多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

水谷修さんの講演会を富山で開催するの巻

2019-08-23 20:01:24 | ダイバーシティ
富山で自殺予防はじめ、いろいろな生きづらさにフォーカスし、寄り添い合える社会の構築を呼びかけているとやまcocolo会主催で、水谷修さんの講演会を開催するとのことです。

日時:2019年9月28日13:30-
場所:サンシップとやま

詳しくは、とやまcocolo会のHPや、こくちーずから。

今年もやります。とやまcocolo会主催「ここサポ」です。

2019-05-30 18:58:35 | ダイバーシティ

 

つながろう こころとcocoloのプロジェクト2019

こころのサポーター養成講座【全6回の申込はこちらから】

大切なひとに、たったひとつの命に寄り添いたいから。
さまざまな生きづらさを見つめなおし、誰もが暮らしやすく、笑顔で生きることができる社会について、考えてみませんか。

会場/サンシップとやま
富山市安住町5-21

定員/20名
全6回を受講していただける方を優先受付いたします。

お申し込み/とやまcocolo会HPの参加申込フォームまたはメール

講座の開催時間は、各回とも13時30分から16時まで。
全体ファシリテーター:一般財団法人ダイバーシティ研究所/客員研究員/柴垣 禎 氏

第1回 7/6(土)サンシップとやま704
「うつ病への理解と周囲の関わり方」
講師:小矢部大家病院/院長
渡辺 多恵 氏
内容:近年、うつ病をはじめとした心の病を患う人が急増する中、誰もが罹患する可能性のあるうつ病とは。その原因や症状、周囲の関わり方を学び、うつ病を未然に防止することや社会復帰について考えてみます。

第2回 7/20(土)サンシップとやま604
「いのちの重さを見つめ続けた18年~むすめが教えてくれたこと~」
講師:グリーフパートナー歩み/代表、精神対話士
本郷 由美子 氏
内容:大阪教育大学附属池田小学校事件で娘を奪われた喪失体験を「人を支える力」に変えたものとは。対話を通じて傷ついた人と寄り添うことから、一歩踏み出し、支えあう社会の必要性を見つめていきます。

第3回 8/3(土)サンシップとやま604
「多文化共生とは~在住外国人の視点から見える地域社会の課題~」
講師:NGOダイバーシティとやま/代表理事
宮田 妙子 氏
内容:外国人労働力の必要性が増す日本社会。一方で在住外国人は多くの困難に直面していますが、その原因の多くが地域社会の課題でもあります。地域に住む外国人の視点から共生社会を考えてみます。

第4回 8/17(土)サンシップとやま604
「ひきこもり~関わり合うすべての当事者のみなさんへ~」
講師:富山県ひきこもり地域支援センター/相談員
森田 頼子 氏
内容:数多くの相談事例から、ひきこもりとは本人だけでなく関わり合う社会や環境の問題とも考えられます。本人や環境が変化していく様子から、ひきこもりを作ってしまう社会について考えてみます。

第5回 8/31(土)サンシップとやま704
「多様な個性が輝く社会に向けて~くるみの森の挑戦~」
講師:社会福祉法人くるみ/理事長
岡本 久子 氏
内容:児童発達支援や放課後等デイサービスを通じて、必要な「サービス・人・しくみ・地域・価値」をつくり続ける「くるみの森」。そこから共生社会の実現に必要な活動について考えてみます。

第6回 9/14(土)サンシップとやま704
「素直な心がつくる人間関係~感謝の気持ちを発見する方法~」
講師:北陸内観研修所/臨床心理士
貫井 信恵 氏
内容:ごく普通の社会人である私。特別な病気などがあるわけでもない。でもどうしても人間関係がギクシャクしてしまうことがあります。自分自身の心に向き合うことから見えてくることを考えてみます。

講師の都合により内容が変更となる場合がありますので、あらかじめご容赦願います。

この事業は令和頑年度富山県自殺対策民間団体等取組強化事業として実施しています。


富山県内で活動するDV防止活動関連の補助金情報です。

2019-04-25 14:35:02 | ダイバーシティ
詳しくはこちら。
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1017/kj00008000.html補助対象事業は、
(1)DV被害者自立支援事業
 [事業例]
  ・同行支援
  ・自助グループ運営
  ・相談・カウンセリングの場の立ち上げ、運営
  ・技術習得講習会の開催
  ・就職のための研修開催  など

(2)DV防止活動推進事業
 [事業例]
  ・各種団体の研修会への講師派遣
  ・DV防止出前講座の実施
   (中学校、高校で実施されるものを除く。) など

補助金は
補助事業(県補助率2/3、補助限度額160千円)


