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多文化共生とは永続的なココロの営み

災害時「外国人誘導できぬ」53%

2012-01-25 22:57:29 | 多文化共生
災害時対応はNPOタブマネにご用命を。

(以下、沖縄タイムスから転載)
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災害時「外国人誘導できぬ」53%

2012年1月25日 10時40分
 県内で大規模災害が発生した場合、滞在中の外国人の避難誘導に「対応できないと思う」と答えた自治体が53%に上ることが、県の調査で分かった。また、避難マップが「ある」自治体は19%、事業者は29%にとどまった。安全・安心の国際観光地を目指すには、土地勘がなく安否確認も難しい観光客、特に言語が異なる外国人観光客の安全確保のための仕組みづくりが急務となりそうだ。

 東日本大震災の発生を受け、県が昨年12月9日からことし1月5日まで、自治体と観光関連事業者・団体など400件を対象に調査し、193件の回答を得た。

 外国人の避難誘導について、「対応できる」と回答した自治体はなし。「ある程度対応できる」は36%だった。

 一方、事業者は「対応できる」が12%、「ある程度対応できる」が56%、と比較的多かった。観光客をどこに誘導するかを「決めている」事業者は68%だったが、自治体は43%と半数を割った。

 地域内の事業者と合同で避難訓練をしているのは17自治体中1自治体のみで、連携不足も浮き彫りになっている。

 ホテルやオフィスなど民間施設を避難所としている自治体は19%だった。

 危機管理に不安を抱く自治体や事業者の声も。

 宿泊施設は従業員が手薄となる夜間に災害が発生した場合の対応、ダイビング事業者は津波発生時の初動体制などを不安視している。不景気のため緊急事態を想定した安全管理に必要な資金を捻出(ねんしゅつ)するのが難しいという実態もあった。

「介護職慣れ、やりがい」 浜松で外国人ワーカーが討論に参加

2012-01-24 19:33:54 | 多文化共生
(以下、中日新聞【静岡】から転載)
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「介護職慣れ、やりがい」 浜松で外国人ワーカーが討論に参加

2012年1月24日


考えのギャップなど指摘も
 外国人の介護職就労についてのシンポジウム「多文化共生と介護~外国人ワーカーの雇用を考える」が23日、浜松市中区のえんてつホールで開かれた。介護現場で働く外国人らが、やりがいや今後の課題について意見を述べ合った。 (並木智子)
 外国人を対象に「介護のための日本語講座」を開くなど就労サポートをする一般社団法人「グローバル人財サポート浜松」などが主催。外国人を雇用する介護事業所が増えればとの狙いで開いた。
 パネル討論では、市内の特別養護老人ホームで働くブラジル人女性のブラガ・ミルヴィアさんが「初めは日本語が話せなかったので心配だった。でもいつも職員さんと一緒にいてどんどん慣れた。今は利用者さんに愛を感じるようになった。働くときはいつもハッピー」と仕事でのやりがいを語った。
 また、雇用側の社会福祉法人天竜厚生会の担当者は「外国人はみんな熱い思いを持ち丁寧。入浴介助のときに相手を思ってゆっくり、丁寧に取り組んでいる」と説明した。一方で、多くの利用者がいて時間内に介助を終えざるを得ない業務の一面もあり、日本人との考えのギャップも生まれたことを指摘。「双方の思いを調整していきたい」と話していた。
 また、京都大大学院特定准教授の安里和晃さんは「(高齢化が進む中)性別や国籍、年齢に関係なく、気持ちよく社会に参画できるかが大切。地域を回していくために、介護を含めて受け入れの機会をつくっていかないといけない」と話した。

通訳・翻訳ボランティア養成 外国人を被災者役に研修

2012-01-24 19:32:37 | 多文化共生
(以下、読売新聞から転載)
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通訳・翻訳ボランティア養成 外国人を被災者役に研修

「東日本」契機 座学中心→対応力向上へ
 外国語通訳・翻訳ボランティアを養成する県国際交流協会(岡山市)は、言葉や文化の違いで<災害弱者>になりやすい外国人の支援を円滑に行えるよう座学中心の研修を実習訓練形式に変更する。東日本大震災後、より実践的な活動が必要なことが分かったためで、2月に実施する実習訓練では、外国人を被災者役にして、災害時に求められる対応力の向上をはかる。(有留貴博)

