多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

ゼロから 日本語 桜咲く  戸田翔陽高の小杉さん

2010-02-26 09:17:59 | 多文化共生
(以下、読売新聞【埼玉】から転載)
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ゼロから 日本語 桜咲く  戸田翔陽高の小杉さん
来日3年 早大進学  「メーク文化、中国に」夢へ一歩

 県立戸田翔陽高の小杉遥さん(20)は、日本語がほとんど分からないまま、中国から来日、帰化した。語学の習得、関心を持った新聞記事のスクラップ、猛烈な勢いで吸収を続け、3年が過ぎた。県内の公立高校から間もなく総勢3万8000人の高校3年生が巣立つ。小杉さんは早大に進学する。すでに「日本のメーク文化を中国の女性たちに広げる仕事」という明確な目標も持つ。

 当初はひらがなしか知らず、話せるのは「こんにちは」と「ありがとう」ぐらいだった。来日したのは2007年3月、高校2年生。中学生の時、母親(46)が日本人男性と結婚し、埼玉県に移住。祖父母と暮らす上海で、インターネットなどを通じて日本の音楽や文化に興味を募らせていた。
「みんな親切で優しくしてくれた」と話す小杉さん。春から念願の大学生だ(戸田翔陽高で)

 戸田翔陽高の編入試験を受けた。国語は歯が立たなかったが、数学と英語がずば抜けていた。電子辞書を手に、友達や、県派遣の指導員から日本語の文法などを必死に学んだ。1年ほどすると、教壇に立つ先生の冗談を同級生と一緒に笑えるようになった。

 外国語指導助手に依頼し、授業前に英語の個別指導を受け、慣れない古文も「面白い」と感じるようになった。中国にはない文化祭も心から楽しんだ。

 小杉さんが関心を抱いたのは学校生活だけではない。環境問題や政治を中心に、気になった記事の切り抜きをファイルにとじ、社会にアンテナを向け続けた。

 最大の興味はメーク。街を歩く女性たちが化粧をしている。中国で目にしたこともない光景だ。「どうして化粧をするのだろう」と調べるうち、傷やあざに施すリハビリメークの存在も知った。「中国の人にも自分を美しくする化粧、心をいやすメークを伝えたい」との夢を抱くようになった。1年前、帰化した。

 3年生1学期の面談で、担任の遠井昌人教諭(34)は驚いた。小杉さんは、志望大学の入試の日程や内容をまとめ、持参していた。

 掃除をする小杉さんに「ありがと」と声を掛けると、「何で先生が生徒にそんなことを言うんですか」と不思議がる。ある大学が不合格だった際には「応援してくれたのに申し訳ない」と涙を浮かべる。「自分というものをすごく持っているのに、自分だけにとらわれず、感謝の気持ちを持っている」と遠井教諭は言う。「実は『彼女のようになりたい』とあこがれる後輩もいるんですよ」

 志望した早大国際教養学部のAO入試の面接では、メークの仕事に対する思いをぶつけ、合格した。「ここまで自分一人じゃ何もできなかった。たくさんの人が応援してくれたお陰」。大学では、英語以外の外国語、ビジネス分野の勉強にも挑戦したいという。在学中、通訳ボランティアも買って出ていた小杉さん。遠井教諭は「世界に羽ばたく人材に」と期待している。
(2010年2月26日 読売新聞)

実は離職率の高いインド人、日本企業はどう対応するべきか?

2010-02-26 09:17:23 | 多文化共生
(以下、東洋経済新聞から転載)
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実は離職率の高いインド人、日本企業はどう対応するべきか? - 10/02/25 | 16:40


 ITの能力に優れたインド人を雇用する日本企業は増え続けている。日本企業が成長していくためには、インド人エンジニアをうまくマネジメントしていくことが重要だ。

 そこで、インドビジネスに詳しい株式会社ネクストマーケット・リサーチの須貝信一代表取締役に、日本企業がインド人を雇用する場合のポイントを聞いた。同社はインド、南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティングなどを行っている。

――日本には独特の雇用慣行やビジネス習慣がありますが、インド人スタッフの雇用管理で気をつけるべきところはありますか。

須貝氏 インド人は欧米式のビジネス習慣に慣れています。日本的な雇用慣行である「終身雇用」や「年功序列」にはなじめないでしょう。インド人に限らず、外国人には理解しづらいと思います。
 
