多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

妊娠降格 同意なし違法 均等法めぐり初判断

2014-10-24 09:00:13 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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妊娠降格 同意なし違法 均等法めぐり初判断

2014年10月24日 朝刊


「大きな一歩」。マタニティーハラスメントを経験した女性の集まりで判決を評価する声が上がった=23日午後、東京・有楽町で(伊藤遼撮影)
写真
 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が妊娠後に降格されたのは男女雇用機会均等法に違反するとして損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(桜井龍子(りゅうこ)裁判長)は二十三日、「妊娠がきっかけの降格は、自由意思に基づき女性が明確に同意した場合や、事業主側に特段の事情がある場合を除き、違法で無効」とする初判断を示した。 =核心<3>要旨<7>関連<31>社説<5>面
 その上で「原告は降格を渋々受け入れただけで明確な同意はなかった。事業主側に特段の事情があったかどうかの審理が尽くされていない」として、女性側敗訴とした二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。女性が勝訴する可能性が高まった。判決は五人の裁判官全員一致の意見。
 事業主側が妊娠、出産した女性従業員に降格などの不利益な待遇をする「マタニティーハラスメント(マタハラ)」が問題となる中、最高裁は、妊娠による降格を禁じた法の趣旨を踏まえ、事業者側に適切で厳密な労務管理を促した。
 第一小法廷は判決で「妊娠を理由とする降格は男女雇用機会均等法が原則、禁止する不利益な取り扱いに当たる」と指摘。明確な同意の条件として「事業主側が事前に適切に説明し、女性が降格によるメリットとデメリットを十分に理解して同意しているかが必要」と判断した。一方で、降格しないで軽い業務に転換させると円滑な業務運営や人員の適正配置の確保など業務上の支障が出る場合で、均等法の趣旨や目的に反しない「特段の事情」がある場合は、不利益な扱いには当たらず適法とも判示した。
 女性は二〇〇四年、勤務先の広島市内の病院の副主任に就任。〇八年二月、第二子の妊娠を病院側に告げ、軽い業務への転換を希望したところ、負担の少ない部署に異動したが、副主任の地位を外された。運営元の広島中央保健生活協同組合に約百七十万円の損害賠償などを求めて提訴。その後、退職した。
 女性は訴訟で「副主任を外したのは、妊娠を理由にした不利益取り扱いを禁じた均等法に違反する」と主張。一、二審は、女性が降格に同意していたとして請求を棄却していた。

外国籍生徒、険しさ増す公立高進学 来日者の増加など要因 神奈川

2014-10-23 10:37:15 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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外国籍生徒、険しさ増す公立高進学 来日者の増加など要因 神奈川

 県内公立中学校に設置され、外国籍を含む生徒に日本語を指導する「国際教室」の卒業生(今年3月末)うち、公立全日制高校に進学した割合は45%で、公立中学全体の全日制高校進学率(63%)より18ポイント低いことが22日、「かながわ国際交流財団」(横浜市神奈川区)の調査で分かった。外国籍生徒らの進学にあたり、高いハードルがあることが浮き彫りとなった。

 国際教室の卒業生は244人(平成25年度)で、前年度より46人増えている。これは、東日本大震災やリーマン・ショックで減少傾向にあった外国人労働者が増加に転じ、来日する学齢期の生徒が増えたためとみられる。

 日本入国後の在留期間が通算3年以内の外国籍生徒もしくは、日本国籍取得3年以内の生徒の場合、全日制公立高校を中心とした「在県外国人等特別募集」に応募することができるが、国際教室の生徒増加に対して特別募集枠が一部で追いつかず、今年度の合格率は前年度より9ポイント減の80%に下落した。全日制進学の道は険しさを増しているのが現状だ。

 一方、近年は外国人の定住が進み、「長年、日本に住んでいるが、家庭内の会話は外国語」という環境で育ったため、日本語を習得していないにもかかわらず特別募集への応募資格がない生徒も増えているという。

 財団担当者は「特別募集の条件緩和と日本語支援体制のさらなる整備が求められる」と話している。

韓国政府、労働法が外国人労働者の虐待を助長するとの指摘を否定

2014-10-23 10:36:45 | 多文化共生
(以下、JBPRESSから転載)
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韓国政府、労働法が外国人労働者の虐待を助長するとの指摘を否定

