週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

本郷の合宿!

2015年11月01日 | ☆文学のこと☆


    東大の安田講堂


 「本郷もかねやすまでは江戸の内」

 大岡越前守は、享保の大火を教訓に、土蔵や塗屋造りを奨励した。

 かねやすより北は茅葺や板壁のまま。

 かねやすとは、京が出の口中医(歯医者)が興した店で、元禄の頃「乳香散」という歯磨き粉を売り大繁盛した。

 ゆえに、こんな川柳がうまれた。

 今年も東大そば、その本郷の旧宿に、日本から外国から同人たちが集まった。

 それぞれ、思い思いの小説を持ち寄って。



         愛の物語分科会


 畳敷き、膝突き合わせ、互いの小説を論じ合う。

 30代の頃に信奉した作家が同じ分科会に顔を出してくれる。

 作家越水利江子姐さんの計らいである。

 こんなご縁もあるから、人生おもしろい。

 それにしても、みんな作品をよく読み込んできていること。

 思わず、その姿勢にタジタジとなる。




 そして、1日目の懇親会。

 秋田からの豪華な差し入れ。

 天寿はすっきりとした大吟醸だが、この秘蔵酒のトロリとした濃密に舌が歓喜している。

 牛タンの笹かまぼこ、いぶりがっこ。

 敦子先生、ご馳走さま。

 作家の率直が聞け、さらには全国各地の逸品が飲める。

 毎度、贅沢な宴会だわ。



         季節風大会の総会


 この後ろにも作家、作家、作家。

 物書き以外のひとには、面白くも痒くもない、およそ真面目な集い。

 開会にあたり、作家あさのあつこが言う。

 勉強になったなんて甘っちょろいことを言っててはいけない、

 どうか傷付き、涙し、たくさん血を流してください。

 そうでなければこうして集まる意味がない、と。

 至極その通り。

 なまけもの海光は悩みこそすれ、血を流す覚悟もなく、ただ項垂れるばかり。


            三四郎池
 

【銀杏踏む陽だまりの池三四郎】哲露


 大兄と散策していたら、あちらこちらで同人たちの群れとすれ違った。

 漱石はこの池を眺め、何を思ったのだろうか。


 
 浅草寺とツリーと十三夜


 久しぶりに大兄と飲み、語った。

 帰りには、十三夜が江戸の町をほのぼのと照らしていた。

 37回もの歴史を持つ、季節風の集い。

 5年目の参加。

 俺は、何を得、何を失う。

 結局、書き続けることしか、答えはない



最新の画像もっと見る

コメントを投稿