多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

一部の産業構造から俯瞰してみると現在の危機的な状況が明らかになってしまうノダ。

2018-11-30 00:12:42 | 多文化共生
さて、連日行くぞ(笑)
ガチンコだ。

世の中とは違った角度で眺めているので参考にするべし。

【図1】と【図2】は同じデータから作図していて、【図1】は単純な積上げ、【図2】は100%表示にしているだけのものだ。が、ここからわかることもある。



一般に、人口減少社会!キビシーぜ!みたいに思われるのは、【図1】の赤矢印のとおり、総人口が減少に転じたあたりから「おぉ!もしかしてダイジョブか?」みたいな報道のされかたをしているが、我々(ってダレ?)は、生産年齢人口がピークを迎えたあたり【図1】の黄矢印あたりから警鐘を鳴らしている。

で、ダ。

労働力人口は、昨日、見てもらったとおりなんだけど、1997年6月の68百万人超でいったんピークを迎えて減少に転じる。
そのあたりから一気に完全失業者が増加し、完全失業率が高くなっていく(黒の折れ線グラフね)。自殺対策の現場では常識化しているが、この時期に自殺者が年間2万人台から3万人台へと突入していく。ちなみにDV被害も急増しているノダ。なにがあったのか、世相を思い出してみよう!
2004年あたりから3百万人いた完全失業者がじょじょに減少傾向をたどるものの、2008年のリーマンショックを受けて、再び上昇に転じる。2014年あたりから沈静化し、2013年のアヘノホニャラカが功を奏したのかどうかは不明だが、完全失業率は、現在まで低下の一途をたどっている。
というのが一般的なトレンド。

ただ、【図2】を見てもらうと、わかると思うが、1960年代からすでに人口全体に占める労働力人口の割合は減少し始めているノダ。
それが何を意味するのかということは、置いておいても、そういうトレンドは今から60年も前から始まっているということなノダ。
うーむ、自治体も国家も右肩上がりの幻想に浸かり切って、ぬるま湯でふやけてノボセテ経営破たんの危機に陥っている原因がよくわかる。
マジでダイジョブか!?

で、これを踏まえて、日本の産業全体のトレンドを見てみよう。【図3】ダ。



ぬぅーーー、日本って、こんな国だっけ?
第3次産業主流の国家になってる。はい。もちろんわかってますとも。しかし、第1次産業、キビシーですね。食料自給率とか耕作放棄地とか農地中間管理機構とか、いろいろ言ってますが、ホントにダイジョブなんでしょうか?

ということで、いったん、農業に焦点を当てる。
農業の従事者数って、いろいろな捉え方があるわけだけど、ここでは農業センサスの基幹的農業従事者を見ていく。国勢調査での農業従事者とも大きくかい離はないので、兼業しながらも農業している人の数を補足するには、まぁまぁ適した項目だと思う。
基幹的農業従事者の説明は【図4】。


農業センサスから拝借しています。

あまり大昔まで遡ると悲しくなるばかりなので、ここ20年ほどの推移をみてみよう。平成2年からの基幹的農業従事者の水位が【図5】。
減ってるなーって感じで、黄矢印のようになだらかに減少していくのではないかと思われるが、自分の予測では【図6】くらいに急激に減少すると予想。



なんでかっていうと、もちろん根拠はあって、【図7】のとおりなわけだ。新規就農者は増えずに、そのまま高齢化が進んで行っている様子が手に取るようにわかる。
【図8】は平成2年と平成27年のトレンドを見たものだが、おおむねそのままスライドしていることが手に取るようにわかるだろう(15年スパンなので、年齢層は合致しないが、傾向はわかるだろう)。
こうした傾向から導き出したのが【図6】で、あと20年もすれば、基幹的農業従事者は1/3ほど、50万人を切ってしまうのではないかと危ぶまれる。
農業分野においてもIOT化は進んできているが、危機的状況に瀕していることは否めないだろう。