2014.10.22(水)
(2014年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

韓国の労働法は外国からの出稼ぎ労働者への虐待を助長しているとの指摘について、韓国政府はこれを否定した。人口の急激な高齢化のために外国人労働者への依存度を近々高めなければならない可能性がある国で、移民政策を巡る緊張が浮き彫りになっている。

 人権団体のアムネスティ・インターナショナルは20日、韓国農業セクターの外国人労働者に関する報告書を公表し、韓国政府は「搾取のための人身取引や強制労働がはびこることを可能にする恥ずべきシステム」を作り出していると批判した。

アムネスティ・インターナショナルが「恥ずべきシステム」と批判

 エコノミストや出稼ぎ問題の専門家によれば、韓国の出生率は例外的なほど低いために人口学的な危機が迫りつつあり、これを避けるために移民を大量に受け入れる必要が今後生じるという。

 また、経済協力開発機構(OECD)によれば、韓国では向こう数十年間にほかのどの加盟国よりも速いペースで人口の高齢化が進み、引退した高齢者の人口に対する生産年齢人口の比率が2010年の6倍から2050年の1.3倍へと急低下するという。

 しかし、韓国政府はこれまでのところ、移民には慎重なアプローチを示している。現在の移住者は貧しい国々の未熟練労働者が大半で、韓国人がやりたがらない仕事に就くために、厳しい制約の下で期限を区切って入国している。

 アムネスティが今回公表した報告書は、韓国の雇用許可制度(EPS)に基づいて働いている農業従事者を対象にしている。EPSは2004年に、低賃金労働者の確保に苦労している小企業の支援策の一環として導入された。

 EPSでは、例外的な状況を除き、労働者が許可なく退職することを禁じている。アムネスティの指摘によれば、この規定は、ほかに行くところがない労働者を雇用主が酷使するのを助長している。

 また、外国からの出稼ぎ労働者を2万人雇用している韓国の農業セクターでは、賃金を支払わない超過勤務への依存が常態化しているうえに、暴言や暴力の使用、性的虐待が多発しているともアムネスティは主張している。

 韓国の雇用労働部は、同国の規制が外国人労働者にとって安全でない環境を生んでいるとの指摘を否定し、労働者の権利を強化するために、これまで継続的に規制を変更してきたと述べた。さらに、転職の制限を承認した2011年の憲法裁判所の判決を引き合いに出し、EPSの就労許可は特定の雇用主との契約に基づいているため、こうした規則は「不可避」だと指摘した。

労働力確保のために制度の見直しは必至

 韓国の在留外国人の数は1990年の4万9500人から昨年の158万人に急増した。もっとも、在留外国人の最大のカテゴリーは特別な移住権を与えられた朝鮮民族から成る。ウズベキスタンや東ティモールを含むアジア諸国15カ国に門戸を開いているEPSは、2004年の制度導入以来、韓国における民族の多様性を前例のないほど高め、昨年は同制度の下で25万人近くが働いていた。

 だが、大半のEPS労働者にとって市民権獲得への道は閉ざされている。彼らの在留期間は4年10カ月に限られており、帰化手続きを開始できる5年間に若干足りないからだ。

 国際移住機関(IOM)の移住研究訓練センターの研究員、イ・チャンウォン氏は、韓国が数十年後に向けて労働力を確保しようとする中、移住者に対するこの「循環的」なアプローチを再検討すべきだとし、「何がうまくいき、何がうまくいかないかを判断するために政策を見直すべき時が来た」と話している。

異国の生活、孤立防ごう 外国人対象教室

2014-10-22 10:59:46 | 多文化共生
(以下、河北新報から転載)
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異国の生活、孤立防ごう 外国人対象教室


県国際化協会主催の日本語講座初級クラス。言葉や習慣の違いから生活上のストレスを感じる外国人が少なくないという
 宮城県国際化協会(仙台市青葉区)は、県内に住む外国人が孤立に陥ってしまうのを防ごうと、25日の気仙沼市を皮切りに県内7会場で、研修会「いつも元気でいるために 外国人のためのストレスケア教室」を初めて開く。生活上のストレスに対処する正しい知識を身に付けるとともに、参加者同士の交流を通してネットワーク構築にも役立ててもらう考えだ。