 インド人は植民地時代に作られた英国式の義務教育システムのなかで育ち、欧米式のビジネス教育を受けています。特に年功序列は「遅い昇進システム」とも呼ばれ、自発的に行動できる社員、優秀な社員がやめてしまいがちです。

 ただでさえインド人は離職率が高いことで知られていますが、「長年勤務しても正当に評価されるとは限らないリスク」を抱えながら労働し続けることは、経済合理性を重視するインド人にはまったく向いていないと思います。インドでは一般的に成果主義です。

■離職率の高さを嫌ってインドから撤退
 
――インド人スタッフの離職率は高いのですね。

 そうなんです。解雇すると元従業員による訴訟が起きたりするのに、離職率は高い、というのがインドの労働市場の特徴です。

 今、世界中の企業がインドに進出していますが、その一方でインドから撤退していく企業もあります。そういった企業の撤退理由の一つとして「高い離職率」があります。特に幹部クラスの離職は、いろいろなリスクもはらんでいます。

 優秀な人にといっては売り手市場ですから、余計に離職率が高くなります。高給を提示してくる外資系企業や海外にいってしまうからです。ヘッドハンティングも珍しいことではありません。

 一方、企業と労働者の相性がよければ20年、30年勤続ということもよくあることです。

 日本にいるインド人IT技術者から話を聞くと、「今後もずっと日本の今の会社にいるかはわからない。欧米企業にいくいことも考えている」「インドに戻ると思う」と次のステップアップに欧米やインド企業への転職を意識している人も少なくありません。日本語をある程度覚えつつある人でもそうです。

 「今の会社でずっと働く」という意識は希薄です。また、転職ではなく独立する人も多く、日本でIT技術者として活躍した後、インドに帰国し、日本向けにビジネスを開始する方も増えています。

 話がそれますが、日本企業を相手にビジネスしていたインド現地のベンチャー企業が、金融危機のときにバタバタと倒産したという話も聞きました。それだけチャレンジ精神が旺盛かもしれません。経済が元気でチャンスもリスクもあふれているということも離職率の高い原因かもしれません。

■労働者側の権利意識が非常に強い

 そのほかの理由としては、歴史的背景があります。
 
 インドでは新経済政策に移行する1990年代初頭まで社会主義との混合型経済運営を行っていましたので、労働者側の権利意識が非常に強いことで知られています。

 経営側と労働側は対立することが多く、労働争議は過激、雇用契約では「主張しないと損」と考えるのが普通です。「企業に依存したくない」という思いや忠誠心の低さが伝統的にあると思います。

 また、待遇の問題では、やはり給与に関することでしょうか。インド企業では、おおむね年率15%程度平均給与が上昇、IT企業は20% 程度上昇しています。賃金上昇率は世界で1位、2位を争うほどです。

 特にIT業界の場合は、インドが経済成長しているからというほかに、労働市場がグローバル化していることが理由と考えられます。転職の選択肢がグローバルなのです。

――毎年15%給料アップですか。高度経済成長時の日本という感じですね。日本のIT企業で働くインド人の給与水準はどうなのでしょうか。

 就職している企業にもよりますので何ともいえませんが、海外で働くインド人の給与水準は一般的に他の国の在留外国人よりも高いかもしれません。
 
 あるデータによれば在米インド人の平均所得は、米国平均を大きく上回っていて、国別では在米日系人に次いで2位です。また、在米インド人8人に1人がミリオネア(個人の金融資産100万ドル以上)であるとのデータもあります。

 シリコンバレーのネットワークがそうさせているのだと思います。在米インド人の6割以上が、専門職か管理職についています。3人に1人が大学院修了とのデータもあります。
 
 米国での統計をそのまま当てはめるわけにはいきませんが、在日インド人の給与水準は決して安くはないと思います。インド現地の場合は、大都市周辺部と地方都市などで給与水準に開きがあり、低いところはかなり低いです。

――なるほど、給与はそれほど安くはないと。それにしても、在米インド人8人に1人がミリオネアですか、すごいですね。離職率低減のためにむやみに給与を引き上げるわけにもいきませんが、高い離職率にはどう対応すればよいのでしょうか。

 雇用の流動性という面で、必ずしも離職率が高いから企業が悪いというわけではないと思います。たださすがに離職率が30%を超えるような企業は明らかにマネジメント上に何らかの問題があると考えたほうがよさそうです。
 