農業はあくまで一例にすぎず、次回はいよいよ外国人労働力の現状について、眺めてみたい。

っつーか、こういうことは、政府は当然、知ってるんだよね。当たり前だよね。政府統計だし、施策に生かすために「統計調査してます!」って、書いてあるし。マジで。無駄に統計調査してないよな。
施策の立案のために、外国人の多く住んでいる自治体や町内、企業など、なんとなく関係者にヒアリングしてみて、「こんなもんかなー」とかって思ってないよね。印象で語ってないよね。「対応方針案」とか出しているけど、みっちり統計データも見てるよね。
だって、関係者の人って、マクロ的な視点に立ってないでしょ?当たり前だけど。

政治家のことは知らんが、行政マンなら震えるほど仕事シロー!ってなことだ。

人口減少社会と超高齢化少子化社会を迎えるのだから年齢構成もきちんと考えるの図

2018-11-28 00:00:00 | 人口減少社会
引き続き、外国人労働者云々の続き。
みんなでワーワー考えることはいいことだ。

が、ほんの少し前まで「ガイジンなんて」的なコワダカな主張(「主張」と呼べるような代物でもない非生産的な稚拙なものダガ)が鳴りを潜めているのは少々気味が悪いと感じるのは正しい感覚デス。それがどういうことなのかも考えておこうね。
ダイジなことです。

数日前の記事にこう書いた。
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「なんだよ、今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れるっていっても、焼け石に水ジャン!」と。
そう、それが正しい認識なのだ。
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と。

そのときのグラフでは外国人住民が子どもを生んで人口が増えていくという変数要素を入れていないものの(そもそもそんな予測統計がない)、今後、予測されている人口減少社会に対しては、インパクトのあるボリュームにはなっていない。到底及ばないということをまず確認してもらいたかったわけだ。

んで、まずコチラ。
人口ピラミッドってのがあるが、それを横に倒して男女を合算したもの。エクセルでも人口ピラミッド(縦軸が年齢、男女別人数が横軸に左右に広がるタイプ)を作ることができるのだが、結構、作図が手間だし、左右に展開していると、結局どこがピークなのかわかりにくくなっている。
なので、ピラミッドを横倒し。

で、外国人のボリュームを再確認してみると、こんな感じ。【図1】



冬の訪れを告げる立山の初冠雪でももう少し乗っかってないか?ってな具合。人口減少社会の到来を告げているボリュームには到底見えない。
この規模で「外国人労働力がないと人手不足で企業活動が成り立たない」っていっているのは、それこそ企業活動を根本から見直したほうがいいと思うのはオレだけではないハズ。
そうだろ?
特定業種が過剰に展開したりしてるんじゃないか?とか、競合相手が多過ぎるんじゃないかとか、賃金構造に問題があるんじゃないかとか、点検するところは山ほどありそうだ。
重箱の隅をツツいているあいだに山体崩壊してしまうわ。タモさんタノム。

ということを踏まえたうえで、在住外国人の在留資格別年齢別の人口ピラミッドがコチラ。【図2】



ピークは23歳だが、10代後半から50代までの働き盛りの年齢層が満載だ。たぶん1960年頃の日本の人口ピラミッドに近い(子どもの数は圧倒的に少ないが)。この形からだけだと高度成長期の日本の姿が思い出されるだろう。遠い目をしてはいけない。
大丈夫か、ホントに。子どもがいないと、また数十年後に二の轍を踏むのではないか。心配だなー。

ともあれ、若い労働力があればそれでいいという安直な考えは早々に捨て去ったほうがいいに決ってるし、もうちょっと真剣に考えた方がいいダロー。マジメに考えたことあんのか?