 研修会では臨床心理士を講師に招き、心の健康チェックやストレス解消法を学ぶ。日本に長く住む外国人が通訳を担当する。地域の日本語教室や自治体の保健福祉担当者、県警、弁護士ら支援者も参加し、問題を共有していく。
 協会の窓口には、在留手続きなど事務的な要件から家庭内トラブルまでさまざまな相談が寄せられるという。深刻な心の病にかかり治療が必要なケースもあるが、言葉の壁から通院が困難な場合が少なくない。
 協会は昨年、山形県国際化協会と共催で宮城、山形両県に住む外国人向けにメンタルヘルス講座を開いた。好評だったことから、あらためて企画した。
 県内には2013年12月現在、県人口の1%弱に当たる約1万5200人の外国人が住んでおり、中国、韓国、フィリピン籍の順に多い。日本人男性との結婚を機に移住してきた女性の割合が大きいという。言葉や文化に慣れても、子育てなど新たな問題にぶつかることが多い。
 協会の担当者は「母国語で話すだけでも安心感を得られるはず。つながりをつくるための楽しい語らいの場にしたい」と言う。
 研修会の対象は在住外国人とその支援者ら。参加無料。電話かメールで申し込む。連絡先は協会022(275)3796。

 開催日程は以下の通り。いずれも時間は午後1~4時。

 25日 気仙沼市▽11月8日 仙台市▽22日 登米市▽12月7日 石巻市▽13日 大崎市▽15年1月12日 角田市▽24日 岩沼市

もしもの時のデザイン「災害時に役に立つ物や心のデザイン」展

2014-10-22 10:57:59 | 多文化共生
(以下、JDNから転載)
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もしもの時のデザイン「災害時に役に立つ物や心のデザイン」展

http://www.japandesign.ne.jp/report/141022_moshimo_design.html

災害時の様々な“もしもの時”を解決するデザインを日本パッケージデザイン協会(JPDA)の会員を中心にデザイナー100人が提案
2014/10/22日本

(略)

訪日外国人向け地震対策ティッシュ(小比類巻蘭/川路ヨウセイデザインオフィス)
訪日外国人向け地震対策ティッシュ

地震時の基本行動を多言語でまとめたポケットティッシュ。訪日した外国人に防災意識を持ってもらうためのデザイン(小比類巻蘭/川路ヨウセイデザインオフィス)

「女性の活躍」推進法案を閣議決定

2014-10-17 09:47:10 | ダイバーシティ
(以下、NHKニュースより転載)
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「女性の活躍」推進法案を閣議決定
10月17日 9時33分

政府は17日の閣議で内閣の重要課題の1つである「女性の活躍」を推進するため、国や地方自治体に加え、従業員が300人を超える企業・団体に対し、女性管理職の割合など、数値目標を自主的に設定し、公表することを義務づける法案を決定しました。

閣議決定された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」では「豊かで活力ある社会の実現には女性の個性と能力が発揮されることが一層重要だ」として、女性に採用や昇進などの機会を積極的に提供し、仕事と家庭の両立を図る環境整備などに向けた基本方針を国が策定するとしています。そして、国や地方自治体に加えて、従業員が300人を超える企業・団体に対し、女性管理職の割合や、女性の採用比率など数値目標を少なくとも1つ自主的に設定し、これを盛り込んだ行動計画を公表するよう義務づけるとしています。また、従業員が300人以下の企業・団体に対しては、数値目標などを盛り込んだ行動計画の策定に努めるよう求めています。
さらに法案には、国が公共工事の実施や物品の調達などにあたって、女性の登用に積極的に取り組んでいる企業・団体への発注を増やすことも盛り込まれています。
政府は、この法案を今の国会に提出し、早期の成立を目指すことにしています。

カルビー会長 ダイバーシティーは成長のエンジン

2014-10-16 09:55:19 | ダイバーシティ
(以下、日経DUALから転載)
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カルビー会長 ダイバーシティーは成長のエンジン

松本晃会長 「人口の半分を占める女性に活躍してもらうのは当然」


「なでしこ銘柄」は、女性の活躍推進に優れた上場企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で選定するもの。日経マネー編集部では2013年秋、独自調査により「女性活躍推進」だけでなく「業績」との両軸で成果を挙げている企業10社を「日経マネーなでしこ銘柄」として選定しました。