 会社の戦力となっている優秀な人材、教育訓練を受けさせた人材が簡単に辞めていくのは、会社にとって損失です。これを解決するには、「客観的で納得できる評価システム」が重要です。

 会社の評価が適切であっても、インド人の場合、昇進・昇給する同僚を横目で見ると、素直に納得しないことがあると言われます。そういう面で、インド人に向いている評価システムがあります。

 ズバリそれは、「360度評価システム」です。上司だけでなく、同僚、部下、場合によっては顧客や取引先が評価者となります。全員参加という負荷がかかりますが、客観的な評価や参加意識、チームワーク意識も生まれやすくなります。

 従業員は評価に対する納得感が高まり、言い訳を言うことも難しくなります。実は、この評価制度はインドに進出した日系企業でも見られる人事制度ですので、運用は難しくないでしょう。

 導入に負荷を感じる場合、中間管理職以上にだけ導入することも良いかもしれません。上司がどんどん退職するような環境では離職率は改善しませんので、マネジメントレベルに合わせ、まずは管理職に対する評価方法を変えることが重要です

すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

国連:人種差別撤廃委、日本の問題議題--9年ぶり開催

2010-02-26 09:17:03 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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国連:人種差別撤廃委、日本の問題議題--9年ぶり開催

 【ジュネーブ伊藤智永】国連の人種差別撤廃委員会(事務局・ジュネーブ)で24日、日本において人種差別撤廃条約がどの程度守られているかを審査する会合が、9年ぶりに開かれ、高校無償化法案をめぐり、拉致問題などを理由に、在日朝鮮人の子弟が通う朝鮮学校を、財政支援の対象から外そうとする動きが起きている問題などが取り上げられた。

 各国の専門家が2日間の日程で、アイヌ民族・在日外国人・被差別・琉球諸島など、日本における差別問題の実態や改善状況について、日本政府代表団に質疑を行い、3月12日に委員会としての見解を示す。

 24日は日本政府代表が、01年審査後の大きな改善として、アイヌ民族を先住民と認めた取り組みなどを報告。各国委員からは、日本が人種差別禁止法を制定しようとしないと指摘する意見が出た。

松戸市外国人市民懇話会:川井市長に要望書提出 /千葉

2010-02-26 09:16:42 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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松戸市外国人市民懇話会:川井市長に要望書提出 /千葉

 松戸市外国人市民懇話会が今年度の報告書をまとめ、要望として川井敏久市長に手渡した。災害時の外国語での防災無線放送▽医療機関の外国語版の問診票作成と通訳スタッフ配備▽外国語能力を生かした仕事のあっせん▽外国人のボランティア活用--などを重点要望事項とした。

 懇話会は「外国人の意見を市政の運営に反映させる」ことを目的に、市の要綱に基づいて設置されている。今年で9回目。公募で選ばれた中国、韓国、ケニア、ベトナムなど10カ国・地域の13人が、「外国人が住みやすいまちづくり」について話し合い、報告書をまとめた。【西浦久雄】

震災からの教訓を活かす「事前復興のまちづくり」

2010-02-26 09:16:09 | 多文化共生
(以下、JANJANNEWSから転載)
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震災からの教訓を活かす「事前復興のまちづくり」

* 2010年02月25日
* 災害・事故
* 東京

江原幸壱
 国内では兵庫県南部地震以降、芸予地震、新潟県中越沖地震、能登半島地震と大地震が連続的に発生し、全世界ではスマトラ島沖地震、四川大地震、ハイチ地震と相次いで起こり、日本全体でも地球規模でも地震の活動期に入っていることを実感する。
 
 阪神・淡路大震災から15年を経て、国内の震災対策は十分であろうか。学校の耐震化工事費の予算削減のニュースを聞くと、新政権が誕生して以降、国の減災対策への情熱が薄れている印象を受ける。子どもの命を守るセイフティネットの確保と安全・安心のための先行投資としての公共事業であれば国民から歓迎されるはずである。万が一子どもの命を守るべき学校施設によって多数の犠牲者が出た場合には現政権はもたないであろう。
 
