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週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

春風亭小朝

2018年01月21日 | ★江戸っ子エッセイ★




【面子やら武家の立つ瀬よ春の風】酒上乃不埒


 冬晴れの休日。

 陽気にほだされて、三鷹駅からテクテクと。

 この日は、春風亭小朝の独演会。

 三鷹市公会堂という地元の施設は立派なもんやった。

 開場時間に訪れると、満員御礼とな。

 さすが、チケットの取れない噺家の一人。

 楽しみだなあ。






 演目は、菊池寛原作の好色成道、同じく時の氏神と立て続けに。

 仲入り後、可愛らしい二胡奏者がラストエンペラーを奏でる。

 大陸の音色にしばしいい心地になる。

 さて、おおとりは「柳田格之進」

 ユーモア、情緒、武士の重厚、演者の気風が冴えまくる。

 期待以上の面白さ。

 若い時の軽薄が軽妙に、放蕩がいぶし銀に昇華した。

 小朝、また聴きたいものだ。





 ハーモニカ横町の寿司屋台で、敬愛する大兄と余韻に浸る。

 ええもんに触れる喜び、この歳でもまだ感動はあるもんだなぁ。

 それにしても、純米に新鮮なホヤが合うこと。

 海の豊穣が青い記憶を呼び戻す。

 兄貴、チケットありがとうござんす。

 平穏こそ全て。

 そう願いつつ、盃を飲み干した。  


2018元旦

2018年01月03日 | ★江戸っ子エッセイ★




【天高くまばゆい光きみ次第】酒上乃不埒

 2018年がはじまる。

 本年も、元旦RUN隅田川テラスからの初日の出拝顔。

 朝の川面は涼やかに静水で、スカイツリーが真っすぐに伸びて映る。

 氏神さまを初詣。

 お天道さまに手を合わせる。








 駒形堂の浅草川からその昔、観世音菩薩が見つかった。

 その像を掬ったのが三社権現さまの由来だ。 

 前夜の行列ことないものの、雷門参道は元日早朝から賑わう。

 風神雷神をくぐり、チタン瓦の浅草寺、浅草神社を参拝。

 お富士さんの浅間神社とめでたいはしご。

 清々しい気持ちで今年もスタートできた。





 お正月の定番、色鮮やかなお節をつつき、一年の平穏を祈る。

 食こそ生きるということ。

 家族で卓を囲める幸せを噛みしめるように味わう。



 