お問い合わせはこちら
富山県 少子化対策・県民活躍課 女性活躍・働き方改革推進班 電話:076-444-3137

富山県内で活動する子ども食堂関連の補助金情報です。

2019-04-25 14:15:15 | ダイバーシティ
詳しくはこちら。というか市町村担当課へ。
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1201/kj00017693-001-01.html

補助対象事業は、
(1)年間で24回以上実施し、計画的に運営すること。
(2)子どもに、無料又は材料費の実費程度の負担で栄養バランスのとれた食事の提供を行うこと。
(3)食事提供だけでなく、ア 子どもの交流活動、イ 子どもの体験活動、ウ 子どもの学習支援 等の子どもの居場所づくり活動を併せて行うこと

補助金は
〈補助基準額〉1箇所当たり20万円
〈補助率〉県1/2 市町村1/2


お問い合わせはこちら
富山県 厚生部 子ども支援課 青少年係 電話:076-444-3136

出入国法改正法案の可決は日本経済沈没化へのトリガーを引いてしまうのかを語ってみると。

2018-12-14 00:00:00 | ダイバーシティ
NGOダイバーシティとやまでの講座である。


詳しくは、上記HPに記載のとおりなんだけど、先日から掲載しているグラフ画像などを使っての解説なわけだ。

大丈夫かおい。

ごく簡単にいうと、人口減少が進んで高齢化が進んで少子化が進むってことは、いわば背水の陣的なチャンスなわけ。
いやでも業務を効率化し、技術革新して、徹底した合理化を図り、経済全体がイノベーション改革を起こしていかないといけないわけ。
それをですよ、疲労困憊してるから、ひねりだせる金も知恵もない。だから安い労働力で、なんとかこの場をしのぎたいって意図が見え見え。
ここを乗り切れないで、10年後20年後の苦境を乗り切れるわけがない。
ダメージが大きくなるばかりだから、そういう業界は一斉に規模を縮小したほうが今後のためになる。
安いものがあり余ってるからインフレにもならないし、購買意欲もわかないし、いいものを作ろうという気概も育たない。よくないことだらけだ。

ということで、このチャンスに乗り切れなければ、次のビッグウェーブでは沈没必至。覚悟を決めて今の波に乗ってしまうノダ!

マッドマックス的な世界観の様相を呈しているかもしれない自転車の交通事情はどう見られていて実際のところどうなのか。

2018-11-19 20:48:51 | ダイバーシティ
友人のFBフィードに、道路交通上、自転車が危険だという記事が掲載されており、まったくそのとおりだよ!と、自転車通勤者として深く納得したので、もしかしたら、あんまりよく知られていない道交法上の自転車の位置づけについてだ。

一般に、自転車って自由気ままに走っている無法地帯の騎馬民族みたいに思われているんじゃないかって思う。かくいう自分もかつてはそんな感じに走っていた時期もあったかもしれないし、その当時は道交法なんて頭の中にはなかった。道交法ってのは、自動車のためのルールを定めたもので、歩行者を守るもの、あとは一般人にはあまり馴染みのない特殊車両のことを定めた法律といった認識しかなかったと思う。。
まぁ10代のころは、みんなそんな感じなのかもしれない。
けれども毎日30kmも自転車で通勤していると、あまりにマッドマックス的世界観に少々恐怖を感じることもあるので、ちょっと書いてみる(笑)

さて、自転車って、左側通行ってことは知ってるよね。
今、架空の視聴者に聞いてみたところ(笑)、92%くらいは知っているみたいだ。
では、自転車は車道を走るものだって知ってるかなって問いかけてみると、架空の視聴者は(くどいからもう書かない)、32%ってことだ。ジッサイに車道を走っている自転車は、どのくらいの割合かというと、自分の体感だと、たぶん5%以下じゃないかなと思う。車道は危なくて走れないという理由もあると思うけど、道交法上、13歳未満は歩道を走っていいことになっているので、小学校では歩道を走るように指導していると思うし、そのまま中学生になっても高校生になっても歩道を走っているというのが現実ではなかろうか。
まぁ、そのくらい自転車は歩道を走るものだと思われていると思うし、自動車を運転している人も歩行者も、そんなものだと思っていると思う。

じゃ、車道を走るべき自転車が、自動車を追い越すときに、どのように走行すればいいでしょうか?
はい、正解は簡単ですね。自転車も自動車と同じように自動車の「右側」を追い越していくんです。(図を参照。公益社団法人自転車道路交通法研究会引用)