 国の震災対策とは別に、自治体ごとに新たなまちづくりの手法として「事前復興のまちづくり」が行われている。阪神・淡路大震災の被災地域の復興に都市計画系・社会学系の大学の研究室が入り、復興支援の実践を行う中でその手法を確立した。
 震災復興ではそれぞれの地域で「まちづくり協議会」がまちの再建の中核を担う。復興模擬訓練を行う過程で住民がまちづくりの重要さに気付き、震災前に住民主体のまちづくりを考える契機になる。
 
 筆者が居住する新宿区大久保特別出張所管内で、地区協議会・地区町会連合会共催の「大久保地区協働復興模擬訓練」の成果報告会が、2月21日に訓練会場だった新宿中学校で開催された。新宿区では、早稲田大学理工学術院佐藤滋研究室(都市計画系)の指導で、これまでに年に1箇所ずつ4地区で復興模擬訓練が行われきた。

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協働復興模擬訓練の成果報告会の様子(撮影・江原幸壱)

 大久保地区は、エスニック・レストランと住宅が混在する住宅地で、多文化共生の実践場である外国人集住地域でもあり、様々な民族・宗派の教会・モスクが点在する、都市に住む外国人にとっても重要なエリアである。消防車が進入困難な木造密集地域や独居高齢者が多数居住する団地群もあり、もしこの地が被災地になればあらゆる問題が喚起される地域である。
 
 模擬訓練はほぼ月1回の開催で日曜日の午前中にそれぞれ3時間ずつ、1回のガイダンスと4回のワークショップが行われた。
 ワークショップの内容は、(1)実際にまちあるきをしながら危険箇所と震災に役立つ資源を見つけ、ガリバーマップを作成する、(2)被災者のインタビュー映像を見て、実際に被災者から話を聞き、震災の状況を追体験する、(3)ロールプレイで復興過程を仮想体験する、(4)まちの再建のアイデアを出しながら将来のまちなみのプランづくりを行う、というものである。訓練の過程で住民同士のコミュニケーションの大切さを誰もが実感した。
 
 成果報告会では、この地域で訓練を行うことが決まった当初、住民から行政主導で震災復興のプランが作られるのではないかという「模擬訓練への疑心」が起こり、開催が危ぶまれていたが、回を重ねるに従い、参加者は「住民主体のまちづくりの大切さ」を確信するに至ったという生の感想を聞くことができた。この訓練を受けて、これから「まちづくり協議会」を設置しようという気配も感じた。
 
 耐震偽装事件による建築関係者への不信と改正建築基準法による官制不況を招いた建築行政の不審を払拭するために、新政権下で、建築と景観のあり様を本質的に再定義し、理想の姿を実現するための「建築基本法」の制定が検討されている。この中では集団規定(用途・高さ・面積・景観を規定する)を地方に移管するかどうか討議されるであろう。筆者は集団規定の地方への移管は地方分権の一つの要素だと認識している。
 
 もしこれが実現すれば、住民自治が確立している自治体では、集団規定を住民自身が決定する住民主体のまちづくりがより一層可能になる。「事前復興のまちづくり」の手法は、将来の震災復興に役立つだけでなく、平時の住民主体のまちづくりのよいきっかけになりうるので、どの地域でも実践されることを期待している。

日系人帰国支援“駆け込み”申請 職員から事業の説明を受ける日系人の夫婦

2010-02-25 09:10:19 | 多文化共生
(以下、読売新聞【静岡】から転載)
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日系人帰国支援“駆け込み”申請
職員から事業の説明を受ける日系人の夫婦(22日午後、ハローワーク浜松で)

 失業した日系のブラジル人やペルー人に、帰国費用の一部を援助する国の「日系人帰国支援事業」の申請者が、2月に入り県内で急増している。申請の締め切りが3月5日に迫り、多くの人が“駆け込み”で申請しているためだ。申請する人の多くは、制度自体は「ありがたい」と言う一方、しばらく日本に再入国できないことに不満を感じている。何より、このような形で日本を去らなければならないつらさをかみしめながら、多くの日系人が苦渋の決断を強いられている。

 ハローワーク浜松(浜松市中区浅田町)によると、同ハローワークで受け付けた申請数は、事業が始まった2009年4月は144件。6月に216件とピークを迎えた。その後、7~10月は150件前後で推移し、11月は78件、12月が65件、10年1月は63件と徐々に減る傾向にあったが、2月は23日までですでに103件の申請を受理した。同ハローワーク管内(浜松市、湖西市、新居町)で事業を利用して帰国したか、帰国する予定の人は23日までで累計で2105人に上る。