 我が家の雑煮は、昆布と鳥肉だけのシンプルなもの。

 わしだけ、三つ葉をたっぷりと入れる。

 毎度のことなれど、飲みすぎた胃にあっさりスープが優しい。

 煮物はお重に詰めると冷たいから、温かくしていただく。

 RUNから朝風呂、体が温かくなった。

 明るいニュースで溢れるといいな。

 これから2年ぶりに箱根に復帰した母校の応援。

 みなさん、2018もどうぞよろしくお願いします⭐︎ 


にんべん「出汁の力」

2017年12月17日 | ★江戸っ子エッセイ★




【木枯らしに鰹の香り早足で】酒上乃不埒


 ここんとこ日本橋通いが続いている。

 年の瀬の12/28(木)に、COREDO室町三井ホールで、

 ヒトサラマガジン連載の「AUN J クラシック オーケストラ」のコンサートがある。

 そこにヒトサラが「グルメ」の監修役として参加することになったのだ。

 パートナーは、日本橋老舗の皆さん。

 心強いこと。

 この日は、そこでもご一緒するにんべんさん「だしせか」のキャンペーン最終日。





 本社内の審査会場に、

 我らがヒトサラ編集長、 月間200万アクセスブロガーのYOMEちゃん

 日本橋だし場はなれの料理長と揃った。

 もこみちさんは残念ながら欠席で明日審査されることに。

 「#だしせか」をつけてインスタにアップされた写真はどれもフォトジェニックで、美味しそうだ。

 白湯だしにつけた鹿肉のスペアリブなんて、想像もできない代物だが食べたい。





 ヒトサラ編集長が選んだフォトジェニック賞のインスタと「シェフ推し」本で記念撮影。

 速水もこみちさん、YOMEちゃん、はなれ料理長の集計は週明けとのこと。

 ご当選の皆さんには、素敵な商品が当たる。

 詳しくは、にんべん「だしせか」のページで。

 どうぞお楽しみに。






 そして、打ち上げはもちろん、COREDO室町一階にある「日本橋だし場はなれ」

 嬉しいのは、どれもににんべんさんの鰹節が使われていることだ。

 長芋フライは癖になるお味。

 川越のCOEDO BEERで乾杯。

 こりゃ酒がいくらでも入るわ。






 ふわふわのオムレツは二種類のタレをかけていただく。

 炊きたて飯もたっぷり二種類。

 鰹節専門店ならではの贅沢な「鰹飯」も素晴らしいが、

 この日は、もこみち監修のチキンの炊き込みご飯も供された。

 鰹だしバターなる、強烈な組み合わせ。

 もこみちさんは本当に料理が好きなんだなと思わせる逸品。

 出汁をかけての茶漬けが抜群に合う。

 お腹がはちきれる感じだけど、お代わりしてしまう。





 にわかに、編集長のサイン会が勃発。

 書き慣れた風はやはりこの人只者でない。

 いつも横にいらっしゃるが新たな発見。

 編集長、尊敬してます。

 そして、勉強になります。




 すっかり鰹三昧の師走。

 コンサート&日本橋食コラボのご案内はまた別途ご案内いたしやす。

 では、お後がよろしいようで。  


酉の市2017

2017年12月02日 | ★江戸っ子エッセイ★




【秋枯れに三本締めで運気上げ】哲露

 
 11月があっという間に過ぎ去った。

 こうして人生は映画のように駆け抜けていく。

 30日、北は北海道、南は九州の後輩たちを引率して出かける。





 みんなは酉の市初体験。だから、浅草寺の参道から御一行さまご案内。

 写真は江戸時代の熊手と書いてある。

 実に素朴な美しさだ。





 こんなリアルな猫やフクロウもいる。

 あちらこちらで、三本締めの景気いい声がこだまする。

 自然笑顔になってしまう。





 鷲神社の鳥居をくぐると、米久の大きな提灯が見える。

 ここの和太鼓がいい。

 そして、中庭がいい。

 何より、シンプルな牛鍋がいいのだ。




 あっしが知る限り、都内でもかなり広範囲の露店がでる。

 仕事帰りだから、お腹も空き、喉も渇いた。

 ビールやハイボールを買い、たこ焼きを手にいれた。

 もう言うことないす。


 



 


 地元の消防署、ボートレースは特徴がある。

 TBSの熊手は、金スマの文字も。

 北島三郎、石原慎太郎といったビッグネームも見所なのだ





 三の酉の寒風が心地よい。

 運をかっこむことから、ご覧のような形になった。

 こんなお守りをもったら、運が舞い込むかもね。


 


 ねぎまを頼んだら、豚バラが人数分きた。

 やばい、相当でかいっす。

 にしても、機に優しい後輩たちとの時は愉しい。

 事業部から独立した法人、格上げになった新会社のために熊手を購入。

 どんどん大きくなりますように⭐︎






 同じ日に、NHKホールで打ち合わせ。

 楽屋から出ると、外にはこんな素敵なイルミネーションが点灯。
 
 道ゆく人は、皆んなスマホを構えている。

 月が開け、もうクリスマスも近い。

 聖夜に向け、日本橋で和のイベントをやることになった。

 「音」と「食」の祭典。

 師走も駆け足になりそうだ。 

 


桑田佳祐 LIVE TOUR 2017

2017年11月12日 | ★江戸っ子エッセイ★




【人生はがらくただけど実るもの】哲露


 海が好き、サザンが好き、

 努力の上の天才、桑田佳祐が好きだ。

 2年ぶりの東京ドームは、葡萄ツアー以来。

 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017にいってきた。

 観客の年齢層はそれなりに高い。

 だから、しっとり曲にはアリーナといえど座る人も続出。



 