これを知っている人は、自分の体感的には1%を切っているんじゃないかと思う。ジッサイ、自分は自動車の右側を追い越していくこともあるんだけど、「この暴走自転車め!」みたいに思われているに違いないと思う。ほとんど見たことがない。
追突されても困るので、かなり慎重に(振り返って自動車の運転手にアイコンタクトして、手をガバッ開いて『右に行くぞ!』と明確な意思表示をして)追い越していく。

現実的にはどうかというと、多くの自転車は歩道を走行しているので、こうした場面に直面しないが、中には車道を走っていたときに前方に停車車両があると、急に歩道に乗り入れ、追い越し後、また車道に戻るといった乗り方をしている自転車も見受けられる。
歩道に急に入るときにも危ないし、車道に戻るときも同様に危ない。

いったい自転車って何なんだ!ということが、自転車ライダー自身もうまくわかっていないし、歩行者や自動車ドライバーにも理解されていない。
ダイバーシティって、難しそうみたいに思われる理由のひとつに、当該本人の固有のもの、すなわち変更しがたい何事かがあるために、他者に理解が及びにくいということがあるわけだけど、「障害があるから(障害がないから)障害のことを理解されにくい(理解しにくい)」ということではなくて、それぞれの立場を変更できるツールが日常的にいろいろあるわけだから、そうした機会に丁寧に考えてみてほしいノダ。

「この自転車め!」
「この自動車ドライバーが!」

と、いうのではなくて、体験でき、交換できる立場があるのなら、ぜひ、別の立場を体感してみるべきだと思う。
そうすると、いかに自分がご都合主義のエゴに包まれた存在なのか…みたいなことにも気付いてしまっちゃったりするものだから。頼むぜ(笑)

災害時における避難所運営の難しさ

2018-09-13 16:16:22 | ダイバーシティ
今日はこちらのページをご紹介します。
人道的な避難所設営と運営を」というNHK解説委員室のページになります。
2018年06月25日 (月)の記事になります。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/299804.html

まずはエキスとなる部分を抜粋してみます。
-----ここから-----
国連は紛争や災害後であっても被災者や難民が人間的に安全に生活できる権利があることを明確に認めています。
これを実現するため国際赤十字や人道援助を行っている世界中のNGOが集まって1997年より地球規模で行うという意味で、スフィアプロジェクトという活動が開始されました。スフィアプロジェクトでは人道的な避難所運営のための行動理念と基準そして場所・物資などについての最低基準を明文化しました。
この避難所の最低基準がスフィア基準と言われているものです。これは発展途上国を含めた全世界の災害被災者および難民の人権を守るための最低基準です。
しかし日本の避難所ではその基準を満たしていないものがたくさんあるのです。
-----ここまで-----

と、ここからは日本の災害時における避難所でのトイレの設置基準が引用され、日本政府はもっと深く理解し、反省して改善すべきとしています。
こちらの衝撃的な写真が掲載されており、日本の避難所は85年前と同じ景色と紹介されています。
いつの間にか、私たちの意識の中に、災害時の避難所は「劣悪な環境」であることが当たり前と刷り込まれているようです。

日本の避難所の設営、運営が基礎自治体である市区町村に任されている一方で、イタリアでは1980年のイルピニア地震を受けて、自治体中心の災害対策から市民保護の国家機関を設立し、国が直接関与する体制に移行させたことや、アメリカでは国土保障省や緊急事態管理庁FEMA、英国には国土安全保障省、EU諸国にも市民保護省があります。
一方で、日本ではかつて、寺田寅彦(東京帝国大学の物理学者で東大地震研究所所にも所属)が、昭和初期から災害、天災は国難であって、国防と災害対策は国が行うべきと主張されていたことも紹介されています。
ということで、「日本政府はもっと深く理解し、反省して改善すべき」ということに再びつながっていくわけです。

そして、2009年に発生したイタリアのラクイラ地震では仮設トイレが発災当日に届き、暖かい夕食が当日夜に供与されたことを例にあげ、この理由を3つ明示しています。

(1)法律で避難所には48時間以内にテントやベッド、仮設トイレや食堂などを準備し提供しなければならないことが明記してあること
(2)支援物資が大量に備蓄されていること。このための大きな備蓄倉庫が各州にあり、さらにボランティア団体にも備蓄倉庫があること
(3)災害支援物資を運搬・配布する職能支援者が多数いること