 同ハローワークの田沢優職業相談部長によると、2月に申請するのは、60~70歳代の年配者や、長年日本に住んでいた人が目立つという。「若い人は早い時期に決断して帰国した人が多かった。今月は、5年以上日本で生活し、締め切りが迫ってきて踏ん切りをつけた人が多い」と話す。

 この事業で帰国した人は同じ在留資格では最大3年間再入国できないことから、事業に対しては「外国人労働者を使い捨てにして、体よく追い出す仕組みだ」などの批判があった。近い将来再入国できるよう、自費で帰国する人も多かったとみられる。同ハローワークにも、事業開始当初は「なぜ再入国できないのか」などの問い合わせや苦情が相次いだが、最近は、再就職口がなかなか見つからずあきらめた表情の人や、再入国できないことは覚悟のうえで訪れる人が多いという。

 22日午後、パスポートや外国人登録証などを持って同ハローワークを訪れた日系ブラジル人男性(46)と妻(32)は、1時間かけて帰国申請の手続きを終え、「さみしい」とこぼした。日本に住んで約20年。友人もたくさんいる。工場などで働いたが、この半年ほどは仕事がなく、数か月迷った末帰国を決めた。帰国すればしばらく再入国できないことについては「ひどい。また日本に来たいのに」と残念そうだった。

 8人家族で浜松市に9年間住んだという日系ブラジル女性のファゴンベス・シルビアさん(28)も、22日に同ハローワークに帰国申請に訪れた。「1年間頑張ったが仕事は限られ、もう無理だと思った。父が体調を崩したので帰る。大きな決断だった」と語った。

 一方、日系ペルー人のカタヤマ・ヒロシさん(41)も22日に同ハローワークで申請手続きの説明を受けたが、結局日本にとどまることにした。「帰国した友人から『ペルーも仕事がない』と聞いた。日本の方が便利で環境がいい。子供が小さいので、まだまだ頑張る」と話していた。
(2010年2月25日 読売新聞)

英国:難民申請「略式」制度の下で、切り捨てられる女性たち

2010-02-25 09:09:49 | 多文化共生
(以下、HUMAN RIGHTS WATCHから転載)
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英国:難民申請「略式」制度の下で、切り捨てられる女性たち
略式手続きは、複雑な事案に対応できない
February 24, 2010

難民「拘禁略式」認定制度は、基本的な公正基準さえ満たしていない。この略式手続きは、レイプや奴隷問題、名誉殺人の脅威といった複雑な事案にまったく対応できない。それにもにもかかわらず、多くのこうした事案が、難民「収容・略式」認定制度にまわされている。
ハゥリ・ファン・ヒューリック、ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利調査員

(ロンドン)-本日発表された報告書の中でヒューマン・ライツ・ウォッチは、 英国の難民「拘禁・略式」認定制度は、母国に戻るとひどい人権侵害に遭う恐れのある女性たちの難民申請を公正に審査できる制度とはいえない、と述べた。

本報告書「イギリスの難民認定・略式手続きの実態:女性庇護希望者の拘禁と申請却下」(69 ページ)では、複雑な事情の下で難民としての庇護を求めている女性たちが、もっと単純な事案を取り扱うために導入された略式手続きでの審理にまわされている実態を取りまとめている。女性たちは、申請の間、拘禁される---行政側の便宜が拘禁する最大の理由である。そして、審理のための準備時間はほとんど与えられないうえに、申請が却下された場合も、わずか数日間しか不服申し立てのための期間を与えられていない。多くの女性難民申請の事案には、性暴力、女性性器切除、人身売買、家庭内暴力といった、微妙で困難な事情があるにもかかわらず、弁護士やその他の代理人が、庇護を求める女性たちと十分な信頼関係を築く時間すら与えられていないのが現状である。そのため、弁護士などの代理人が申請内容を当局に説明したり、その証明に必要な医学的証拠などを入手するのも困難なのが実態だ。

「難民「拘禁略式」認定制度は、基本的な公正基準さえ満たしていない」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利調査員ハゥリ・ファン・ヒューリックは述べた。「この略式手続きは、レイプや奴隷問題、名誉殺人の脅威といった複雑な事案にまったく対応できない。それにもにもかかわらず、多くのこうした事案が、難民「収容・略式」認定制度にまわされている。」

