週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

太極拳始めました

2010年06月13日 | ★江戸っ子エッセイ★

この2010年の4月から飛脚Tは隅田川の畔で「太極拳」を始めたんですよ~

       
       「悠久の 流れに学ぶ夏の川」
                        
哲路


思えば筆者が高校生の頃、同じ中国伝来の拳法「日本正統少林寺拳法」を学んでいた時期があります。
あの頃は、思春期の男子にありがちな、強い男になりたい。
強くなって、いざとなったときに正義を行いたい。
というような理想に燃えて修行しておりました。
段位は、准拳士、俗に云う初段ですな。
一応これでも黒帯を絞めておったんですよ~

元来がじっとしていられない性質の飛脚Tは大人になり、カヌーやゴルフ、波乗りなど多種多様なスポーツを興味をそそられるままやってきました。
身体が硬くなったなぁと感じられる昨今、雑誌の取材で見た流行のヨガ、ピラティスに興味を抱いたこともあります。
でも、ジムでもなんだか女子たちがたくさんいてちょっと臆してしまい敷居を跨げないまま今日に至ってしまいました。

そうして2年前から始めたランニングは、このブログでも度々レースや練習の模様など語らせてもらって、ご存知の方もいらっしゃると思いますまさにハマっております。小さい頃あんなの走るのが嫌いだった飛脚Tが走ることで生きる実感と喜びを見出すなんて、世の中なにが起こるか判らんもんですなぁ。そんな私の日常。早朝6時ごろ隅田公園や今戸公園を走っていると、ゆったりとした動きの太極拳をやっていらっしゃるご年配の方がいらっしゃるのです

話が反れますが6年ほど前、今の会社へ転職するにあたり、単独でタイへ旅したことがあります。
旅先のバンコク、蒸し風呂のような昼間の喧騒を避けるように、一人朝早くに散歩しているとやはり広い公園のあちらこちらで太極拳をやっている中国人を多く見かけました。その時ですかね、太極拳にとても興味を持ったのが・・・
一体感のある中国人の優雅な動きに太古の歴史を持つかの国の威厳にゾクッとするほどの品格を感じました。
空気の流れがそこだけ異次元。まるで小宇宙のような悠久の流れを見て感じて心穏やかになれたことを今でも鮮明に記憶してます

この度は、台東区の広報「たいとう」に「NPO法人日本健康太極拳協会」の受講が掲載してあり、応募し当選しての参加です。
真下先生はこの道、25年以上の重鎮でいらして、地元浅草を中心に教えていらっしゃるそうな・・・
たくさんの諸先輩方(ご年配方)に慕われているそのお人柄も好ましく、ヨガ、ピラティスの先進国である欧米でも注目されて健康に良いと実証された太極拳を、お年寄りでも気軽に学べるように優しく教えていらっしゃることがなにより素晴らしい活動だと思いました。

いい師に出会えました

           

                                                                                        協会意匠
ここで簡単に中国武術の体系をまとめてみました。
古来より大陸の覇権争いにも関わった武術で欠かせないのは、5世紀末河南省の「嵩山少林寺」です。
そう、あっしが学生の頃学んだ少林寺拳法のルーツですな
総数は数百とも云われる中国武術ですが、大陸の中央を流れる長江を境にで発展したものを「北派拳」、で発展したものを
「南派拳(南拳)と大きく分類されてます。
両者の違いを大まかに比較すると、「北派拳」四肢を躍動的に使うこと、「南派拳」足腰を踏ん張る力感溢れる動きに特徴がありようです。「北派拳」にはさらに、「外家拳」と「内家拳」があり、この「外家拳」「長拳」の系列と「酔拳」動物の動きを取り入れた「象形系」「内家拳」には「太極拳」、「八卦掌」などがあります。
これらの中国武術でことに有名なものが「長拳」、「南拳」、「太極拳」で、俗に中国三大武術と云われておるようです。
「少林拳」はこの「長拳」の系列に入ります。ジェットリーはまさにこの「長拳」系ですね。
その昔は、「南拳北腿(なんけんほくたい)」という言葉があり、南は拳(打撃)北は腿(足技)を多用すると云われてきました。
「長拳」と同じ「北派拳」の中で最も代表的な武術が「太極拳」です。
明(1368~1644年)の時代、戦力増強のため武術をまとめた「拳経三十二勢」を河南省の陳王庭が発展させた「陳式太極拳」「太極拳」の始まりと云われております。その後、「楊式」、「呉式」、「孫式」、「武式」など枝分かれしました。1949年成立の「中華人民共和国」毛沢東時代に国民へ推奨したことで現代のような広まりにつながったようです。
「太極拳」の根底には「静は極まり動となり、動が極まり静となる」という陰陽思想があります。
健康的な注目を浴びて広まる「太極拳」。一見自然体で流れるような円運動は全身しなやかで柔らかですが、そのルーツは武術の発展にあり、その動きを極めれば立派に武術として実用できることが納得していただけると思います。

