【面子やら武家の立つ瀬よ春の風】酒上乃不埒
冬晴れの休日。
陽気にほだされて、三鷹駅からテクテクと。
この日は、春風亭小朝の独演会。
三鷹市公会堂という地元の施設は立派なもんやった。
開場時間に訪れると、満員御礼とな。
さすが、チケットの取れない噺家の一人。
楽しみだなあ。
演目は、菊池寛原作の好色成道、同じく時の氏神と立て続けに。
仲入り後、可愛らしい二胡奏者がラストエンペラーを奏でる。
大陸の音色にしばしいい心地になる。
さて、おおとりは「柳田格之進」
ユーモア、情緒、武士の重厚、演者の気風が冴えまくる。
期待以上の面白さ。
若い時の軽薄が軽妙に、放蕩がいぶし銀に昇華した。
小朝、また聴きたいものだ。
ハーモニカ横町の寿司屋台で、敬愛する大兄と余韻に浸る。
ええもんに触れる喜び、この歳でもまだ感動はあるもんだなぁ。
それにしても、純米に新鮮なホヤが合うこと。
海の豊穣が青い記憶を呼び戻す。
兄貴、チケットありがとうござんす。
平穏こそ全て。
そう願いつつ、盃を飲み干した。