本報告書は、2009年にイギリスのヤールズウッド難民移送センターなどで行われた調査に基づいている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは50件の聞き取り調査を行った。聞き取り対象は、全部又は一部「拘禁略式」手続きで審理された女性たちや、弁護士、関連NGOの代表ら、そして国境庁職員などである。

「もし私が帰国したら、夫と家族は私を殺すわ」と、深刻な家庭内暴力を主張したにもかかわらず、略式制度で申請を却下されたパキスタン出身のファティマ・Hは言う。ファティマがヒューマン・ライツ・ウォッチの聞き取りに応じたのは、2009年4月24日。「もしこの世界に少しばかりの人間性、あなた方はそれを人権と呼ぶのかもしれないけど、そういったものがあるのなら、どうぞ私を彼らから守って。もしそれができないのなら、せめて、この世に何も持たず、安心して暮せる場所もない人間の権利として死なせてほしい。」

本報告書は、難民審理手続きのガイドラインの内容があいまいであり、英国国境局のスタッフがいずれの手続きに振り分けるかを適切に決定できていない現状を詳細に報告。同局はこのガイドラインを基に、女性たちの複雑な難民申請についても、略式手続きで十分に対応し得るのか否かを、ただ漠然と判断しているのが実態だ。また同局にはジェンダー関連の申請に関する考え方を示した独自のガイドラインがあるものの、局員たちには、男性の難民申請にはない女性難民に特有の問題に関する根本的な理解が欠けているのが実情だ。

ひとたび「略式」手続きに送られると、複雑な申請理由を抱えた女性たちに、審理のために準備をする時間はほとんど残されていない。医療専門家などの専門家の意見を聞く時間や、申請内容を確実に証明する証拠を集める時間もないに等しい。これは特に、レイプや虐待に関わる事案で顕著である。女性たちは、自らの体験に対してトラウマがあったり、難民手続き自体を恐れていたり、単に事実を語るのを恥じていることがある。そのため、関連情報が後々になってやっと出てくるか、あるいは全く出てこないことも多い。

女性を拘禁(収容)することは、問題を一層悪化させる。中には、女性の通訳、担当者、医療スタッフがいない拘禁施設もある。

「国連や多くの外国人支援団体、英国議会はもちろん、政府内の査定チームでさえ、内務省に対し、『略式』は女性切り捨て制度だと昔から提言してきた」と、前出のファン・ヒューリックは述べる。「それでも、国境局は問題を野放しにしている。つまり、国境局にとっては、女性の難民保護より、女性の強制送還のほうが優先課題であるということだ」

2008年、当初「拘禁略式」制度に振り分けられた女性の25%が、最終的には通常の申請手続きに移送された。このことから、同制度が適切に機能していると英国政府は主張している。しかし、弁護士やNGO団体は、多くの場合、略式手続きから通常手続きに移送されたのは、国境局職員が事案を再検討した結果ではなく、NGOや弁護士など外部者の介入の賜物だった、とヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。通常手続きの下では、難民認定申請中、申請者は拘禁されない。また、立証のための準備期間も、数日ではなく数週間与えられている。

「拘禁略式」制度は2003年に導入され、2005年には女性にも適用可能となった。現在、全申請のうち90%を6カ月以内に「解決」することが、政府の優先課題となっており、この「拘禁略式」制度も重視されている。「拘禁略式」制度の下では、申請には2週間で結論を出すことが目標とされており、その後国境局が申請者を迅速に管理下に移せるよう、申請者をその間拘禁する。

現在までに2055人の女性が「略式」手続きに振り分けられており、その全員がヤールズウッド難民移送センターに収容されていた。このうち96%が、一回目の審理で申請を却下された。政府の2008年及び2009年前半期の統計によると、不服申立も91%が棄却されている。

英国政府が、国境を管理する権利を有し、かつ、理由のない庇護申請を行なった人びとを英国から送還する権利を有することは論を待たない。その一方で、英国政府は、難民条約に規定された迫害からの保護が実際に必要な人びとに対しては、難民の地位を認める義務も有する。この義務の履行を確保するため、庇護希望者は、公正かつ十分な難民認定審査を受ける権利を有する。

英国内務省は、複雑な庇護申請理由がある人びとを略式手続きに振り分けないため、より厳密な手続きを早急に導入する必要がある。ヒューマン・ライツ・ウォッチが提言したのは以下の点である。

