(以下、Benesseヘッドラインから転載)
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外国人留学生が3年連続で減少 東京五輪までに大学のグローバル化で増やせるか
2014/04/30 08:00
外国人留学生が3年連続で減少 東京五輪までに大学のグローバル化で増やせるか
日本社会のグローバル化とは、日本人が海外に出て活躍することだけに限らない。多くの外国人が日本に留学してくるのを促進することも必要だ。日本学生支援機構によると、日本への留学生は3年連続で減少している。東京五輪を控え、2020(平成32)年度までに外国人留学生数を30万人に増やすという政府の計画について、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に話を伺った。
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日本学生支援機構の調査結果では、13(同25)年5月1日現在、日本の大学・大学院、短大、専門学校などで学んでいる「留学生」(日本語学校など日本語教育機関に在籍する者を除く)は13万5,519人で前年度より2,237人(1.6%)減少しました。かつて日本への留学生数は年々増加傾向を続け、10(同22)年度には14万1,774人とピークを記録しました。しかしその後、3年連続で減少が続いています。
政府は、「留学生30万人計画」として2020(平成32)年度までに外国人留学生数を30万人に増やすことにしています。一方、政府の教育再生実行会議は昨年5月の第3次提言で大学教育のグローバル化を打ち出し、今後10年間で世界大学ランキング100位以内に日本の大学を10校以上ランクインさせるよう提言しました。大学ランキングはグローバル化の度合いが評価に大きく影響するため、留学生数の拡大が不可欠です。
ただし、現在の外国人留学生の状況では、2020(平成32)年度までに30万人計画を達成することはかなり難しそうです。留学生は高度な知識や技術へのニーズだけでなく、その国に対する興味や憧れがなければやってきません。留学生を増やすには外国人が暮らしやすい社会、外国人が来てみたいと思う国であることが必要です。どんな国・地域からどれだけの留学生が集まるかは、社会のグローバル化の度合いを映す鏡なのかもしれません。