その1社に選ばれたのが、カルビー。2009年に代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した松本晃氏の指揮のもと、以降、利益も売上高も毎年成長し続け、女性管理職比率は6%弱から14%強へと上昇しています。時短勤務の女性役員や女性工場長も誕生。一貫してダイバーシティを推進してきた松本会長に、日経DUAL編集長の羽生祥子が聞きました。

「なぜ人口の半分を占める女性を活用しないのか?」と問われて発奮

カルビー会長兼CEOの松本晃氏
カルビー会長兼CEOの松本晃氏
羽生祥子日経DUAL編集長 専門家に「ダイバーシティーや女性活用に意欲と推進力がある経営者は?」と聞くと、必ず松本会長のお名前が挙がります。松本会長がダイバーシティー推進に取り組み始めたのは、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人(以下、J&J)に在籍されていたころからですよね。

松本晃会長兼CEO(以下、敬称略) J&Jの社長に就任して3年目、2001年のことでしたね。グローバルなミーティングで、本社の上司に言われたんです。「お前は何をやっとるんだ」と。「俺が知っているかぎり、日本の人口の半分は女性のはずだ。なのにお前は女性を全く活用していないじゃないか」と。

―― 当時、社内に女性の管理職や役員はどのくらいいたのでしょう。

松本 女性社員はたくさんいましたが、管理職はほとんどおらず、執行役員にいたっては1人もいないという状況でした。その上司が言うには「世界中で女性を活用していないのは2カ国だけ。日本とパキスタンだ。パキスタンは宗教上の理由があるから理解できる。日本は何の理由もない。なぜやらないんだ」と。僕は素直なんでね(笑)、「やってみるか」と発奮したのです。

―― どこから着手したのですか。

松本 何か始めるとなったら、まずゴールセッティングするんです。そこで、社長の任期だった2008年3月までに「35-25-25」という数値目標を設けた。女性の比率を全社員の35%、管理職の25%、執行役員(ディレクター)の25%にするという意味です。そして「僕の定年退職までにこれをやってやるわ」とみんなに宣言した。「俺はやる」と。

女性の登用は「まとめて複数」がカギ


―― それを着実に実行されたんですね。

松本 14ある事業部のうち6事業部の責任者が女性になりました。

―― 一気に半分近くを占めるようになったとは。当の女性達は、抜てきされて昇進することにひるんだりはしなかったのでしょうか。

松本 他の女性が昇進しているのを見れば、「あの人ができるなら私にもできる」と思えるようになると思うんです。それで、なってみたら何てことはなかった、と。大事なのはね、1人だけしたらあかんということです。(米フェイスブックの最高執行責任者)シェリル・サンドバーグの著書(『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』)にもそういったことが書かれていたけれど、女性を1人だけ執行役員や取締役に引き上げるというのは、やり方としてはよくないでしょうね。

―― 女性を登用するなら複数を、ということですね。

松本 まとめてどばっと、何人か登用しちゃったほうがいい。

社内では女性が活躍し、会社の業績も伸び続ける

―― J&J在任中には会社の業績も伸びました。

松本 中核事業である医療機器分野では、在任中、年平均で売り上げは18.9%成長していました。利益も毎年29%増。退任時には、就任時と比べて売り上げは3.6倍、利益は数十倍に拡大していましたね。

―― そして、2009年にカルビーの会長兼CEOに就任されてからも業績が伸びていますね。

松本 過去2期(2013年3月期と2014年3月期)を見ると、カルビーの純利益は前年と比べて約30%成長しています。売り上げは8%くらいですが。

―― 高過ぎた製造原価を見直して、もうかる仕組みを作られたと聞きました。そうした事業構造の改革を行う一方、ダイバーシティーも推進されています。女性の登用に関しては、時短勤務の女性を役員に登用したり、工場長に女性を抜てきしたりと、世間が驚くようなニュースがありました。

松本 就任時には5.9%だった女性管理職比率は、今は14.3%まで上がりました。当初の目標に対してちょっとペースが遅いですが。政府が目標として掲げる「2030」(2020年までに指導的立場の女性を30%に増やす)ね、私、あれで一番乗りしてやろうと思ってます。

「正しいこと」をしていれば結果は必ずついてくる


―― 女性活用も会社の業績も、数値で明らかな成果を出しています。ずばり、ダイバーシティー推進と業績向上は、連動しているんでしょうか?