* 性暴力や家庭内暴力などの煩雑なジェンダー関連の迫害が申請理由となっている事案は、略式手続きに振り分けるのは適切でない、とガイドラインに明記すること。
* 略式手続きに振り分ける基準を明らかにすること。その際、申請上「迅速な」決定をできる理由も明記すること。

聞き取り調査に応じたシエラレオネ出身の女性ローラ・Aは、「拘禁略式」に送られたが、その後内務省によって同手続きからはずされた。最終的には、彼女は複数のジェンダー迫害から逃れてきたとして、難民として認定された。ローラは、最初、略式手続きに振り分けられたときの経験と申請を却下されたときのことを思い出してこう語った。「私は不とう不屈なのよ。生きるためにずっと戦ってきたんだもの。でもね、『今、あなたの人生について話してもらったけれど、それはぜんぶ作り話だな』って言われた時は、生きた心地がしなかったわ。」

英国の語学学校が大ピンチ-不正就労取り締まりで学生ビザ発行制限へ

2010-02-25 09:09:22 | 多文化共生
(以下、ブルームバーグから転載)
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英国の語学学校が大ピンチ-不正就労取り締まりで学生ビザ発行制限へ

  2月24日(ブルームバーグ):ブラウン英首相は、学生ビザの発行を中級程度の英語能力を有する外国人学生に制限する計画だが、これでは語学専門学校の収入が減少すると、学校関連の団体は懸念している。

  英政府は今月7日、「不正な」ビザ申請に対する取り締まりの一環として、英国の学生ビザ取得にあたって外国人が受ける英語テストをこれまでよりも難しい内容とすることを明らかにした。同国は現在、英語能力が「基礎」レベルの外国人学生に対しても学生ビザを発行しているが、今後は16歳の英国人学生が受ける外国語テストと同レベルの英語能力が求められることとなる。

  約440校の語学学校を代表するイングリッシュUKの責任者、トニー・ミルンズ氏は「新たに高いレベルの英語能力を基準として設定すれば、英語を学ぶために英国に来る学生の多くが学生ビザで入国できなくなることを意味し、こうした事態を深刻に考えている」と述べ、「語学学校の年間損失額は5億ポンド(約700億円)に上るだろう」と指摘した。

  英政府は、英国での就労を目的とした移民の学生ビザ取得を防ごうとしている。同ビザを持つ外国人はこれまで1週間当たり20時間の就労が認められていたが、今後は10時間に短縮されるほか、学生の受講期間が6カ月未満の場合は家族の同伴も禁じられる。

  ビザを管理している英国国境局の広報担当、ジェレミー・オッペンハイム氏はミルンズ氏の批判に対して電子メールで「初級コースを受講したい学生は今後、就労が認められない短期留学生として最大6カ月間英国で学ぶことができる」と説明。「6カ月を超えて勉強したい学生は新しい規制に基づき、一度帰国した後に再申請を行うことができる」と述べた。

  ミルンズ氏によると、今回の変更は英国で英語を学びたい年間約10万人の外国人に影響し、同国の大学にも波及効果が及ぶ。学生の最大7割を外国人が占めている大学があるという。

  野党・保守党で入国管理問題を担当するダミアン・グリーン議員はインタビューで「学生ビザ問題への政府のまずい対応が、信頼できる学校とそうでないところの双方に打撃となっていることが明らかになりつつある」と指摘。「悪徳な業者を取り締まる一方で、きちんとした学校が経営を続けられるよう、別の方法を講じるべきだった」と話した。

多文化共生社会考えよう 八千代で国際こどもサミット

2010-02-25 09:08:59 | 多文化共生
(以下、千葉日報から転載)
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多文化共生社会考えよう
八千代で国際こどもサミット

2010年02月24日13時17分[県西エリア]

シキーニョさんの登場に児童・生徒らは大興奮=23日、八千代市立村上東中学校体育館

 八千代市村上地区の外国人児童・生徒の学校を越えた交流を進めることを目指した「むらかみインターナショナルこどもサミット」が23日、同市村上の市立村上東中学校体育館で開かれた。小、中学校5校の外国人児童・生徒約70人が参加。集会やフォーラムなど学校を越えた交流を通し、地域との一体感や多文化共生社会について考えた。