 全く還暦を過ぎてなお、このパワー。

 俺の大好きなパワーだ♪

 新譜から、朝ドラの「若い広場」、 懐かしいメロディに大騒ぎ。

 足を高々と掲げ、ジャンプする、なんて元気な還暦だ。

 桑田さんが思いっきり歌い、飛び回っているのが、ファンは嬉しいのだ。

 お気に入りのナンバー「スキップビート」が、めっちゃカッコええ。





 桑田さんら、メンバーが来ていたTシャツが可愛いい。

 葡萄のLIVEで買えなかった、扇子を買えた。

 年末は「白い恋人たち」を歌おう。

 

 


 後楽園に、お菓子の家があった。

 聖夜のツリーと並んで綺麗やったわ。

 桑田さん、ありがとう。

 夏が過ぎたのに、エネルギー いっぱいもらいました。

 次は、サザンのライブが聴きたい。 

 明日から一週間、ご褒美の南の島へ。

 いってきます♪ 


ラストサマー2017

2017年09月03日 | ★江戸っ子エッセイ★





 夏の終わり8月某日。

 最後の蝉の咆哮と、秋の虫の声が朝夕交互に訪れる。 

 切ない気持ちが毎年去来。

 そんな最終週末に、浅草にサンバが来る。

 はじめはどうなるかと思われた。

 今や全国から踊りの猛者がリズミカルに沿道を魅了する。 

 仕事帰り、この熱気に少し元気をもらう。








 お盆休暇の某日。

 息子のサッカーチームの応援。

 高校サッカーの選手権を勝ち上がった。

 やった。

 その帰り、駒沢公園近くのアジア料理でランチ。

 ボリュームもあり、味も本格派でオススメ。








 夏の仕事の合間。

 初台のアニスへ向かう。

 リストランテホンダとのコラボランチが目当て。

 イタリアンの雄と、肉焼きの名人芸が同時に味わえる贅沢さ。






 サーロインの火加減は流石のひと言。

 肉のパテがついたサラダも、熱々のパンにサワークリームもいい。

 極め付けは、イカの身をすりつぶし合えたイカスミのパスタ。

 いつまでも食べていたいほど、濃厚な海の恵み。

 トマトの甘みと酸味がまたたまらない。







 そして、ラストサマー。

 お盆も天気は最悪。

 おかげで小説は少し進んだが。

 8月、海の家も終わり。

 売り上げも最悪だったようだ。

 日曜日に、今年の夏を体いっぱいに吸い込む。

 



 馴染みのパン屋で買った惣菜と、ビールとサワーで。

 潮騒の音。

 波打ち際のカップル。

 犬の散歩するご近所さん。

 ボードを抱えるローカルサーファー。

 すべてが思い出となる。

 帰らぬ思いに、 good bye。

 無性に淋しい。

 エンドレスサマーが恋しい今日この頃。 

 2107夏、ありがと。


【入道の白さ眩しい夏終わり】哲露


納涼船

2017年08月11日 | ★江戸っ子エッセイ★




【波に酔い夜風に酔って盆踊り】哲露


 高校野球が甲子園で始まった。

 今年は台風で一日順延の開幕。

 納涼とばかり、屋形船を編集部で貸し切った。

 小型だから台風の余波が心配だったが、無事に出船。

 テーブル席は初めてだわ。






 みな、浴衣に着替えて準備万端。

 男衆の粋も、女衆の艶も和服が演出してくれる。

 伝統美の素晴らしさ。

 夏の酔いと宵の口に乾杯!





 大川をゆらり、お台場をゆらり。

 盃を片手に、海川から眺める都会の夜景は美しい。

 海の夜風のなんという心地よさ。 

 船上のカラオケは野暮の極みだが、盛り上がりは最高潮に。

 江戸湾はどこまでも優しい。


 



 転職し、あっという間の八ヶ月。

 時の早さをここまで感じたのは、新しいことをやり続けているからだろう。

 茂木さんによるとこれはボケないが、気がついたら爺さんになっちまうのかなぁ。 



 