 県は2005年3月、専門知識を生かして被災者を支援するボランティアの登録制度を設けた。建築物の危険度判定や手話通訳、外国語通訳・翻訳など5分野で、県内の災害発生時、市町村長の要請で活動する。外国語通訳・翻訳には、12言語延べ89人が登録している(11年末現在)。

 これまで、年1回の研修では、主な新規登録者がボランティアの体験談を聞いたり、神戸市の「人と防災未来センター」を視察したりしていた。「実践的で、より効果的なものにしてほしい」との声も上がっていた。

 研修内容の改善を考えていたところ、昨年3月に東日本大震災が発生。被災地で活動した他の国際交流協会などに聞くと、余震や被害状況をはじめ、避難所の利用法、福島第一原発事故の推移など多岐にわたる情報提供が求められたことが分かった。

 実習訓練は2月19日、笠岡市保健センターを避難所に見立てて行う。外国人に参加してもらい、入所手続きや非常食の支給を受ける補助、対策本部が流す情報掲示の通訳・翻訳などを行う。同協会は「臨機応変に対応する力も問われるため、より災害時をイメージしたものにし、質の高い人材を養成したい」と意気込む。

 阪神大震災や東日本大震災の際、外国人被災者を支援した神戸市のNPO法人・多言語センターFACIL(ファシル)の吉富志津代理事長は、ボランティアが地域のつなぎ役を担い情報交換を行うことで、「外国人と災害時にともに助け合える関係を構築し、他文化が共生するコミュニティー作りにつながる」と話している。

            ◇

 県国際課や同協会は、ボランティア登録を募っている。同課によると、県内の外国人登録者数は2万2394人(10年末現在)。国籍別では、中国が1万82人と最も多く、韓国・朝鮮6565人、フィリピン1458人、ブラジル1347人と続く。だが、ボランティア89人中、英語の登録が52人を占め、中国語16人、ハングル5人、ポルトガル語2人となっており、実態に即していない。また、「被災時には実際に駆けつけられない人も出てくる可能性がある」(同協会)といい、多数の登録を呼びかけている。問い合わせは同課(086・226・7283)。

(2012年1月24日 読売新聞)

外国人技能実習生:脱中国の動き 賃金高騰、他のアジアへ ネパールからも

2012-01-24 19:32:06 | 多文化共生
(以下、毎日新聞【群馬】から転載)
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外国人技能実習生:脱中国の動き 賃金高騰、他のアジアへ ネパールからも /群馬

 外国人技能実習生の受け入れ団体「テクノリサーチ協同組合」(前橋市、林豊理事長)は、今春にもネパール人の実習生3人の受け入れを始める。経済成長で賃金が高騰している中国からの実習生は今後、受け入れが困難になると判断した。また、県内の大手スーパー「ベイシア」(本社・前橋市)がプライベートブランドの生産拠点の一部を中国から移転させるなど、県内でも中国以外のアジア諸国に目を向ける動きが進んでいる。【庄司哲也】

 ネパールからの実習生受け入れは、中国に代わる派遣先を探していた同組合と、日本への人材派遣の実績を作りたい現地の人材コンサルタント会社「ララ雇用コンサルタント」(カトマンズ)の思惑が合致した。同組合はネパールが親日的な仏教国で、現地の言語ではなく英語が通じる点などを考慮。日本側の手続きが済み次第、早ければ3月にも第1陣として3人を受け入れる予定だ。

 中国では国内賃金が高騰しており、中国から実習生として来日する魅力は、この数年間でかなり薄れているのが実情になっている。中国国家統計局の昨年5月の発表資料によると、都市部の主要企業で構成する「非私営」企業従業員の平均年収は、前年比13・5%増の3万7147元(約44万5800円)。最も高い上海市は同13・1%増の7万1874元(約86万2500円)になっている。

