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週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

芸を残す。

2013年11月15日 | ★江戸っ子エッセイ★

  


   「三味の音や 柳もしとり 島田哉」 海光

 
 新文芸座に行ってきた

 リニューアルした館は、ホント清潔感溢れ、音響や設備も最新のものだった。

 そこへ乗り込んだのが、同期の安原眞琴監督。

 この日は、ここで、吉原最後の芸者「四代目みな子姐さん」が映写される。

 すでに、渋谷の小劇場で観ているしDVDも持っているが、大きなスクリーンで観られるのは嬉しい。

  

 上映前に落語が三席。

 来年真打ちに上がる風車さん、菊之丞師匠が座を盛り上げる。

 柳家権太楼師匠が出てくると、会場にドンと重みが増した。

 紫綬褒章まで極めた芸の深さに、追っかけしたいくらい痺れる。

 掛け値なしの面白さだ!


  

 
 味わい深い、文芸座の座長とおぼしき御仁が紹介する。

 安原監督と、作家「村松友視」さんのトークがあった。

 彼女は立教大学で、若者に旧き日本の文化を伝えるべく教鞭をとっている。

 市井が楽しんできた芸事を、様式を日々探求し、記録に残したいという思いがこの映像を撮るそもそもの発動らしい。

 高校生に芸者、という一見PTAから目くじら立てられるような組み合わせは、彼女ならではの柔軟の発想による。ITに囲まれた現代っ子が85歳の「みな子姐さん」の言動と芸に、自然とほころぶ笑顔がいい。

 彼女、中学時代は私と同じ中学で生徒会長を務めていた。

 知らずに観にいった渋谷の劇場から一ヵ月後。

 たまたま偶然に開かれた、30年ぶりの同窓会でばったり出くわす。

 びっくらこいたよ!

 これが先輩作家、越水利江子師匠のおっしゃっていた、呼び込むということなのだろう。

 江戸から続く、全国の遊郭を取材している彼女とは、これからも接点がありそうだ。


  

 村松友視さん、渋かった。

 著書「私プロレスの味方です」 はプロレスサークルにいた私のバイブルだ。

 その初版を出した版元を受けたこともある。懐かしい青春。

 同じ中央公論に勤務していたK大兄に連れてってもらった吉祥寺のジャズバーにやはり本が置いてあった。村松さんの馴染みということだ。

 そういえば、K兄も落語好き。

 いろんな人が、いろんなもので繋がってくる。


【宣伝】

 芸歴80年を誇る粋なお姐さんのドキュメンタリー映画
 「最後の吉原芸者みな子姐さん」の京都で初上映!


 初日に京都・島原遊廓の司太夫を迎え、東西の廓芸者のワークショップを開催するという。

 西にお住まいのお方、新春に相応しい芸でござる。これを見逃す手はない。

 1月25・26日。初日2000円。2日1000円。

     
             DVDも絶賛発売中

 〈問い合わせ〉 http://www.makotooffice.net/ FAX 03-3823-6115 




 短い秋なれど、ご縁をもたらしてくれた秋に感謝する。

 今宵浅草は二の酉で染まる。

 みな子姐さんに教わった、吉原一本締めで締めよう。

 ひぃ、ふー、みぃ、よー、いつ、むー、なな!パン!

 お後がよろしいようで