松本 正直それは分かりません。はっきり因果関係があるとは言えない。でもね、正しいことをやっとったら、たいがいうまくいきますよ。だから僕は「正しいことを正しくやりなさい」と言っているだけ。

―― 正しいこと、ですか?

松本 ダイバーシティーに関して言えば、女性を登用したり外国人を登用したり、障害の有無や年齢、宗教など関係なく人材を活かす。それが正しいと思うわけ。それをやってうまくいかないなら、よほどツキがないだけ。

 理屈で考えれば当たり前のことでしょう。「右手と左手があるけど、私は右手しか使わん」なんて人はいない。ゴルフのクラブを右手1本でうまいこと振れますか。普通は振れないでしょ。それと同じで、世の中の半分は男性で、半分は女性。両方活用しない手はないよね。総力戦で戦わないと勝てないですよ、今の時代。

 なおかつ、僕らの仕事、いや僕らに限らず、ほとんどの仕事はね、お客さんは女性が多い。何を買うかという決定権を握っているのは多くの場合、女性ですよ。女性の気持ちが分からんかったら手も足も出ないですよ。

男社会だけでやっていたら組織は強くなれない


―― 私にも子どもがいますが、子どものための買い物で何を選ぶかは、母親である私が決めますものね。

松本 スーパーに買い物に行くのはたいがい女性。8対2くらいの割合で女性が多い。ただ、これもいずれは5対5になっていきますよ。世の中はすべて「半々」ですよ。ただ、すぐにはならない。時間がかかるでしょう。ダイバーシティーだってね、時間がかかりますよ。

――やはり、時間がかかるのは仕方がないとお考えですか。

松本 皆が一斉に動くということはないですからね。「よーいどん!」と言われてすぐに立ち上がれる人とそうでない人がいる。

―― J&Jでも今のカルビーでも、松本会長のダイバーシティー推進に対して、社内からの反発はあったのですか?

松本 面と向かって反対する人はいませんよ。ただ、「面従腹背」はいます。表向きは従って、内心では抵抗しているというね。いつもそんなもんです。経済界を見てもそうでしょ。政府の施策を受けて、大企業の社長さんや会長さんが「ダイバーシティーやらないかん」と言っていますけど、面従腹背の人が半分以上ですよ。

―― 半分以上ですか…気が重くなりますね。

松本 たぶんそうだと思います。当たり前じゃないですか。男は男社会のほうが絶対に楽ですよ。男だけで、しかも気の合う者同士で集まってやっているほうが、そりゃ楽しい。でも、それをやっていたら組織は強くならない。会社はよくならない。

リスクを引き受けるトップの信念が会社を動かす


―― 考えや価値観が異なる存在を受け入れてこそ、発展があると。

松本 例えば、今議論されている集団的自衛権。あれも賛成もいれば反対もいる。今後、どのように具体的に動くのか、綱引き状態が続いて動かないのか、そら分かりません。しかし、ダイバーシティー推進に関してはね、これは絶対に動く。止められない。なんでかっていうと、それが正しいからですよ。

―― 先ほど、半分以上の経営者がダイバーシティーに対して「面従腹背」とおっしゃいましたが、抵抗感を覚えながらも、その必要性や重要性を認識している人は徐々に増えている気がします。

松本 実行になかなか移せないのはリスクが伴うからでしょう。「ダイバーシティーを進めたから業績が落ちた」となると経営者は責任を問われる。だから皆さん、やらないんですよ。私にとっての一番大きなリスクもそこなんです。だから結果にこだわる。「カルビーが社外から連れてきた会長さん、ダイバーシティー、ダイバーシティーと叫んでたから会社がダメになった」と言われたらあかんから。

―― 松本会長は業績というリスクを真正面から受け入れて、女性活用を推進していらっしゃるわけですね。

松本 ダイバーシティー推進の第一歩は、トップマネジメントの信念だと思います。先ほど、ダイバーシティー推進と業績向上に因果関係があるかどうかは分からないと言いましたけれど、私はきっと関係あると思っています。ダイバーシティーは成長のためのエンジン。やっていれば絶対によくなる。それを信じてやっています。