で、在留資格別に年齢構成を見ていくと、わかりやすいのは、当たり前だが留学生は10代後半から20代前半が多い。留学生なんだから、当然といえば当然(そうはいっても40代、50代、60代の留学生もいるんだけどね、会って話してみたい)。
で、その留学生が卒業後、日本社会で働く(留学生は基本、働けず、資格外活動でアルバイトなどが認められている)ために、在留資格を変更するのだが、主に「技術・人文知識・国際業務」の資格にシフトする。留学生のピンクがオレンジの資格にそのまま移行していっている様子がグラフからも明らかだ。
で、留学→人文と資格変更を行ったその後だが、人文の在留資格が減少していっているのはなんでかというと、このグラフからは「永住者」にシフトしていっているんだろうと想像できる。もちろん、これ以外にも定住→永住などの永住化への流れもあるだろうけど、このグラフからは、そんな風に読み取ることができる(資格変更のデータがないので確実なことはわからない。外国人労働者を受け入れ云々と検討するのであれば、ぜひデータを公開してほしいと思う)。
問題視されている技能実習生については、留学生よりもやや幅はあるが、10代後半から30代前半にかけて突出していて、この技能実習生が日本にそのまま滞在を続けているかというと、一応、制度の建前上は、そういうことにはなっていない。日本の優れた技術を母国に持ち帰り、母国の発展のために貢献してもらうという国際協力としての在留資格なわけだから、基本は帰国が前提だ。
んで、今国会で俎上にあがっている「特定技能」は、一回、母国に帰った後でもふたたび日本に来て、働いてもいいですよってものだ。でも永住者の資格は通算10年の在留が要件になっているので、永住者の資格取得は一応、できない。ひどいなー。あくまで使い捨て。
そして、ややこしいんですが、特定技能で日本に在留中に、別の資格(例えば介護福祉士など)を取得すれば、いったん「介護」の在留資格へ移行して、その後、永住者への資格変更も可能というもの。そんなキャリアデザインを描いて来日する外国人がどのくらいいるんやねん!て、思うダロ、ふつー。そんなあさってな10年計画建てて海外渡航するか?人間味ゼロだわ。

長文につき、ここまで読んでいる人はいないんじゃないかと思うんだけど、マジでこんなシチメンドクサイ制度を利用してまで日本に住みたいという外国人は本当にいるダローか?

やれやれ。
書いていて疲れてきましたよ。
書いてるだけで疲れるのに、国会議員のみなさんはタフですね。尊敬しますよ。マジで(笑)
【図2】の別バージョンとして、男女別のものもあり、こちらもご紹介したいと思いましたが、またの機会に譲ります。

とりあえず、図だけ掲載しておきますので、みなさんもいろいろ考えていただければと。【図3】女【図4】男




統計データを使えば予測可能なことも多々あるだろうにそれをしないのはどうしてなのかって話

2018-11-27 00:00:00 | 多文化共生
毎日のように外国人労働者の受入について報道されている。

外国人の受入にあたっては、労働環境は当然のことながら、住民として生活が保障される基本的な法制度を整えることが最低限、必要なことだと思っている。
そうしたことが整っていない現状で、都道府県別にみて、外国人に選ばれる地域、日本人にも見捨てられる(というと言い過ぎかもしれないが)地域がある。どんな傾向があるのか、まずは都道府県別に、ざっくり眺めてみよう。もしかしたら、土台がフェアじゃないって話もあるかもしれない。

こちらは住民基本台帳人口移動報告から作図したものである。



転入者、転出者に占める外国人の割合というのは、かなりを占めていることは、あまり指摘されていないが、かねてより知る人ぞ知るところである。ざっくり言って1億2千万人中の200万人程度が移動して「人口が増えたの減ったの」と言っているような状況なのである。少なくともこの10年ほどはそういう状況だと思う。
どこの自治体とはいわないけども、外国人の転入がそのまま人口増につながっているという具体的で明確な数字も確認している。

各都道府県別にざっくり見ても、2%に満たない外国人人口が、水色とオレンジで、同じ土俵でグラフ化できること自体、異常な感じがすると思わなければならない。
プラス側に出ているのが、転入超過、マイナス側に出ているのが転出超過である。
東北は総じて日本人が転出していっているが、外国人は転入超の状況にある。一概にはいえないが、外国人に選ばれる東北という印象を抱く。
外国人も日本人も増えているところもあれば、どちらも減少しているところもある。

そして、人口減少、労働力不足、実習生制度と3点セットで語られることも多いのだけど、この社会移動には実習生はほぼ含まれていないはずだ。
そういうことを念頭に置いて眺めてみると、なかなか想像力を掻き立てられる。さて、ざっくりいって、人口移動が生じるのは10代後半から20代前半くらいなものだ。大学進学とかね。
外国人も大学進学なのか?ホントか?うーむ、どうなんだ。
次に年齢別に見てみよう!