 本のインタビューで世話になった老舗の鴨セイロ。

 相方は名物の更科、わしは田舎蕎麦をいただく。

 肉が野性味溢れ、歯ごたえ十分。

 板わさ、お新香をつまんで、

 夏の昼の、冷えたビールの美味いこと。

 もはやわし、このために生きていると言っても過言ではないね。

 今日からお盆休みをいただきやす。

 この間、執筆を進めないと仲間との秋を迎えられない。

 みなさん、残暑お見舞い申し上げます。

 旧盆ごゆるりと。 


海の花火。

2017年08月06日 | ★江戸っ子エッセイ★




【海に咲く真夏の果実小麦色】哲露


 夏だ。海だ。

 8月はじめの週末。

 この日は茅ヶ崎の花火大会。

 波乗りの後に花火見上げて、ビール飲める。

 なんて最高なんだ。

 ってことで、またサザンビーチに。

 花火に二百円寄付したら、こんな素敵な団扇がもらえた。

 ラッキー。


 


 限定のオリオンが売ってたので、思わず。

 真夏のビーチ。

 周りは花火もあって、ビキニギャル。

 なんて素敵な場所なんだ。

 夏のエネルギーを猛チャージ中。





 サザン通りのTaizoのパンやら、いかした惣菜やら、タイ焼きそば、こんなココナッツのデザートを買い込む。

 ビール、ハイボールがいくらでもはいる。

 暑くなったら、波に揉まれてボディサーフィン。

 ここは天国か。







 遊泳は16時まで。

 気がつくと、周りには隙間ないほど茣蓙が並んでいる。

 空は台風のせいか不思議なうろこ雲。

 茅ヶ崎の空はどこまでも広い。

 波は高く、身を任せると爽快な快感。


 


 浴衣姿の若者たちが、楽しそうに浮かれている。

 こんななんでもない平和が嬉しい。

 目の前のおばちゃんに声をかける若者。

 コストコの巨大なポテチをもらって愛想振りまいているトークが微笑ましい。





 サザンビーチのCマークが、LEDで。

 さぁ、そろそろ打ち上げだ。

 トイレはさすがに激混みで断念。


 


 花火の着火から見られる愉悦。

 隅田川と違って、大玉の迫力は海の花火ならでは。

 スターマインが始まった。


 


 あいにく、風向きがオンショア。

 花火の灰がビーチに注ぐ。

 大玉も煙に巻かれ、ちょっぴり勿体無い。

 それでも、上に下に目の前の大輪が美しい。

 鎌倉で見た花火も良かったが、混み具合が半端なかった。

 茅ヶ崎はほのぼのとしていい。

 また来年も来たい。

 今日は8月6日。

 御霊に想いを。

 愚かなる惨劇と悲劇は二度とごめんだね。 


大川の大輪

2017年07月30日 | ★江戸っ子エッセイ★




【腹響く大輪の花夏の雨】哲露


 お暑うございます。

 大川(隅田川)の花火大会が復活し、今年でもう40回とか。

 月日の移ろいは本当に早いもので。

 朝からどんよりと台風雲がちらほらと。

 ランニングしてると、シートを引く、浴衣姿の人々がいる。

 起きてから仕事の原稿を書き、イベントの打ち合わせをはしごした。

 案の定、夕刻になり、雨がパラパラと降ってくる。

 花火を打ち上げる時間になって、本降りに近く。

 四年前に中止になった悪夢が舞い降りる。

 ところがどっこい。

 7時5分定刻より、終いまで花火師たちは頑張った。

 TV中継見てると、外の観客も頑張ったと思う。

 夏の花火はもちろん、夏の雨もいいもんだ。

 うちはベランダからだから快適に見られた。

 ありがたや。





 今週は怒涛の6連ちゃんの飲み。

 こちらは、高田馬場のひなた。

 各部位ごとに、コースで食せるとんかつ屋とな。

 いい歳になり、揚げ物を敬遠する中、その概念を覆す衝撃があった。

 宮城の無菌豚なので、半生でも食える。

 これからウクレレを聴きに。

 熱く燃えたい、今年も。

 みなさん、ご自愛のほどを。

  


ほおずき市

2017年07月16日 | ★江戸っ子エッセイ★




【鬼灯に扇子の風をそよそよと】哲露

 

 朝から植木やら観葉植物に水をやる。

 ついでにベランダに水を撒いたら気も涼しい。

 文月、一年も最も大好きな季節。

 ランニングして、飛び込むプールの気持ちよさ。

 先週は、浴衣を羽織り、鬼灯市へ出かけた。







 


