週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

春嵐の句会!

2013年04月07日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★

   
                       カンザン

  〈 独り寝の心乱れて春嵐 〉 草露 (天賞)


  
                姥が池公園 

 4月6日、愉しみにしていた花見の句会の日が来た

 ピンポイントで到来する春の嵐。日頃の行いか、恐ろしいほどのタイミングである。

 二天門ちかい、姥が池のカンザン桜は満開である。

  〈桜散り花びら集う隅田川〉 恋狼 (地賞)


  

 旅人を殺して生計を立てている老婆、見かねた娘が旅人の身代わりとなって死ぬ。それを知った老婆が悲しんで身を投げたので、この名前がついたと云われる。

 前日から幹事長として、一人悶々と悩んだ末の決行でござる。

 数ヶ月前からの招集、そして諸々の予約や準備。そんな心配が杞憂と思えるほど、お昼前の浅草は穏やかそのもの。

 安心してもらおうと、桜花をみんなにメールして、水上バスのチケットを求めに走った。

  〈今宵散る桜花の姿刻み込む〉 鶴輪 (人賞)


    

 リニューアルした東武松屋ビルの屋上から神輿とセットでスカイツリーが撮影できる。

 今や全そに欠かせない頼りになる男前だ。

  〈散る花を水面に残す風の跡〉 酔徹 

  
            隅田公園の一葉さくら

 来週、花魁道中が行われる一葉通りの桜はすでに葉が出始めた。隅田公園の一葉さくらはいまが見頃である。

  〈その先の笑顔届けて花散らし〉 心筋

     
             山の宿の渡し跡

 2013年は二天門乗り場、この川岸から出船だ。

 ここは、言問橋が渡されるまで、かつて渡し舟が地元浅草の民と向島の村人の日常の足であった。

 花まつりの会場、竹屋の渡しと千住に向けて、いくつも舟付き場が存在した。

   
  
           東京水辺ライン〈あじさい〉

  〈花と舞う春の嵐やすみだ川〉 博乱

  
〈花嵐波立つ酒に酔いしれて〉


  

 全その面々も順々に乗船する。

 寝坊したと連絡のあった会長。新雑誌の入稿作業でどうやら徹夜明け。間に合ってよかった。

  〈暑シ寒シと人も桜も右往左往〉 倉女

  

  〈嵐来て春の鴨女も酔いしれる〉 海光


  
      
 向かい合わせの船内で、大人しく!?静かに、宴会を始める。

 クラシックラガー、特別純米酒、スペインワイン、スパークリング日本酒、芋焼酎桜島とどんどん胃の腑に収まっていく。

 やはり通常時より、波間が大きい。その揺れに負けじと、酒に酔う。

  〈花びらを鋭く射抜く春嵐〉


   
         北海道の酒〈國稀〉

 前号でお伝えした、優女さんの差し入れ、特別純米〈國稀〉を2本開ける。

 上品過ぎない武骨で微かな琥珀が、本物であることを証明している。

 雑味は一切ない。

 口に含むと、北の壮大なる田を渡る爽快が広がる。

 あっという間に、空になっちまった。

 優女さんの親身な気っ風に感謝!!

  〈小夜嵐白き白壁春は老い〉 優女


  
                 永代橋

 江戸湾へ近づくと、悠々たる大川の流れが心地よい。

 封建にはない、レインボーブリッジを頭の上に見上げ、こんな角度で見ることはないよなと頷き合う。

 顔をふれば、すっかり主役の座を奪われた感の東京タワーがデンと、格好いい!


       
 数年ぶりに会う旭嬢は、俳句の先生に付いて臨んだ。親友丹丹さんのキャラが明るい話題になっていた。

 

 舟を降りて、仲見世を冷やかした。

 暴風雨に備え、大提灯が畳まれている。珍しい写真は、三社祭の時以来かな。


              五重塔前

  
       三社祭の本社神輿三基そろい踏み

 来月は三社祭だ。この三基を中心に、町内の大人神輿、子供神輿が町中を練り歩く。

 本社のお神輿は、当日サラシを巻いての喧嘩神輿仕様となる。絢爛な装飾が見られたメンバーたちは幸運だった、と思う。

  
              助六と美女たち

 勧進帳さながらポーズを決める全その美女たち。どこにいても、スカイツリーが映える。

 小雨のなか、舟酔い!?醒まし。銀座線の怪しい地下街は昭和の匂いが立ち込める。
 
 さ、いよいよ吾妻橋を渡って本所に入る。

  
           本所〈稲垣〉

 ぞろぞろと、押上のツリーを見上げ、地元もつ焼きの雄〈稲垣〉の暖簾をくぐった。

 ここはアニマル浜口さんが若い頃から通う。楽太郎師匠もよく訪れる店だ。

 博乱兄も到着し、いよいよ句会へと突入す。

  
        離れの二階座敷

 舟で散々飲んだけど、歩いた後のビールがノドに応えるな。

 稲垣自慢の怒涛のコースの始まりだ。

  〈花惜しむ嵐の夜の句会かな〉 丹々

 
 