んで、このグラフ。小さくてきっと見えないなぁー。
どうしても見たいときは、個別に連絡をいただくか、自分で作図してちょ。公開データなので、誰でも見れますよ。

で、こちらの3つのグラフがあるが、
(1)「日本人が増加、外国人が減少グループ」
(2)「日本人が減少、外国人が増加グループ」
(3)「日本人が減少、外国人も減少グループ」
それぞれ2県ずつ年齢別にグラフ化している。

ざっくり見ると、やはり10代後半から20代後半までの人口移動が大半を占めている状況がわかる。

(1)は千葉県と福岡県だが、千葉県は20~24歳までの年齢層で日本人は非常に増えているが、外国人は転出していっている。25~29歳の年齢層になると、日本人も外国人も転出していっている。

(2)は北海道と群馬県で、15~29歳の年齢層で日本人は転出超過なのだが、外国人は転入超過の状態にある。

(3)は茨城県と広島県で、20~29歳の年齢層で、日本人も外国人も転出超過になっている。
どーなんダ!
市町村単位のデータもあるはずなので、各自治体においては、どうして転出するのか、なぜ転入しようと思ったか、といったことをつぶさに点検した方がいいだろう。手元にデータがあるのだから、それをしないのは自治体の怠慢と指摘されても仕方がないダロー。

基本的な法整備を整えるのは国の責務として当然のことだが、魅力ある地域を作っていくのは自治体であり、地域住民なのだ。
オレっちの地域は日本人にも外国人にも嫌われているらしいとか、外国人には好かれているが日本人には嫌われているようだとか、明白にわかるわけだから、それを施策や地域のネットワーク力に生かしていかない手はないだろう。

そして、これはたまたま外国人と日本人を対比しただけのものであって、障害者だったり高齢者だったり、子育て世代だったり、いろいろチェックできる手立てはあるはずだ。現に子育てに配慮されているということから引っ越ししたという話も聞いたりするダロー。

こういう分析がなされていないということは、なにも、やる気のない役人が多過ぎるという問題ではなくて、社会全般的に自らを楽しめる人間が圧倒的に少なくなってきていることに原因があるようにも思う。
タイトルだけ見て鵜呑みにして怒りまくったり、愚痴を言ったり、正確に読み込んでいこうという基本的な姿勢が失われてしまっている。
(こういうグラフを頼まれもしないのに作ってみたり、仮説を検証していく楽しさを知らない人が多過ぎるってことなんだわ。文句ばかり垂れ流しても何の益もない。)

最後の部分については、また機会を改めて。

マッドマックス的な世界観の様相を呈しているかもしれない自転車の交通事情はどう見られていて実際のところどうなのか。

2018-11-19 20:48:51 | ダイバーシティ
友人のFBフィードに、道路交通上、自転車が危険だという記事が掲載されており、まったくそのとおりだよ!と、自転車通勤者として深く納得したので、もしかしたら、あんまりよく知られていない道交法上の自転車の位置づけについてだ。

一般に、自転車って自由気ままに走っている無法地帯の騎馬民族みたいに思われているんじゃないかって思う。かくいう自分もかつてはそんな感じに走っていた時期もあったかもしれないし、その当時は道交法なんて頭の中にはなかった。道交法ってのは、自動車のためのルールを定めたもので、歩行者を守るもの、あとは一般人にはあまり馴染みのない特殊車両のことを定めた法律といった認識しかなかったと思う。。
まぁ10代のころは、みんなそんな感じなのかもしれない。
けれども毎日30kmも自転車で通勤していると、あまりにマッドマックス的世界観に少々恐怖を感じることもあるので、ちょっと書いてみる(笑)