 四万六千日のお利益があるというありがたい日。

 鬼灯の売り子の姐さんに見惚れつつ、カラコロと会津桐の下駄を鳴らす。

 市井の民の平穏を祈る。 





 文扇堂の団扇が目に涼を与えてくれる。

 金魚すくいに興じる後輩。

 お江戸の夏の風物詩。

 旅の異国の人の目にどう映っているのだろう。

 日本を、浅草を愛してくれたらいいな。



 


 シャンパンにキャビア、穴子天に吟醸純米。

 飲んだ帰りに、また寄った。

 ライトアップされた夜の市もまた格別だ。

 頬に紅が射した女っぷりの上がることよ。

 こんなとき、川辺に住まう優越を感じる。






 平日の日本橋。

 往時の江戸では、トロは捨てるもの。

 そのトロを寿司として流行らしたのがこの吉野鮨さん。

 トロ発祥と言われるお店の昼にひと時の癒しを持つ。

 酢飯に砂糖を入れない、昔ながらの握りこそ、江戸前といえよう。

 川風が心地よい、夕下がり。

 この連休には各地で祭りも。

 皆さん、どうぞ夏の良き思い出を。


 


水神祭2017

2017年06月11日 | ★江戸っ子エッセイ★




【笑う声騒ぐ祭りも監視かよ】哲露


 最近、隅田川から荒川を抜けて走るのが週末の日課である。

 白鬚橋の先にある水神という橋を渡って行くのがいつものコース。

 その水神様のお祭りがやっている。


 