国が先導しているからこそ実現可能ということです。
このことを受けて、日本の避難所環境改善のために必要なこととして、次の2つのことを提言しています。

(1)災害救助法など災害関連法の見直しと改訂
(2)職能支援者組織の構築と国による統括

1つめの理由は明確です。国主導へと法改正を行っていくことです。必要な備蓄や仮設トイレや簡易ベッドの数を明文化することで、48時間以内に必要な設備を整えていくことになります。

2つめには、日本では聞きなれない「職能支援者」という単語が出てきます。
こちらについて、少し詳しく触れています。

-----ここから-----
職能支援者とは職業を持った一般住民です。災害支援活動を希望して、あらかじめ災害時の対応訓練を受けてから国に登録している人々です。職能支援者は被災地で自らの職業を行います。たとえばコックさんは料理を作る、運転手はトラックを運転するなどです。また職能支援者には被災地までの交通費が国から支払わられ、日当も支給される場合があります。さらにイタリアでは登録している職能支援者に被災地へ行くように連絡があった場合には、雇用者はそれを拒否できない法律もあります。このようにしてイタリアでは災害時に支援する300万人近い登録された職能支援者がいます。
日本でもこのような仕組みが早急に必要です。なぜなら首都直下地震や南海トラフ地震などでは圧倒的に災害支援者が不足するからです。熊本地震と同じだけの支援を行おうとすると警察・消防だけでも400万人以上必要という試算もあり公務員だけでは現実的に不可能です。
-----ここまで-----

災害時の現場を見ていると、すべての避難所に公務員が張り付いていないという現実もあります。学校の教員が自主的に避難所運営を手伝っている例もありました。
また、必ずといっていいほど、他の自治体から公務員が派遣され、場合によっては、かなり長期的に派遣され続けているという例もあります。
明らかに、基礎自治体だけで災害時対応していくことは、とても不可能であることは、すでに自明のことです。

最後に、避難所運営についての人道的配慮について触れられています。

-----ここから------
最後に避難所の運営側への人道的配慮について考えたいと思います。日本では家族が行方不明になるなかで公務員が住民のために無理して働くことが美談とされているところがあります。しかしこれは被災地の公務員も一人の被災者であると考えた場合に人道的に許されることなのでしょうか。家族を気遣い、行方不明の家族を探すことを認める人道的な配慮が必要なのではないでしょうか。残念ながら日本で今の災害対策を続ける限りこのようなことは続くと思われます。イタリアでは前述したように国が中心となって被災地以外から市民保護省と職能支援者が来て避難所を設営し運営します。もちろん被災地の公務員も協力しますが、日本のように被災地の公務員が中心になって避難所運営することはあり得ません。
-----ここまで-----

この記事では、法を改正して国に災害対策専門省庁を設置すること、職能支援者組織の構築が、人道的な避難所運営の唯一の方法とまとめています。
ただ、私はそれにはもっと根深い背景があると考えています。
国民所得と国民負担率、社会保障制度、行政の肥大化と国民の行政に対する無関心、地域住民同士やボランティア活動の低調など、さまざまな問題が、ほどけることなく複雑に絡み合っていると考えられます。
国に災害対策専門省庁を設置することは必要でしょうが、現状のままだと、国に丸投げして、すべての責任は国に押し付けられるでしょう。職能支援組織もすぐに機能するとは考えにくいです。

とやまcocolo会人材バンク研修のお知らせ

2015-08-27 20:16:55 | ダイバーシティ
とやまcocolo会では、こんまり流の片づけメソッドを学ぶ研修会を開催します。

日時:10月25日13時半~16時半
場所:サンシップとやま602
講師:一般社団法人日本ときめき片づけ協会/理事長/安藤貢さん
テーマ:「こころに効く!こんまり流片づけメソッド」

お申し込みは、とやまcocolo会のHPもしくは
shibagaki.tadashi@gmail.com(柴垣)まで。

残業なし正社員=りそなHD、10月導入

2015-07-06 20:16:47 | ダイバーシティ
(以下、時事通信から転載)
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残業なし正社員=りそなHD、10月導入
時事通信 6月23日(火)1時0分配信

 りそな銀行などを傘下に持つりそなホールディングス(HD)が10月から、残業を原則しない新しい正社員制度を導入することが22日分かった。育児や介護といった個人の事情に応じた柔軟な働き方を可能にすることで、優秀な人材の確保につなげる。りそなHDによると、同様の人事制度は大手行で初めてという。
 新たに導入するのは、「スマート社員」制度。時間外勤務をしない正社員は、賞与こそ通常の正社員の7割程度とするが、業務範囲は限定せず、基本給や昇進も区別しない。このほか、時間外勤務はするが、部署異動をしない正社員制度も始める。 