さて、自転車って、左側通行ってことは知ってるよね。
今、架空の視聴者に聞いてみたところ(笑)、92%くらいは知っているみたいだ。
では、自転車は車道を走るものだって知ってるかなって問いかけてみると、架空の視聴者は(くどいからもう書かない)、32%ってことだ。ジッサイに車道を走っている自転車は、どのくらいの割合かというと、自分の体感だと、たぶん5%以下じゃないかなと思う。車道は危なくて走れないという理由もあると思うけど、道交法上、13歳未満は歩道を走っていいことになっているので、小学校では歩道を走るように指導していると思うし、そのまま中学生になっても高校生になっても歩道を走っているというのが現実ではなかろうか。
まぁ、そのくらい自転車は歩道を走るものだと思われていると思うし、自動車を運転している人も歩行者も、そんなものだと思っていると思う。

じゃ、車道を走るべき自転車が、自動車を追い越すときに、どのように走行すればいいでしょうか?
はい、正解は簡単ですね。自転車も自動車と同じように自動車の「右側」を追い越していくんです。(図を参照。公益社団法人自転車道路交通法研究会引用)



これを知っている人は、自分の体感的には1%を切っているんじゃないかと思う。ジッサイ、自分は自動車の右側を追い越していくこともあるんだけど、「この暴走自転車め!」みたいに思われているに違いないと思う。ほとんど見たことがない。
追突されても困るので、かなり慎重に(振り返って自動車の運転手にアイコンタクトして、手をガバッ開いて『右に行くぞ!』と明確な意思表示をして)追い越していく。

現実的にはどうかというと、多くの自転車は歩道を走行しているので、こうした場面に直面しないが、中には車道を走っていたときに前方に停車車両があると、急に歩道に乗り入れ、追い越し後、また車道に戻るといった乗り方をしている自転車も見受けられる。
歩道に急に入るときにも危ないし、車道に戻るときも同様に危ない。

いったい自転車って何なんだ!ということが、自転車ライダー自身もうまくわかっていないし、歩行者や自動車ドライバーにも理解されていない。
ダイバーシティって、難しそうみたいに思われる理由のひとつに、当該本人の固有のもの、すなわち変更しがたい何事かがあるために、他者に理解が及びにくいということがあるわけだけど、「障害があるから(障害がないから)障害のことを理解されにくい(理解しにくい)」ということではなくて、それぞれの立場を変更できるツールが日常的にいろいろあるわけだから、そうした機会に丁寧に考えてみてほしいノダ。

「この自転車め!」
「この自動車ドライバーが!」

と、いうのではなくて、体験でき、交換できる立場があるのなら、ぜひ、別の立場を体感してみるべきだと思う。
そうすると、いかに自分がご都合主義のエゴに包まれた存在なのか…みたいなことにも気付いてしまっちゃったりするものだから。頼むぜ(笑)

焼け石に水だからっていっても何もしなくていいってことにはならない明確な理由。そんなこと、小学生でもわかるよね。

2018-11-19 20:16:12 | 人口減少社会
そういうわけで、外国人労働力を5年間で30万人オーダーで受け入れたとしても、焼け石に水ってことを認識してもらったわけだけど、なにも、それが無駄だとか、少ないからどうしようもないジャンと言っているわけではない。
256万人というボリュームの外国人が今ここに住んでいるわけなんだわ。
当然、フォローは必要だろう。
京都府が259万人。都道府県別に人口でいうと、京都府は13位になるので、14位以下は、外国人住民総数よりも少ない県になる。人口の少ない県だと、徳島県、高知県、島根県、鳥取県の4県を合算したボリュームに匹敵する。
なので、正しくは、47都道府県中、4県が外国人住民のみで占められているのだけど、年間7万人程度の外国人労働者を受け入れても、それ以上に人口は減少していくということだ。
寒いぜ。
で、そうはいっても4県に匹敵する人口規模があるにも関わらず、生活者ではなくて、「そのうちに帰ってしまう一時滞在者扱い」で、社会保障制度の設計もへったくれもない社会になっているわけだ。
さらに寒いぜ。

