なイメージとして捉える。これらを脳の中で繰り返し行うのだ。

これをしっかりやっておくことで前述の「脳の中の回路」が構築されるのである。その状態で実際に楽器を演奏すると不思議なことに練習無しでいきなりそのフレーズが演奏ができてしまう・・・事が多いのだ。

これは音楽を演奏する上で基礎的な意味においても、ジャズの即興を行う上でも重要な事実である。