 同組合の林理事長は「日本というブランドが中国では通用しなくなりつつあるが、ネパールでは十分に通じる。日本の技術が現地に貢献できる余地も多い」と説明する。

 一方、ベイシアは今月から、バングラデシュで生産したプライベートブランドの男性インナーシャツの販売を始めた。人件費が高騰する中国から、生産の一部をシフトさせた。

 同社によると、ダッカの現地企業の縫製工場に製造を委託。現地の人件費は中国での生産に比べ6分の1程度という。同社は「人件費以外にも関税がかからないなど総合的なメリットを考えた。今後、中国が占める生産割合を現在の9割から7割程度に引き下げる」と話している。

より人間的な生き方を求めて -ニートに託す希望ー

2012-01-24 19:30:56 | ダイバーシティ
(以下、いのちを守るweb.04から転載)
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より人間的な生き方を求めて -ニートに託す希望ー

仕事をもたず、職業訓練にも参加していない「ニート」や、自宅から外に出ず、学校や会社にいかない「引きこもり」状態の若者たち。その数は約百万人に達するといわれ、大きな社会問題になっている。彼らをたんなる怠け者や脱落者と見なす風潮もあるが、二神能基さんは、そうは考えない。ニートや引きこもりは、現代社会の歪みの表れであり、彼らの存在こそ、もう一つ別の生き方や社会のあり方を示す可能性を秘めているというのだ。こうした若者たちの再スタートを支援する活動はすでに13年に及ぶ。その現場からみた日本人の新しいライフスタイルの可能性とは──。

 ニュースタート事務局には、いま6つの「若衆宿」があります。家族からの依頼を受けて、引きこもりの若者をなんとか外に連れ出し、共同生活をしてもらいながら社会との接点を作れるようにしようという寮です。そこでは毎週、「鍋の会」という食事会をやっています。今日は水曜日で、この日だけは寮生だけでなく、地域の人やマスコミの取材の人など外の人も招いて、一緒に鍋を囲んでいる。飲んで話して騒いで、人と触れあう。
  私は昭和18年生まれで、私が育った時代は、日本の社会ももっと地縁血縁の人間関係が濃密でした。親戚や近所の人が集まって宴会を開いていて、そこに子どもがいると、「おまえ今、何やっとんのや」「そうか、仕事ないんか、だったら叔父さんのところへ来て働け」「勉強ばっかりしていないで、たまには外で遊べ」とか、まあ、いろんなアドバイスがされたものです。
  この鍋パーティでも、私はそんな役割。近所のおじさんみたいな感じで、若者と会話をする。ただ私がこの会を仕切っているわけではない。というか、鍋当番はいるけれども、誰かが仕切って、お説教したりする会ではないんです。
  なかには、自分のことを一生懸命語る若者もいます。私に議論をふっかけてくる奴もいる。でも、最近はいくら突っかかってきても、私がいい加減なもので、「どうしようもないオヤジだな」くらいにしか見られていない(笑)。それでもいいと私は思う。世代の違う、さまざまな人たちと、雑居するというか、一緒にいることが、今の若者にとっては大切なことだと思うんです。
  今の若者は、両親と学校の先生くらいしか大人を知らない。しかし、世の中にはもっといろんな大人がいるんだということを知って欲しいんですね。何もみんな立派な大人ばかりじゃない。私みたいな、出来損ないの大人も一杯いる。それでも、なんとか生きていけるということが分かればそれでいいんです。