そういう外国人がどのくらいのボリュームで増えてきたかというと、図のとおりである。




多文化共生に親しんでいる人なら馴染みのグラフだが、1990年の出入国管理法の改正以降にガンガン人口が増えているのがわかる。急増した時期は、90年、91年、2000年、01年ときて、15年、16年、17年と激しいベクトルの傾きだ。直近の増加の波では年間5万人単位で増加しているベトナム人が顕著だ。
大丈夫か?
在留資格別に見ると、次の図のとおりで、1990年以降増加してきた中国、ブラジルなどなどは永住資格を持つようにシフトしてきている。現在、ネパールやベトナムは永住者は少ないけど、10年経過したら、どうなっているかわからない。



場当たり的で、ほとんど生活者としての制度設計がなされていない現状であっても、これだけの永住化が進んでいるのだ。リーマンショック後、31万人いたブラジル人は17万人まで一気に減少していった事実も受け止めなければならない。

さっさと制度設計しろってことだ。

観光でもなんでもいいが、商品の品質がそなわっていないにも関わらず、それを売りつけるってことは、マイナスのPR効果しかないってことは誰にでもわかることだろう。
詐欺カヨみたいな。
日本ファンはまだまだ潜在的にいるかもしれないけど、商業媒体の情報よりも、ジッサイ日本で住んでみた人が語る情報の方がはるかに信頼されるのは明らかだ。
じゃ、どうすればいいのか。

小学生でもわかるよね。
もしかしたら、国会議員になると急にわからなくなるのかもしれないけどね。

外国人労働者の受入が人口減少社会を迎えた日本社会の特効薬なんていうのは完全に錯覚という現実

2018-11-16 19:35:29 | 人口減少社会
前回の続きみたいなものだ。

外国人雇用状況調査によると、平成29年10月末現在で、約128万人の外国人労働者がいることになっているが、奴隷制度と国際的な非難の声が強い技能実習生が2割、留学生が2割、身分に基づく人(つまり日系人やその家族等)が3割5分、その他2割5分といったところだ。
留学生を労働力としてカウントしている時点でどうかと思うが(資格外活動だから)、ともかくこれが現状だ。
日本の人口は127百万人ほどで、おおざっぱにいって、労働力人口(15-64歳)は75百万人くらいだ。15歳以上が労働力かというと、必ずしもそうではないが、65歳以上の団塊の世代のかなりが労働力人口にカウントされるだろうから、だいたいそんなところで大きくブレるものでもない。
1.28百万人/75百万人は、どのくらいのスケールかというと、1.7%くらいのものだ。1.7%であっても、「もはや外国人労働者がいないと!」といった状況ナンダ。というのが、まずは現状認識。ここはキッチリ押さえておきましょう。特に加工食品を食べている人。中国産の食材がドーノという前に、自分が食べているものを誰が作っているのか考えるべき。

次に、将来的な像をおおざっぱに見ていこう。

日本の労働力人口は、20世紀末にはすでに減少に反転していて、バブルが崩壊してから10年ほどで人間のバブルも縮小に転じているわけだ。
2110年にどうなっているかというと、労働力人口が23百万人、高齢者人口が18百万人で、
若年:労働:高齢 の比率は
1:5:4
くらいになると予想されている。
これはどこにでも出ているものなので、今さら衝撃を受けるようなものでもないが、衝撃的な予測であることには何ら変わりはない。

で、外国人労働者である。
報道にバラツキはあるが、だいたい今後5年間で、外国人労働者を35万人近く受け入れようという目論見のようである。だいたい年に7万人ほどの労働者を増やしていきたいという考えのようだ。
このスケールを確認しておきたい。

現在、日本に在住している外国人住民数は約256万人。
実はこれって、めっちゃ急増してるんだわ。
2016→2017 約18万人 増
2015→2016 約15万人 増
2014→2015 約11万人 増
1.28百万人/2.56百万人はざっくり半分くらいだから、年間7万人ほどづつ外国人労働者を迎え入れたいというのは、おおむね明後日の数字でもない。

ということで、グラフを眺めてみてほしい。



1947年から2110年までの実数と推計値だ。
緑が総人口で、赤が外国人住民数。
2017年までは実数で、それ以降は、年間7万人ずつ外国人人口を乗せて行っている。ジッサイは15万人ずつ乗せるのが正しい推計かもしれないが、労働力人口と対比してみてほしいのだ。
2110年では、
総数 45百万人
若年  4百万人
労働 23百万人
高齢 18百万人
外国  9百万人(外数)
という感じだ。
総数でいうと、5人に1人が外国人。労働者の2人に1人くらいが外国人。という感じ。
うへー、すごい多いジャン。ちゃんと制度設計しろよってことになる。

