【笑う声騒ぐ祭りも監視かよ】哲露
最近、隅田川から荒川を抜けて走るのが週末の日課である。
白鬚橋の先にある水神という橋を渡って行くのがいつものコース。
その水神様のお祭りがやっている。
隅田川神社は、古い堅牢のこじんまりとした創り。
細長い団地のあちこちに門がある。
ゆったりとした広場に、露天がたくさん軒を並べて、地元の子らを楽しませている。
能のような舞をやっていた。
模造刀はかつて本物の真剣だったのだろうか。
祭囃子の太鼓の音が境内に響く。
御百度参りの石碑。
川の漁師の無事を祈っての碑だろう。
小舟で両岸を渡った時代、大川の流れを人々は恐れた。
強面のカメ様に小銭が置かれている。
大きな亀は、竜宮城の話にも描かれた。
おとぎ話に出て来るほど、亀は敬虔な存在だったかもしれない。
確か隅田川という品種が咲いている。
艶やかな紫陽花とともに、川沿いをゆく人々の目を楽しませてくれる。
心地よい風が抜け、本命の神輿が入ってきた。
縁日のある日本の原風景。
いつまでも監視のない、自由を願う。