(以下、毎日新聞【香川】から転載)
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講演会:災害時の通訳必要 NPO代表の田村さん、外国人住民支援に--高松 /香川
高松市番町1のアイパル香川で7日、通訳ボランティア対象の、NPO法人「多文化共生センター大阪」代表理事、田村太郎さん(37)による講演会があった。「災害時における外国人住民支援の実際」と題し、阪神大震災(95年)や新潟中越地震(04年)といった災害地での活動を通して感じたことなどを話した。
県国際交流協会のボランティア派遣事業研修の一環。通訳ボランティアとして登録する約250人のうち約30人が参加した。田村さんは自身の経験から「多くの日本人住民は外国人住民が身近に多数存在している実感がない」と指摘。「大切なのは、情報提供をして安心してもらうこと。情報があるというだけで安心感が生まれる」と通訳の必要性を訴えた。
参加した市内の主婦(49)は「普段から暮らしの中で外国人が身近にいることを意識することが大切だと思った」と話した。【三上健太郎】
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被災外国人 通訳が頼り
自宅倒壊、旅券を紛失
外国人役の職員(左)に英語で相談に乗る参加者(高松市で)
地震などの災害時に、外国人を支援する通訳ボランティアの研修会が7日、高松市で開かれ、英語、中国語、スペイン語を話す21人が参加した。外国人は言葉の違いが壁となって“災害弱者”になりがちなだけに、参加者は旅券なしで一時帰国する方法や、自宅が倒壊した場合の公営住宅の入居申請など、被災地で求められる通訳技術を学んだ。
県内在住の外国人は8708人(2007年3月末現在)で、10年前の4765人から倍増している。県国際交流協会には通訳ボランティアとして約250人登録しているが、被災地に派遣したことはなく、初めて災害発生を想定した研修を企画した。
この日は、阪神大震災で外国人支援に携わった多文化共生センター大阪(大阪市)の田村太郎代表理事を講師に招き、参加者は3~4人ずつのグループに分かれると、「旅券を紛失した」「住宅が倒壊した」などのケースを想定し、寸劇で通訳する方式で進められた。
同協会の職員が外国人と役場の担当者にふんしてやりとりを実演。参加者は2人の間に入ると、「一時渡航許可証」「市住宅管理課」など普段は使うことの少ない言葉や行政手続きの翻訳に苦心。外国人に理解しやすいように言い換えながら、対応していった。
海外での勤務経験がある高松市香川町、予備校講師高木俊彦さん(66)は「災害時は役場も被災者も混乱するので、通訳が一番落ち着かないといけないことがよくわかった」と真剣な表情。中国から高松大学に留学している3年黄肖嫻さん(24)は「四川大地震で妹が被災しているだけに、災害は他人ごとではない。日本でも困っている中国人を助けたい」と話していた。
田村代表理事は「被災地では翻訳能力の高さだけでなく、相手が置かれている立場を理解し、臨機応変に対応する力も問われる」と説明。参加者に各国の文化や習慣に応じた気遣いをするよう求めた。
(2009年3月8日 読売新聞)
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講演会:災害時の通訳必要 NPO代表の田村さん、外国人住民支援に--高松 /香川
高松市番町1のアイパル香川で7日、通訳ボランティア対象の、NPO法人「多文化共生センター大阪」代表理事、田村太郎さん(37)による講演会があった。「災害時における外国人住民支援の実際」と題し、阪神大震災(95年)や新潟中越地震(04年)といった災害地での活動を通して感じたことなどを話した。
県国際交流協会のボランティア派遣事業研修の一環。通訳ボランティアとして登録する約250人のうち約30人が参加した。田村さんは自身の経験から「多くの日本人住民は外国人住民が身近に多数存在している実感がない」と指摘。「大切なのは、情報提供をして安心してもらうこと。情報があるというだけで安心感が生まれる」と通訳の必要性を訴えた。
参加した市内の主婦(49)は「普段から暮らしの中で外国人が身近にいることを意識することが大切だと思った」と話した。【三上健太郎】
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被災外国人 通訳が頼り
自宅倒壊、旅券を紛失
外国人役の職員(左)に英語で相談に乗る参加者(高松市で)
地震などの災害時に、外国人を支援する通訳ボランティアの研修会が7日、高松市で開かれ、英語、中国語、スペイン語を話す21人が参加した。外国人は言葉の違いが壁となって“災害弱者”になりがちなだけに、参加者は旅券なしで一時帰国する方法や、自宅が倒壊した場合の公営住宅の入居申請など、被災地で求められる通訳技術を学んだ。
県内在住の外国人は8708人(2007年3月末現在)で、10年前の4765人から倍増している。県国際交流協会には通訳ボランティアとして約250人登録しているが、被災地に派遣したことはなく、初めて災害発生を想定した研修を企画した。
この日は、阪神大震災で外国人支援に携わった多文化共生センター大阪(大阪市)の田村太郎代表理事を講師に招き、参加者は3~4人ずつのグループに分かれると、「旅券を紛失した」「住宅が倒壊した」などのケースを想定し、寸劇で通訳する方式で進められた。
同協会の職員が外国人と役場の担当者にふんしてやりとりを実演。参加者は2人の間に入ると、「一時渡航許可証」「市住宅管理課」など普段は使うことの少ない言葉や行政手続きの翻訳に苦心。外国人に理解しやすいように言い換えながら、対応していった。
海外での勤務経験がある高松市香川町、予備校講師高木俊彦さん(66)は「災害時は役場も被災者も混乱するので、通訳が一番落ち着かないといけないことがよくわかった」と真剣な表情。中国から高松大学に留学している3年黄肖嫻さん(24)は「四川大地震で妹が被災しているだけに、災害は他人ごとではない。日本でも困っている中国人を助けたい」と話していた。
田村代表理事は「被災地では翻訳能力の高さだけでなく、相手が置かれている立場を理解し、臨機応変に対応する力も問われる」と説明。参加者に各国の文化や習慣に応じた気遣いをするよう求めた。
(2009年3月8日 読売新聞)