 隅田川神社は、古い堅牢のこじんまりとした創り。

 細長い団地のあちこちに門がある。

 ゆったりとした広場に、露天がたくさん軒を並べて、地元の子らを楽しませている。





 能のような舞をやっていた。

 模造刀はかつて本物の真剣だったのだろうか。

 祭囃子の太鼓の音が境内に響く。





 御百度参りの石碑。

 川の漁師の無事を祈っての碑だろう。

 小舟で両岸を渡った時代、大川の流れを人々は恐れた。 





 強面のカメ様に小銭が置かれている。

 大きな亀は、竜宮城の話にも描かれた。

 おとぎ話に出て来るほど、亀は敬虔な存在だったかもしれない。





 確か隅田川という品種が咲いている。

 艶やかな紫陽花とともに、川沿いをゆく人々の目を楽しませてくれる。

 心地よい風が抜け、本命の神輿が入ってきた。

 縁日のある日本の原風景。

 いつまでも監視のない、自由を願う。
 


湘南海岸を歩いた

2017年06月03日 | ★江戸っ子エッセイ★


江ノ電 鎌倉高校前の踏切


【浮き沈み初夏の海水に消えゆく】哲露


 ここが世界から観光客が訪れるスラムダンクの聖地、鎌倉高校前の踏切だ。

 この日も、外国人がカメラやスマホ、タブレットを手に待ち構えていた。

 早いものでもう六月。

 鮎も泳ぎ出したという水無月だ。

 GW湘南海岸を歩いたレポートを綴る。






 いつものように東海道線で茅ヶ崎へ。

 毎年この街を複数回訪れている。

 ブログ読者にはおなじみ、私淑する師匠所縁の土地だから。





 駅からビーチへ向かう途中、お神輿が見えた。

 浜降祭も来月に迫るから、もう準備が始まっているんだろう。

 祭り好きにはその浮かれようが痛いほどわかる。





 サザンビーチは、ほんと和む。

 桑田サウンドを口ずさみ、浜辺ウォーキングをスタート。

 羽毛の一羽が見えるほどリアルに接近する鳶。

 波乗りをしていた若い頃、モスバーガーの新作をかじろうとしたところかっさわられた。

 その時の手の痛み、衝撃はいまだ鮮明に覚えている。

 道すがらお気に入りの店で買った惣菜パンを鳶とにらめっこしながら食べる。

 これもまた湘南風。





 この広大な太平洋を延々と歩く。

 チャリにボードを乗せたサーファー、怖いほど真っ黒に日焼けした肌のおっちゃん、犬を連れた女たちと何人もすれ違う。

 潮風と波の音がたまらない。






 歩く、歩く、歩く。

 しばらく行くと、ラチエン通りの辺りについた。

 防風林の片隅で咲き誇るツツジが眩しい。

 駅に戻るように、内陸へ。





 久々に訪ねる師匠、開高健の暮らした家。

 心に焦燥が走り、筆を持つべき手に緊張が漲る。

 師の呼吸を捉えると、豊穣な語彙と思考の嵐に圧倒される。

 物書きになりたい、今現在しょうもない駄文を書いている己が情けない。

 この徹底的なまでの自虐に苛まれ、物を書く勇気をふたたび奮い立たせるため、何度もこの地に足を運ぶ。



 


 歩く、歩く。

 江ノ島が見えてきた。

 水族館はうんざりするほどの行列。

 およそ並ぶのが大嫌いな私には信じられない光景だが、子供のため、彼女のため人は並ぶ。

 思いの外、歩道をゆく人が多い。

 そろそろ鎌倉高校が近いのだ。

 ここで冒頭の話に繋がる。





 ちょいと気になる道案内が目についた。

 横道に外れ、右手を行くと江ノ電の小さな踏切があった。

 その踏切から生えるように寺への階段が続く。





 満福寺。

 幟を眺めると、義経、弁慶ゆかりの寺とある。

 まんぷく寺でまってます、という同人の高田由紀子さんの顔が浮かぶ。

 これはぜひ彼女に伝えたい、と思った。

 高田さん、知ってますか?

 なので思わず、ちい散歩パクり、鎌倉てつ散歩篇。

 さらに稲村ガ崎まで歩く。

 鶴岡八幡さまの先、竹林まで行きたかったが、この日は時間切れ。

 観光客の帰路のピークと重ならないよう、江ノ電で鎌倉駅へ。


 


 ITを生業とし、大企業に身を投じると、校了のないエンドレスな世界が待っていた。

 ある程度覚悟はしていたが、何事も体験してみないとわからないものだ。

 私は無力で、非力で、無学だ。

 歳をとるごとにそれは痛切に広がる自虐。

 ただ何もない私は、人には恵まれているとも思う。

 それは実にありがたいことだ。

 悠々として 急げ。

 心に何度もつぶやく。

 先週、友と年末の湘南国際マラソン大会へエントリーした。

 明日もまた、陽はのぼる。 

  