―― 今、各企業の人事は、ダイバーシティー推進のために様々な制度や環境整備に取り組んでいます。成功に導くには、まずトップ(社長や会長)がリスクを堂々と背負って覚悟し、業績にこだわること。その偉業にチャレンジしている1社が、カルビーなのだと痛感しました。

とやまcocolo会からのお知らせ

2014-10-10 09:04:27 | ダイバーシティ
とやまcocolo会では、こころのサポーター人材バンクのスキルアップ研修として、NHK富山放送局の中條誠子さん、(株)ありがトンの澤登和夫さんをお招きして研修会を開催していることは、すでに、とやまcocolo会のfacebookでもご報告済みですが、このバンクでは、バンク登録者がアドバイザーとして、みなさんの困りごとをお手伝いします。
自殺予防活動のお手伝い、メンタルヘルス相談やピアサポート活動のお手伝い、そうした活動に対するアドバイスなどのお手伝い。あくまでお手伝いなのですが、ちょっとだけのお手伝いって、大事デスよね!なんだかよくわからないけど、ちょっと興味がある方は、チラシのお問合せ先までご連絡ください!


NPOなどに人的支援も 名古屋の財団がファンド設立

2014-10-10 09:00:42 | 多文化共生
(以下、中日新聞から転載)
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NPOなどに人的支援も 名古屋の財団がファンド設立

ボランティアらとの会議で、調査結果を報告する多文化共生リソースセンター東海の河村槙子さん=名古屋市瑞穂区で

 NPO法人などの活動を資金、人材の両面で支援していこうと、公益財団法人「あいちコミュニティ財団」(名古屋市東区)が本年度から、新基金「あいちの課題深掘りファンド」を設けた。ファンドの助成団体には、愛知県内の公務員や民間企業の社員がボランティアとして派遣され、調査や広報活動の強化につながるという。

 各地で活動するNPO法人は子育て支援や障害者福祉など、さまざまな課題に向き合っているが、その重要性を市民に知らせるのは難しく、ノウハウが要る。それを手助けするのがファンドの狙いで、人的支援は全国的にも珍しい。既に四、五月に助成対象を募集。審査の結果、六月に三団体を選び、各団体に助成金(上限十万円)を贈った。

 助成先の一つが、NPO法人「多文化共生リソースセンター東海」(名古屋市中区)だ。近年は「外国人の子の学習の遅れが発達障害なのか、言葉の理解不足なのか分からない」との声が寄せられていた。この問題を教育現場や外国人の親たちに知ってもらおうと、ファンドに応募した。

 派遣されたボランティアとの会議で、特別支援学級に在籍する外国籍の児童数把握のため、県内の全自治体へアンケートをすることに。同センター事務局長の河村槙子(まきこ)さん(31)が教員や語学相談員、行政の担当者らに聞き取りを実施した結果、「うちの子はまだ日本語が分からないから」と障害が見過ごされたケースもあった。「発達障害を理解し、親の母語で相談を受けられる人材の育成が必要」と今後の方向性や、アピールポイントなどが見えてきた。

 調査に加わった同県豊明市市民生活部の浦倫彰(うらのりあき)さん(36)は、行政データを活用した分析手法などを伝えた。「この問題を放置すると今後の社会にどんな損害があるのか。具体的な影響を示して説明すれば、説得力も増します」

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 「人やお金が集まらない」「成果が見えない」などの問題が指摘される市民活動。特に小規模団体は目先の問題処理に追われ、人手不足も重なり、課題を深く調べる時間がないのが実情だ。「どんな課題も重要性が市民に伝わらないと活動団体への関心も高まらず、寄付も集まらない。人的支援で解決の道筋をつくりたい」と、同財団代表理事の木村真樹さん(37)。

 市民団体にとっては経済的な自立も課題。内閣府のNPO法人に関する実態調査(二〇一三年度)によると、運営費などの借入金があるNPO法人の七割以上が個人からの借り入れで、金融機関の割合は低い。内閣府の「共助社会づくり懇談会」座長を務めた中京大総合政策学部の奥野信宏教授は「ファンドの支援で活動への理解が深まり、金融機関からも資金調達ができるようになれば」と話す。