現在筆者の学ぶ「太極拳」は、楊名時が体系づけたもの。
楊師が教えるところの「太極拳」は、人間という小宇宙と大宇宙が一体となる心・息(呼吸)・動の体術です。

「生きることはすなわち動くこと。心を動かし、身体を動かすことによって、私たちは健やかで幸せな人生を自分のものにすることができるのです。」
なんて、素晴らしい教えなのでしょう。

さらに大陸に根ざした「太極拳ならではの思想の根本は、儒教仏教道教の宇宙観、人間観を太極拳と八段錦の動きを通し、身体で会得し、自分の血として、気として表現できるようにしていきたい」との教えと
「儒教の礼・仁(広い心)、仏教の(とらわれない心、平常心)、道教の無・道(こだわらない心)を心と体に会得したい」という高い理想を掲げていらっしゃいます。

知識と行為は本来一体のもの。
真の知とは、必ず行いを伴うものであり、知っていても行いの伴わないものは真の知ではない。
筆者も「知行合一」を目指して太極拳に励みたいと思います
                  
                   楊名時師「健康太極拳」NHK「太極拳でかっこいいカラダになれ」を参考

真下師が最初の授業で黒板に書かれたように、
練習は「挨拶」そして「立禅」から始まります。立つ、すなわち、座って行うのが「座禅」。それを立って行うのが「立禅」です。
5つの平ら(平衡)と3つの直の縦横を意識して作り、気を丹田に込めます。
膝と股関節は開くイメージです。
呼吸はゆったりとした腹式呼吸です。
これを心を静めて行うことを覚えただけでも、太極拳の良さと凄さが感じられます

筆者はこの膝を開く感覚をマラソン時に応用したところ、膝の痛みがはるかに軽減しました

太極拳。すごくいいですよ。

書いているとキリがないので、今回はこの辺でやめときます

誰でも学べるようにと健康太極拳を体系づけた楊名時師の
「楊名時二十四式太極拳と楊名時八段錦
この健康的な武術に出会えたことを感謝します。

真下先生は楊先生の教えを独自にご年配にも心身ともに優しく学べるようにアレンジしているようです。

受講6回に及びますが、教えの習得、型を覚えるだけでも数年先までかかりそうです。
実際教室ではほとんどがおじいちゃん、おばあちゃん(失礼)の大先輩ばかり。師範代の方も、数十年続けられている方も多くいらっしゃいます
はっきり云って、飛脚Tは浮いてます
それでも筆者のもっとも大切にしている「継続できることが才能である」を実践してこられた猛者たちに囲まれて楽しく修行しております
いつかあっしも型を習得して、隅田公園でもどこでもさりげなく太極拳を使うかっこいいおじいちゃんになれる日を夢見て、励みたいと思います


謝謝(シェシェ)、そして再見(ツァイツェン)

                       【飛脚Tのランニング日記
                             今月のランニングトータルは 74.0km
                             今年のランニングトータルは776.2km



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4 コメント

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みならいたい (じろ)
2010-06-15 12:24:45
肉体がどんどん浄められていくような感じの活動だね。素晴らしい!

中国の拳法にまつわるうんちくも面白し。
返信する
太極拳 (飛脚T)
2010-06-15 17:49:07
じろさんへ

肉体が浄化され研ぎ澄まされていく感覚はこの歳にして始めて体感しました。
現代で普通に生きていると限界まで肉体を試すことって少ないですよね。
マラソンに、太極拳に、楽しみが増えているのも歳をとったということと総体的な環境の変化かなとこの頃はポジティブに思えるようになりました。考えてみたら興味を持ったらすぐに行動ってのは昔からそうか
ある程度やるとすぐに飽きてしまうんですよね~。この移り気な性格はいいのか悪いのか
じろさんのように、一貫して趣味を極めるのは理想ですな。
ランニングと太極拳はしばらく続けていきたいと思います。

何でもそうですが、突き詰めていくと奥が深いことって多いですね。特に、中国は歴史が古いので、太古から日本人は学ぶことは多いです。

コメントに感謝します
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素晴らしい! (会長)
2010-06-19 17:50:35
太極拳を始めていたとは
ますます人生を楽しむことに
意欲的でいいねぇ
体にあった自然な健康法と、
悠久の文化
俳句もそうだけど、
カッコイイ年寄りになりたいよね
いつまでも色気を失わないよう、
飛脚Tさん見習い
下町のいなせなジイさん目指したい
もんです
返信する
いなせなジイさん (飛脚T)
2010-06-22 13:39:38
会長

そうですな~
人生も太極拳の呼吸法のようにおおらかに、太極拳の動きのごとくゆるやかにありたいと願います
もう慌てる歳でもないし、どっしりと構える平常心を保ちたいものですね。
いなせとは、物事に動じない心身の強さそういう心意気に通じるような気がします。
目指しましょう
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