 ニートや引きこもりを「人間関係の行き詰まりから生まれた個人の問題や病気」と捉える人がまだ多いんだけれど、それは完全な誤解です。
  もちろん引きこもりや家庭内暴力には、自閉症のような発達の障害や統合失調症のような精神疾患のケースもあります。そうした場合には、それなりに適切な対処が必要です。私たちには外部に医療体制もあるし、薬を飲んでもらうということもしています。
  そういう特別な病気のケースを除けば、その他のニートや引きこもりの若者は決して個人の病気ではなく、彼らが人間関係をうまく結べなくなってしまったのは、今の社会にその要因、背景があると私は思います。
  現代の閉鎖的な家族や社会、働き過ぎの労働環境など、なんとなく「生き急ぎすぎ」の今の世の中の歪みに敏感に反応しているのが、ニートや引きこもりではないのか。彼らは、今の社会のおかしさに警鐘を鳴らしている存在かもしれないと思えてならないのです。
  今はきちんと社会に適応しているように見える人だって、内心にはひどいストレスを抱えていることってあるでしょう。一流企業の社員だって、連日夜中の12時まで働かされて、そのストレスからうつ病になる人も決して少なくありません。そういう働き方をしながら鈍感力で耐えているとしたら、人間として悲しいよね。うつ病にならないほうが、むしろ病気なんじゃないかと思えるほどです。
  私が『希望のニート』という本を書いたときの反響も、現在正社員で働いている人からが多かったんです。「自分はニートではないけれども、この本に書かれている人の気持ちはよくわかる。今の人生がこのままこれからも続くかと思うと暗澹(あんたん)たる気持ちになる」と。
  実際、こうした正社員の人が会社で何かあってつまづくと、会社に行けなくなってニートになってしまうケースは少なくありません。小さいときから、いい学校、いい会社という一直線のコースでしか来ていないから、一度失敗するともう戻れないと思ってしまうんですね。
  しかし、出口がないと思っているのは、彼らのこれまでの思考法では出口がないだけであって、別の発想で考えれば、別の働き方、生き方がありうる。そう思えれば、出口が広がるんです。
  これは、若者だけの問題じゃないんです。私はいま64歳ですが、中学高校のときの同窓会に出ると、子どものときにあんなに発想が豊かで面白かった連中が、今はもう老後の健康のことしか話題がないようなつまらないオヤジになっている。みんないい大学を出て、いい会社で仕事をしてきた人たちですよ。日本の企業の働かせ方というのはどこかで間違っていたんじゃないかと思わざるを得ない。そういう親の姿を見ている今の子どもたちが、もっと他に面白い人生や働き方があるんじゃないかと思うのも当然ですね。

 ニュースタートに子どもを預ける親御さんの中には、ここに子どもをやればなんとかしてくれる、社会復帰させてくれると思っている人も多い。しかし、私たちが目指しているのは決して、今の世の中のままで若者を自立させるということではないんです。自立ではなく、もたれあって生きていく雑居村のようなものをこれから創り出して、そこで生きていくという方が現実的なんだと私は考えています。 東京学芸大の山田昌弘先生がある雑誌に、現在の団塊の世代が80代になったとき、その4割はパラサイト(学卒後もなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者)の子どもたちを抱えている、と書かれていました。私も今の若者の半数近くはこれから先、経済的自立も結婚もできないだろうと見ています。
  たとえば、一昨年の国勢調査でも、東京都の30代前半の男性の未婚率は6割近くにも及びます。ざっくり見て、今の若者は40代になっても、4割近くが結婚もせず、正社員にもなれず、フリーターのままかもしれない。今から20年後には、80代の団塊の親と、40代、50代の団塊ジュニアが郊外の家でひっそりと同居している、そんな情景が目に浮かぶんですね。
  もしそうだとしたら、核家族の中に生活を閉ざしているよりも、もっと緩やかな人間関係、今の核家族に代わるような第二の家族とでもいうべきものに、家族を「ひらいていく」ほうがずっと楽しいんじゃないでしょうか。そうでないと、閉ざされた核家族のなかで親子関係がへんな煮詰まりの仕方をしてしまうように思うんです。暴力が親に向かう家庭内暴力の危険が高まると心配しているんです。

  ニュースタートの寮に入るとき、「人間関係をここに学びに来ました」という子がいます。たしかにここは集団生活だから、いろんな人間関係を学ぶことはできます。でも、私は言うんですよ。「25歳にもなって人間関係が上手くなったりする可能性はないよ。おまえさんは人間関係が下手なままでも生きて行けることを知ればいいんだよ」って。
  寮生活の中での人間関係に悩んで私に相談してくる子もいる。「寮長とどうもソリが合わない」って。私は「みんな仲良くね」、なんて言いません。世の中には嫌な奴もいる。だったら、そういう輩からは距離を置くのも人生の知恵でしょう。「嫌な奴とは、3メートル以内に近づくな」そう言ってやります(笑)。最初はキョトンとしますよ、みんな。
  人間関係を克服しないと生きていけないと思いこむと、余計生きづらくなるんです。だいたい、ここに来る子たちは、みんな根がマジメで、マジメすぎるから引きこもりになっちゃったような子が多いんです。だから私はよく言う。「おまえ、もっと堕落したほうがいいよ」って。下手にマジメにやろうとするから息が詰まるんだってね。
  そういってやらないと彼らも動けない。そういうとなんとなく安心して、なんとなく彼らなりの人間関係を作っていけるようになる。やはり、他人を求める心の持ちようというのは、人間本来のものですからね。今の若者だって、どこかで仲間と繋がりたいという気持ちはあるんです。
  人間というのはぐちゃぐちゃとしているからね、ぐちゃぐちゃのまま、包み込んで、人間の関係性を作っていくしかないから、それを私は「雑居」と言っているんだけれどね。「立派な人間になろう」ではない。人間は不完全なまま生まれてきて、不完全なまま死んでいく。「すべての人間は不完全である」──それがニュースタートの出発点なんです。
  そうやって試行錯誤しながらね、生涯で一人だけでも友だちが見つかって、一人だけでも嫁さんが見つかればそれでもう十分。それ以上に、人間関係が上手い奴なんて、世の中でロクなものいないじゃないですか(笑)。