      ◇

 ファンドの本年度の積み立て目標は九十万円だが、まだ半分程度のため、同財団は寄付を募っている。同財団のホームページからクレジットカード決済をするか、郵便・銀行振り込み、もしくは現金で。寄付者には調査成果をまとめた冊子を送る。問い合わせは同財団=電052(936)5101=へ。

(福沢英里)

成功の鍵は「文化」にあり? グローバル人材の真の条件

2014-10-07 11:25:14 | 多文化共生
(以下、ITmedia eBOOKUSERから転載)
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成功の鍵は「文化」にあり? グローバル人材の真の条件

 もはや聞き飽きているに違いない。「グローバル化」というテーマは、ここ十数年、ビジネス界で毎日のように論じられている。それは結局、盛んに必要性が叫ばれていながら、いまだグローバル化が遅れている、ということかもしれない。なぜそうなのか。そもそもグローバル化とは、グローバル人材になるとは、どういうことなのか。


 英語力や論理力、プレゼン力など、グローバル人材の条件のように語られるスキルはいろいろあるが、本質はそうではなく、もっと人間性に根ざしたものだと説く本がある。『日本人が海外で最高の仕事をする方法――スキルよりも大切なもの』(糸木公廣/著、英治出版/刊)は、多くの人にとって「グローバル化」というテーマへの見方ががらりと変わる一冊となるだろう。

 ソニーで20年、9カ国に赴任し、現場マネジャーから子会社CEOまでさまざまなポジションで活躍した著者は、どんな国で、どんなビジネスを行うにしても、「相手は人」だということを繰り返し強調する。人種や宗教に限らずさまざまな文化の違いがあっても同じ人間であり、それならば「微笑めば、微笑み返してくれる」――。海外で仕事をする上では、この単純明解な原理が鍵だと著者は示唆している。

 本書では著者がそのような考えに至るまでに出会った困難やそれを乗り越えるまでの試行錯誤の軌跡が、生き生きとした筆致で記されている。人間味にあふれたエピソードが小説風に語られ、ビジネス書であることを時に忘れてしまうほどだ。実体験のストーリーで語られるため具体的・実践的なヒントを得やすい一方、各章末にはポイントが簡潔にまとめられ、振り返りや頭の整理もしやすい。

 どんなエピソードがあるのか。例えば、著者にとって初の海外赴任先のインドでは、当初は現地の従業員や取引先とうまく関係を築けず、「もう日本に帰ってくれ」とまで言われてしまう。

 四面楚歌の状態で著者が活路を見出したのは、インドの映画。仕事とは本来何の関係もない。だが、映画を通じて現地の文化を学ぶとともに、積極的に映画を話題にすることで、インド人に親しみを持ってもらうことができた。そこから人間関係がどんどん広がり、ついには新規プロジェクトまで成功してしまったのだ。

 また、ベトナムに赴任した際にはベトナム語でカラオケを披露し現地の人々の心をつかんだというエピソードや、伝統文化を学んで「祖国の美」をテーマに広告をつくることで大成功した話などが語られている。ビジネスには一見関係のない文化的側面から関係をつくり、仕事の成功につなげるのが著者のやり方だ。そこで得られる成果は単に業績指標において優れているだけでなく、心を震わせる「感動」まで付いてくる。タイトルにある「最高の仕事」がけっして誇張ではないエピソードが満載だ。

 外国人から自国の文化に対する敬意や理解を表明されて、喜ばない人はいない。当たり前のようだが、それを本気で実践できるかどうか。実践できれば、想像を超えるような成果が転がり込んでくる。「相手は人」である以上、それは実は、不思議なことではないのかもしれない。

 こうした姿勢は、実は国内・国外にかかわらず、ビジネスで大きな成功をおさめるための鍵であることも示唆されている。同じ日本人であっても一人ひとり異なるバックグラウンドを持ち、価値観も多様なのだから。「相手は人」だと認識することは、つまり「相手を人として尊重する」ということだ。

 どんな場所でも必要なのは、他人と異文化を尊重し、良好なパートナーシップを結ぶ力なのだ。本書はますます多様化する社会において、海外展開している企業だけでなく多くの企業において役立つだろう。また、海外で活躍したい人、グローバル人材をめざす人のみならず、国内でマネジメントに携わる人、ひいては「人を相手に」仕事をするあらゆる人にとって示唆に富む一冊と言えるだろう。

(新刊JP編集部)