多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

「外国人働きやすく 法改正で雇用届け出義務化」

2007-09-28 10:44:55 | 多文化共生
(北日本新聞記事2007年09月28日)

 県内で外国人労働者が増える中、富山労働局は雇用実態の把握に乗り出す。改正雇用対策法が十月一日から施行されるのに伴い、外国人を採用したり、解雇したりする場合、企業はハローワークへの届け出が義務付けられる。届け出を基に、外国人労働者が適正な条件で働けるよう指導し、環境の改善につなげる。

 これまで企業には、外国人雇用について届け出の義務はなかった。富山労働局は、従業員五十人以上の企業を中心に、任意に届け出を求めていたが、五十人未満の中小企業も外国人労働者を受け入れており、人数や労働条件など実態がよく分からない側面があった。

 例えば、県内企業で働きながら技術を習得する外国人技能実習生は、国際研修協力機構富山駐在事務所によると、十二月末集計で平成十七年が千四百七十五人、十八年が千九百二十人。これに対し、富山労働局は十七年度が八百七十七人、十八年度が千二百二十二人と把握しており、六百-七百人の差がみられる。

 改正雇用対策法施行後は、正社員や実習生など契約形態は問わず、各企業がすべての外国人の雇用、離職について届け出が必要となる。氏名や生年月日をはじめ、外国人登録証明書やパスポートで在留資格、期限も確認しなければならない。確認しなければ、罰金三十万円が課せられる。

 さらに、外国人実習生について、富山労働局が十八年に三十三の事業所を調べたところ、最低賃金違反や長時間の時間外労働などで指導したケースが、前年より八件増え二十五件あるなど、企業の労働関係法令違反は増加しており外国人を取り巻く労働環境は厳しいのが現状だ。

 一方、環境整備への意識が高い企業も増えている。富山市向新庄町の東洋電子工業(西崎一雄社長)は、四年前から中国人技能実習生を採用。西崎社長は「雇用保険加入や寮の設置など働く環境に配慮している。実習終了後も中国の合弁会社で雇い、技術を発揮してもらっている」と話す。

 富山労働局は、労働条件の明示や労働時間の適正な管理、再就職支援などを浸透させる考えで、正社員のほか、派遣、請負労働者の環境も改善していく。

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 今後は、企業における社会的責任はますます重要になってくるだろうと思われる。ダイバーシティ研究所では、CSRとダイバーシティ戦略に取り組んでいる。そのHP(http://www.diversityjapan.jp/index.html)には、
 CSRとは、「社会と共生する」意思の実践である、と定義している。ただ、CSRをコンプライアンスや不祥事対応だけで考えるとリスク管理的発想になってしまう。CSRの考え方は、「企業が持続可能ならいい」というのではなく、社会が持続可能性でないといけない。社会全体の持続可能性、共生の実践を見ていく考え方である。
 昔は、物を作ることや税金納税も社会貢献とされていたが、今は時代が異なる。社会課題に取り組みながら実践することで、社会から支持される組織になっていく。それをしない会社はCSRをやっている会社とはいえないくらいになってきている。
 と、紹介されている。似たような事例として、地元の企業が資金を募り、外国人学校を支援しているといった例もある。外国人学校は民間経営となるため、授業料が高額となるのが一般的である。これを解消しようというものである。
(スズキ株式会社HPよりhttp://www.suzuki.co.jp/release/d/d050323.htm)

「外国人の子ども集まれ とやま国際センター、来年 射水に支援施設」

2007-09-15 09:37:46 | TOYAMAな多文化共生
(北日本新聞2007年09月14日)

◇外国人の子ども集まれ とやま国際センター、来年 射水に支援施設

 とやま国際センター(富山市牛島新町)は来年度、外国人登録者の割合が県内自治体で最も多い射水市で、外国人の子どもを支援し、地域で暮らしやすくするための「多文化こどもサポートセンター」を開設する。運営を手助けするサポーターを広く募集し、外国人の子どもと遊んだり、簡単な日本語を教えながら、外国人の子どもが住み良い地域づくりを目指す。

 サポートセンターの開設は、本年度から三年計画で進めている「外国籍子どもサポートプロジェクト」の一環。とやま国際センターは今年八月、推進母体となる射水多文化共生推進会議を設立。県や射水市、同市教委などが参加し、開設に向け準備を進めている。

 計画では、同市内の公民館などを活用し、五カ所のセンターを開設。竹馬やメンコなど日本の遊びを一緒にしたり、学校の宿題を手助けするなどして外国人の子どもが楽しく暮らせる環境を整える。各小中学校にチラシを配布し、日本人の子どもも含め利用を呼び掛ける。

 開設に向け、十一月十八日には射水市橋下条公民館(小杉)で「こどもたちの交流会」を開いて手応えをつかむほか、アンケート調査で外国人の子どもの実態を把握し、運営に生かす。

 併せて、多文化共生の必要性を理解しているサポーターを公募。十月に射水市中央図書館(小杉)で四回にわたって無料の養成講座を開き、知識を得た上で運営に協力してもらう。

 とやま国際センターの中村則明主任は「外国人と日本人の子どもたちが理解し合えれば一石二鳥。多くのサポーターに協力してほしい」と話している。

 問い合わせやサポーターへの応募は、同センター、電話076(444)2500。

◇共生社会づくり急務 「登録者数」県内でも増加

 外国人登録者数は、県内外を問わず増加傾向が続く。平成二年の入管難民法改正で、日系ブラジル人や、研修・実習制度で来日する中国人が増え、外国人が地域の一員として安心して暮らせる「共生社会」づくりが急務となっている。

 とやま国際センターによると、平成十八年末の国内外国人登録者数は二百八万五千人で、この十年間で一・五倍になった。県内は十八年末、人口の約1・3パーセントに当たる一万四千八百九十一人。射水市では十八年五月現在、中古車販売業を営むパキスタン人や、ブラジル人ら、市人口の約1・8パーセントの千六百八十二人が暮らす。

 同市は県内自治体で最も外国人登録者の比率が高く、日本語の指導が必要な子どもの数も高岡市に次いで二番目に多い。同センターは、射水市をモデルケースと位置付け、将来的に各自治体にサポートセンターのノウハウを提供する考えだ。

 地域の外国人住民が一般的になる中、生活相談や他言語によるラジオ放送など、外国人の隣人を支える活動が始まっているが、子どもたちには言葉の不自由による不登校や学校嫌いになるケースもあり、一層の支援策が必要となっている。