 
 

 突き出しはとろろにトビッコをあしらったさっぱりしたもの。

 刺身の盛り合せに、肉厚のもつ焼き、天ぷらの盛り合せとつづく。

 特注したのは、名物の稲バーグと稲グラタン。どちらも女子が好む味。

 濃厚なもつ煮は一人ひとつずつのボリューム満点。箸でつまめるほどのトロ味が魅力だ。


 「はい、では、18時半に投句締切ります」 と声をかけると、

 「…………」

 男前も姐さんも、皆の衆、とんと黙り込む。

 寝ているのか、詠んでいるのか、途方に暮れているのか…。

 冒頭から紹介した俳句は、こうして真面目な呑んべたちから生まれるのだ。

  〈乱々と読んだ俳句は嵐々と〉 弾前

 

 貼り出した俳句は、割り箸で挟んだ。

 なければないで、知恵が出るものでござる。


  

 天賞の会長、さすがでござる。狙って取れる男ナリ。

 賞品は、遠赤外線効果のあるスモークができる土鍋。ししゃもも、ウインナーも、チーズも5分で褐色のいいツマミに。独り寝のお供にどうぞ。

  

 地賞は恋狼。神谷バーのグラスと電気ブランをセットで。

 ブランはギンギンに冷やして飲んでくださいまし。 

  

 人賞は、浅草薬研堀の春の限定セット。

 名物の七味はもちろん、お茶漬けや佃煮がいろいろと愉しめる。

 春の嵐をものともしない、全そのみんなの情熱があってこそ。

 発表が済んだあとは、気楽なもの。

 こちらも名物餃子鍋に、〆のラーメンを入れて、一同すする。

 皆の衆、ご参加ありがとう。

 優女さん、倉女さんもメールでの投句に感謝。

 最後は、全そのエンジェル、天女さんの希望の句で締める。

 
 〈春荒れて明日を思う希望花〉 天女


 こうなれば、秋の北海道遠征句会、なんとも実現したいものである。

 ではひとまず、ご機嫌よう 
   



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この度も (鶴輪)
2013-04-07 21:37:29
色々と段取り頂き有難うございました!
楽しいひとときでありました。
次回も何卒宜しくお願い致します。
また、色々と手伝い出来ればと思っております。
御用命お待ちしております!
感謝! (海。)
2013-04-12 10:50:07
鶴輪さま
いろいろと手間のかかるお仕事をこなしてくれてありがとうございます。
鶴輪は、いまや全そに欠かせない人材でござる。
慰労会やりましょう!!
感謝 (草露)
2013-04-13 01:43:26
海光さん遅くなりましたが、当日は本当にお疲れ様でした。
奥様始め息子さんたちにも協力していただき、とても浅草の地元っぽい良い会になりました。鶴ちゃんもありがとね。また久しぶりに参加してくれた旭さん、新たに参加の丹々さんも、お陰で会がさらに華やかになり感謝です。前ちゃん、博乱さん、心筋さんも忙しい時間をやりくりしてのご参加ありがとう。いつも癒しの飲み仲間、キャリーまゆまゆ天女さんも、そして二人で飲んだ「夜明けの日高屋」流れの酔徹さん、お疲れ様でした。幹事長海光さんには本当にお世話になりました。ご家族にもくれぐれもよろしくお伝えくだされ。では皆さま、また面白い企画を考えたいと思いますので、よろしくお願いつかまつる
松屋ビル (iina)
2013-04-14 20:40:18
松屋ビルの屋上は、ずいぶんとスッキリしましたね。

スカイツリーが、何もさえぎらずに見えます。こんど、寄ってみることにします。

Unknown (海。)
2013-04-15 11:43:41
会長
当日は徹夜明けにも関わらず、お洒落なスカーフまでしてお疲れ様でした
苦の後の快楽を求め、日夜精進して参りましょう。
柴又、川越あたりも攻めたいものです。これからもどうぞよろしゅう

iinaさま
ご訪問感謝します。
松屋が入った東武ビル。子供たちが小さい時まで戦前昭和初期から続く遊園地でした。往時はスポーツランドといっていたそうな。私も仲間と遊びました。
百貨店の衰退からこのような屋上遊戯が消えてしまうのはじつに淋しいことです。
現在晴れた日は、ご覧のようにお神輿を一緒にツリーが撮影できますよ。夜のライトアップもいいですけどね。

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