最終更新:6月23日(火)1時0分

93歳寂聴さん、国会前「命懸け」スピーチ

2015-06-22 22:03:21 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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93歳寂聴さん、国会前「命懸け」スピーチ

2015年6月19日 朝刊


国会前で行われている抗議行動に参加し、安保法案反対を訴える瀬戸内寂聴さん=18日午後、東京・永田町で
写真
 死を覚悟した訴えが、国会前に響きわたった-。十八日夜、東京・永田町の国会議事堂近くで繰り広げられた安全保障関連法案に反対する抗議行動に、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)が参加した。すぐれない体調と高齢を押して駆け付けた「命懸け」のスピーチは、主催者発表で二千人以上集まった参加者の心に深く刻み込まれた。 
 「どうせ死ぬならここに来て、『このままでは日本はだめだよ』と申し上げて死にたかった」。法衣姿の寂聴さんが車いすから立ち上がり、国会議事堂裏の歩道で語り始めると、抗議行動に集まった人たちからどよめきが上がった。
 背骨の圧迫骨折や胆のうがんなどで昨年五月から療養生活に入り、ほとんど寝たきりだった。今年四月には法話を再開したが、完治にはほど遠い。
 一九二二年に生まれ、太平洋戦争末期の空襲では母親と祖父を亡くした。自著で「戦争の生き残り老人は、嫌われてもののしられても、戦争反対を言い続けなければならない」と記すなど、戦争を憎む思いは人一倍強い。九一年の湾岸戦争、二〇〇一年の米アフガニスタン攻撃の際には断食も決行した。
 「良い戦争は絶対ない。すべて人殺しだ」。この日も、反戦を訴える舌ぽうは衰えをみせなかった。約五分のスピーチを終えると、参加者たちは「ありがとう」と声を上げた。
 抗議行動への参加を決意したのは二日前の十六日。スピーチ後、会見した寂聴さんは「年寄りを集めて国会前に座りたかった。必ず冷えて三人や四人は死ぬ。あなた方(報道陣)はほっとけないから大騒ぎする」と冗談めかして振り返った。
 今の状況は開戦に向かっていた当時の日本の雰囲気に似ているという。「表向きは平和だが、すぐ後ろの方に軍靴の音が続々と聞こえている。そういう危険な感じがする」
 療養中も法案をめぐる国会論議に注目していた。「このまま安倍晋三首相の思想で政治が続けば、戦争になる。それを防がなければならないし、私も最後の力を出して反対行動を起こしたい」と決意を語った。
 参加者からは感激の声が相次いだ。東京都小平市のNPO法人役員保坂みどりさん(63)は「あの年齢で、命を懸けて来てくださるなんて。すごく勇気をもらった」と声を弾ませた。
◆国会前スピーチ要旨
 瀬戸内寂聴です。満九十三歳になりました。きょうたくさんの方が集まっていらっしゃったが、私よりお年寄りの方はいらっしゃらないのではないか。去年一年病気をして、ほとんど寝たきりだった。完全に治ったわけではないが、最近のこの状態には寝ていられない。病気で死ぬか、けがをして死ぬか分からないが、どうせ死ぬならばこちらへ来て、みなさんに「このままでは日本はだめだよ、日本はどんどん怖いことになっているぞ」ということを申し上げて死にたいと思った。私はどこにも属していない。ただ自分一人でやってきた。もし私が死んでもあくまでも自己責任だ、そういう気持ちで来た。だから怖いものなしです。何でも言って良いと思う。
 私は一九二二年、大正十一年の生まれだから、戦争の真っただ中に青春を過ごした。前の戦争が実にひどくって大変かということを身にしみて感じている。私は終戦を北京で迎え、負けたと知ったときは殺されると思った。帰ってきたらふるさとの徳島は焼け野原だった。それまでの教育でこの戦争は天皇陛下のため、日本の将来のため、東洋平和のため、と教えられたが、戦争に良い戦争は絶対にない。すべて人殺しです。殺さなければ殺される。それは人間の一番悪いことだ。二度と起こしちゃならない。
 しかし、最近の日本の状況を見ていると、なんだか怖い戦争にどんどん近づいていくような気がいたします。せめて死ぬ前にここへきてそういう気持ちを訴えたいと思った。どうか、ここに集まった方は私と同じような気持ちだと思うが、その気持ちを他の人たちにも伝えて、特に若い人たちに伝えて、若い人の将来が幸せになるような方向に進んでほしいと思います。