ただ、このテキストを読む前に、グラフを目にした人は、おおむねこう思うだろう。
「なんだよ、今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れるっていっても、焼け石に水ジャン!」と。
そう、それが正しい認識なのだ。

政府がどーのこーのと言うまえに、まずは自衛を考えるノダ!
自分や家族はもちろん、ご近所さんや、みなさんのネットワークの中で。
私は武士のムスメですとか言っている場合ではない(笑)

いよいよ審議入りなのだが。本気度感じられるか?

2018-11-14 12:32:19 | 多文化共生
全国各都道府県に、産業支援機関というか、中小企業支援センターというか、よろず支援拠点というか、産学官連携支援機関というか、事業引継ぎセンターというか、そうした機能を持っている法人(すべて公益財団法人)がある。
公益財団法人なので、ほとんどが県出資法人で、国費や県費でジャブジャブに浸かっているはずである。たぶん。
ジャブジャブだし、基金は持っていても、果てしなく低金利なので、運用益を活用した自主事業(自己財源)はあまりないと思われる。

ところで、いよいよ国会審議入りの外国人労働者の受け入れ拡大である。
移民かどうかはさておき、ここ数日のメディアの報道を見ていると、「移民」というのは、自然人として生まれてから死ぬまで(場合によっては死んだ後も)日本の法制度の中に組み込まれた存在というニュアンスで捉えられているようだ。「組み込まれる」という言葉に抵抗があるなら、「日本人と同様に制度の適用を受ける」存在ということになる。
生活者として日本人と同様に生活(そして経済活動も)しているにも関わらず、制度的な補完がないから、いろいろな問題やらトラブルが発生するわけで、曲がりなりにも5年や10年、場合によっては永住する権利(もしくは資格)が付与されている以上、制度的な担保がなされてしかるべきだろうと思う。
そうは言っても、滞在年数で線引きするのも難しく、さりとて細かく規定していくと、「こちらは長期滞在から永住コースですね」という在留資格が明々白々になってしまい、「それでは移民の受入ですね、社会保障制度も対応させないといけませんね」みたいなことになって、いまだに日本国は単一民族だと妄信している中高年のオヤジに多いヤカラが鼻息を荒くすることになる。ガオー!みたいな。
日本人が日本で発生して、純粋培養された混じりっけなしの民族だと信じるに足る科学的根拠はどこにもないが。と思う。どうなんよ。

論点は日本人か外国人かということではなくて、単純労働者に日本人と同じ権利を与えていいのか?みたいなところにあるんだろう。下卑てるが。
なにしろ現に、日本版グリーンカードは世界最速レベルで永住権を取得できるともっぱら評判でもあり(最短1年で永住権取得ですから)、そうした高度人材には日本にどんどん永住してもらおうということになっている。
最短1年で永住権が取得できる外国人がいるその一方で、アーでもないコーでもないと、グズグズグズグズやっているのが今話題の外国人単純労働者だ。
気の毒で仕方がない。

法制度がどんなふうに転がっていくのかわからないのだけど、日本に住む在住外国人が急増してやがて30年にもなろうというのだから、「慎重な審議を」とか「拙速な法改正」という意見は、それこそ職務怠慢でしかない。
だって、30年も放置してたんダロ、お前。マジメにやってんのか?
30年間、生まれた子どもを育児放棄してきたって、そりゃネグレクトの範疇を逸脱しているよ。

少なくとも冒頭に書いた産業支援機関が各都道府県にあるわけだから、外国人材の雇用調整まではできなくとも、ニーズのとりまとめや日本語教育や生活支援、場合によっては労基とともに就労環境の調査だってできるんじゃないかと思う。本気になれば。
と、こう書くと、「農林水産業のことはわからんわ」みたいな声も聞こえてきそうだけど、農商工連携とか農福連携とか言ってるダロ、お前。
本気出せ。