三社祭2017

2017年05月28日 | ★江戸っ子エッセイ★




【お囃子の粋な音色も盗聴か】哲露


 今年も三社祭の季節がやってきた。

 平日に祭囃子が聴こえるともういけねえ。

 浅草っ子の血が騒ぐのだ。

 仕事なんかしてられっか、てやんでえ。





 町会神輿に神様を祀る。

 浅草神社まで、神様を運ぶのだ。

 こりゃ気合い入るわな。

 残業続きで頑張っている後輩に声をかけたら、ぜひ三社の神輿を担ぎたいという。

 そんなこと言われたら、おっちゃん、なんとも嬉しい。





 いつものごとく、浅草寺裏手に神輿が百基ほど結集する。

 これ壮観よ。

 市川團十郎の像のある広場。

 新門辰五郎の建てた稲荷も見える。

 さて、いざ神社へ。





 三社様に参拝し、境内を出る。

 浅草寺前は人ごみの嵐。

 この大勢の観客の中、担ぐ肩にも力が入る。





 この日は30度近い真夏日。

 ビールも旨いが、水も旨い。

 熱中症に気をつけて担ぐような気候は珍しい。

 後輩がずっと入ったまま出てこない。

 初めての神輿に、ちと不安になる。

 でも、若さとは素晴らしい。

 疲れを微塵も感じさせず?、ビールやハイボールを飲んで帰った。





 六町会連合の夜神輿。

 ライトアップされた六基の神輿が一斉に上がる。

 これ、鳥肌が立つのよ。





 翌日、日曜はいよいよ本社の宮神輿の登場。

 今年は思いの外、思いっきり担げたわ。

 試験前で遠慮してた息子も、サッカーの試合後駆けつけて担ぐ。

 祭りはいいな。

 今年も終わった。

 以後、お富士さんの植木市、朝顔市、七夕祭り、花火大会、サンバカーニバルと祭りはつづく。

 監視社会なんてまっぴらだ。

 夏はもうそこに来ている。
 


荒川サイクルロード

2017年05月14日 | ★江戸っ子エッセイ★





【戦場を北へ南へ鯉悠々と】哲露


 GWのある日、荒川をママチャリで走った。

 芝生が青々と茂り、河川敷に少ない柳もたわわに風に揺れていた。

 行政かボランティアが植えたのだろうか。

 純白、極赤や紅、黄、紺、紫など、花々は目にも艶やかに咲き誇っていた。

 天空は筑波山まで遠く、広い。

 海へと流れる川面の上を、降ろし風が滑っていく。

 少年たちが白球を追いかけ、カラフルなボールを蹴っている。

 老若男女が色とりどりのウェアで淡々とRUNしている。

 外国製の高級自転車がその横を唸りを上げてすり抜ける。

 わたしは、その同じロードを黙々とママチャリで走っていくことにした。





 子供の日も近い。
 
 川の上を、希望に膨らんだ鯉が登っていく。

 東向島から海へ。

 海から山へ向かう。

 赤羽が近づくと、ゴルフ場のグリーンでパット中。





 かつて、フルマラソンで走ったコースを自転車で走るのは気持ちいい。

 水門がみえる。

 岩淵水門だ。

 大雨、台風など増水時には、この水門を閉じ、隅田川への流入を防ぐ。

 徳川さんの成した水害対策事業が、ここでも活かされている。

 封建の偉業が現代の繁栄を支えているんだ。

 なのに、政は後退するような報道が続いている。

 偽政者は、文学部の存在を軽視し、歴史に学ばないことで自分の思い通りにしたいということか。 


 


 ここで茶を飲む。

 水面の輝きが心なし色を失くしたようだ。

 時の政治は、市井の民度に比例するという。

 このままでいいわけはない。

 未来ある若者たちのためにも、僕らは学び、声をあげ、行動すべきだ。

 たとえ、小さな一歩でも。

 河川敷を50km走りながらそんなことを思う。

 思いの丈を、書き続けよう。


 
  


再び京都へ

2017年04月01日 | ★江戸っ子エッセイ★




【鴨川にそぞろ歩きの花妓かな】哲露
 

 淀屋橋から京都へ入る。

 久しぶりの京都は晴れ時々雨みたいな変な天気。

 京都タワーは改装中。



 


 菊正宗のみの潔い自動販売機。

 小学生の訓示に、襟を正す今日この頃である。

 子供は素直で残酷で、鋭いのだ。





 今回訪問先の会社へ行ったら、ビックラコイタ。

 なんと、京町家がオフィスとな。

 中庭の手入れなど社員でやっているらしい。

 それにしても、素敵だ。

 こんなところで、原稿に向かったらさぞ筆が進むんだろうなぁ。







 明治元年創業の老舗、田毎へ。

 明太子とろろと、小海老の冷たい蕎麦を頼んだ。

 歩くと汗ばむが、肌寒い。

 ぬる燗を一本。

 五臓六腑に沁みいるとはこのこと。

 美味しゅうございました。



 


 同じ寺町通り近くのアーケードに惹かれて入る。

 お土産を買ったら、その場であんを詰めてくれる。

 昔ながらのほんまの生八ツ橋どす。

 家族にも後輩たちにも好評だった。



 


 京都いえば、鴨川。

 昨年の夏には、上流の貴船まで遠征した。

 納涼の川床は最高だった。

 空は晴れ渡り、着物姿の若者が多い。



 


 間も無く古都も桜の開花を迎える。 

 都をどりなんてのを観てみてえな。

 どぅどすえ。


 


 名古屋、大阪、京都と二日間でよく回った。

 思えば、転職してからまともに休んでいない。

 我ながら、働き者になったもんだ。

 本日4月1日、関東は雪が降るような寒々しい天候。

 花見句会も一週間の延期を決めた。

 いつものランニングコースも、ランナーはちらほらだ。

 みなさん、お疲れさん。

 これからは少しずつ、要領を得て、書き物に向かいたい。