 このサミットは、県の「多文化共生社会づくりモデル事業」の一環として、村上小、村上中、村上東小、村上北小、村上東中により昨年11月に発足された「村上地区外国人児童生徒整備連絡会」が主催し、県、県警、八千代市、神田外語大学なども協力した。

 同市によると、市内の外国人児童・生徒数は約200人で、中でも村上地区は最も多く、ブラジル、ペルーなど南米系の外国人児童・生徒が多いのが特徴。こうした児童・生徒に地域への所属感を高めてもらうとともに、その保護者には日本の教育への理解を深めてもらおうと、初めて開いた。

和食グローバル化に貢献「韓食もグローバル化可能だ」

2010-02-24 09:31:40 | 多文化共生
(以下、中央日報から転載)
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和食グローバル化に貢献「韓食もグローバル化可能だ」(2)

--どのようにすれば韓国料理を世界的な料理にできるか。

「何回も韓国を訪問して多様な食堂に行った。ある飲食店では数十ものおかずを出していた。他の所ではニューヨークにある韓国料理店のようにふんだんなカルビみたいなものを出していた。個人的意見で食べ物は量が重要だ。韓国料理は量があまりにも多いかとても少ない。日本料理にはおまかせ料理というのがある。コック長のお勧めであるわけだ。この料理はデザートを合わせて6~7コースになっている。前菜で始めてデザートまで食べればちょうど適当な分量だ。お客さんたちは量が多ければその料理を高く評価しない。韓国料理もそうしなければならない。カルビ料理を出しても前菜からメインコース、デザートまで適切に量を調節しなければならない。カルビを2~3点程度だけおく韓国式コース料理を開発しなければならないというのが私の意見だ。そうすればもっと多くの外国人が韓国料理を試食しようと思うだろう。私が経営する「ノブ」には1、2人のお客さんが来てもコース料理を楽しむことができる。しかし今の韓国式カルビ料理を出す方式では1人で行って楽しみにくい」

--辛い味が韓国料理グローバル化の障害物にならないか。

「私は辛い食べ物が好きだが、たくさん食べれば汗を流す。体質によってそんなケースが少なくない。化粧をした女性が辛いものを食べて汗を流せば問題にもなる。しかしこれはウエーターがステーキ注文を受ける時、焼き方を問うように「どれだけ辛くするか」と尋ねて解決できる。ウエーターの存在理由はまさにお客さんと調理師の間のコミュニケーションのためだ。経験上、どの韓国料理店に行っても「どれだけ辛くしましょうか」と聞かれたことがなかった。顧客サービスがもっと細密になる必要がある」

--韓国料理のグローバル化は可能か。

「100%可能だ。韓国は日本と中国のように歴史と文化がある国だ。歴史が深ければ日本の伝統的な懐石料理のように特有の料理があるものと決まっている。これを世界の人たちが楽しむようになる。しかし料理は一種の流行という事実を忘れてはいけない。料理の伝統的な要素を無視してはいけないが、同時に私は世界の人たちが楽しめるように多様な要素を入れて1つの流行にすることが重要だ」

--どのように韓食を流行させることができるか。

「誰かが韓食を試食してこれを伝播させなければならない。そのためには料理雑誌などを通じてプロモーションをすることも良い。全世界の幾多の国にある韓国大使館も重要な役割ができる。若いスターシェフが出ることも重要だ」

◆松久信幸=世界で有名な日本の調理師に数えられる。彼には「寿司グローバル化の主役」というニックネームが付いている。1994年ニューヨークマンハッタンにレストラン「ノブ」を開業した後、寿司と刺身が米国主流社会のトレンドとして定着したからだ。現在19都市に25店を構え「フュージョン和食」の代名詞で知られている。

87年、米国ロサンゼルスビバリーヒルズに「松久」という小さなレストランを開き、米国市場に入城した。和食に南米風を加味した料理で人気を呼び、ロバート・デニーロを含む有名人たちが常連になった。デニーロは松久にニューヨーク「ノブ」を開くよう勧めた。デニーロはこのレストランの共同投資者だ。

彼は24歳でペルー・リマで和食堂を開き成功した。その後、アルゼンチンを経て米国アンカレッジに渡りレストランを開業したが、50日後に火事で焼けた。無一文になった彼は、日本と米国カリフォルニアの和食堂調理師として就職し、自分のレストランを開いた。