京都近代美術館の2019年度 第5回コレクション展 (計141点)
2019年10月30日(水)~12月22日(日)
円山・四条派の系譜―近代京都画壇
美術館ホームページより
『18世紀に入り蘭学に影響を受けた実証主義的な文化が興ると、文化的に洗練された京都の町衆は先人の模倣に終始する御用絵師狩野派の画に飽きたらず、自分達の目の前で繰り広げられる四季折々の風景や植物の美、動物達の持つ躍動感や愛らしさ、女性の艶や美しさをそのままに描く絵師を求めます。ここに現われたのが、徹底した写生をもととして新しく開発した技法に、遠近法も駆使して対象を描く円山応挙でした。「見えたままに描く」画は、ともすれば面白味に欠けるようなところもあったため、そこに俳味や文学性、情趣を加えた呉春を祖とする四条派が興り、両者が相俟って京都画壇は更なる隆盛を極めます。やがて明治に入り、東京奠都になると公家衆とそれにつき従う町衆が京都をあとにしたことや、戊辰戦争で焼け野原となったことにより、町の勢いが衰えてしまいます。そこに、文人画や東京画壇、油彩画の隆盛があり、一時的に、京都画壇は衰退したように見えましたが、近代的な産業を興した町衆が新たなパトロンとなって町を盛り上げるとともに、画家達にも作品を発注、円山・四条派の流れに続く竹内栖鳳、山元春挙、上村松園等が頭角を現し、明治40(1907)年政府の主催する初めての全国的な展覧会では、東京画壇に負けず劣らずの活躍を見せ、近代京都画壇として発展するのでした。
このコーナーでは、3階の企画展「円山応挙から近代京都画壇へ」展の後を受け、当館日本画コレクションの核である近代京都画壇に連なる作家達の作品をご紹介いたします。』
塩川文麟 1808 - 1877 四季山水 1867 絹本着色
森 寛斎 1814 - 1894 花鳥図 1891 絹本着色
久保田米僊 1852 - 1906 水中落花蝶図 明治中期 絹本着色
橋本関雪 1883 - 1945 意馬心猿 1928 絹本着色
竹内栖鳳 1864 - 1942 若き家鴨 1937 紙本着色
上田萬秋 1869 - 1952 鴨図 不詳 絹本着色
竹内栖鳳 1864 - 1942 海幸 1939 絹本着色
今尾景年 1845 - 1924 老松孔雀図 1916 絹本着色
竹内栖鳳 1864 - 1942 枯野の狐 1897 絹本着色
谷口香嶠 1864 - 1915 資朝門東寺避雨図 1914 絹本着色
徳岡神泉 1896 - 1972 鯉 1929 絹本着色
山口華楊 1899 - 1984 神鹿 1940 絹本着色
西山翠嶂 1879 - 1958 秣 1920 絹本着色