 私の一家は戦後、朝鮮からの引き揚げ者でした。戦争で日本の国家や社会システムは崩壊していましたが、それでも、母親が言うには「この国は大丈夫だ」。なぜならこんな四国の田舎にまで配給の米が届いているから、と。行政システムが機能していたというより、地域社会の繋がりがしっかり残っていたんですね。あの頃は、今のような年金や健康保険なんかありません。それでも、今よりももっと人間的な社会があった。たとえば、精神的な病をもっている人がいても、そういう人たちを地域社会が普通に包み込んでいた。
  かえってね、国家の仕組みやシステムに頼っていると、こういう原初的な人間関係が弱くなるものでね。最近は年金崩壊とかで、その仕組みが壊れてきたから、むしろ面白いことになって来ていると、私なんか思いますよ。
  しかし、もう若い人は原体験の中にそういう豊かな地域社会のイメージというのはないですよね。だから、昔の地域社会の復活というより、今の仕組みを作りかえて、新しいスタイルを生み出すしかない。
  そうした新しい共同体の実験を、「雑居」という考え方で、いまニュースタートはやっているんだと思います。とりあえずここは、120人の一時的な緩やかな大家族のようなものです。こういう雑居を全国各地に具体的に作って、世の中に見せるしかない。ここに来れば、月3万円もあれば食べられます。日本銀行券に頼らない暮らしができる。社会のストレスから一時待避するためのシェルターともいえるかもしれない。でも、今みたいな格差社会にはそういうシェルターが必要なんです。核家族や会社のなかにいながら、そのすき間に落っこってしまう人がいる。そういう人たちの拠り所になるような場所が必要なんです。
  とりあえずそこで一休みするような場所があれば、もう少し、日本人は生きやすくなるだろうと思います。少なくとも、引きこもりになったり、家族同士で殺し合ったりする必要もなくね。


 寮に入っている若者たちに、欲しいものは何かと聞くと、95%は「別に(ない)」と答えます。僕なんか20代のときはまずは車が欲しくて、そのためにがむしゃらに働いたけれど、今の若者は、そういう物質的欲求だけではもはや動かないんです。そういう意味では、決してハングリーではない、豊かな世代です。少なくとも、給料が高ければ働くというシンプルな世代ではない。そこが私や団塊の世代との大きな違いです。そして、今の大人は、その世代との対話ができていないんです。
  私たちはモノ不足の時代に育ったから、モノを生み出すことには絶対的な価値がありました。しかし、モノがあふれる今の若者はそれに興味がない。哲学者の木田元先生の言葉を借りれば「生産拒否症候群」です。
  けれどもたんなる怠け者かというと、そんなことはない。彼らが持っている新しい文化やエネルギーが、21世紀の日本をもっと生きやすくしてくれるのではないか、という期待が私にはあります。彼らは、地球環境問題についても関心が高いですよ。生き方も省資源、お金も使わないし。でもね、決して貧しいなんて思っていない。むしろ、わりあい自分たちはいい暮らしをしていると思っている。そういう発想を、いい形で、これからの世界に活かして欲しいと思います。
  ニュースタートはいろんなイベントをやっていて、最近も私の郷里の松山市の劇団と共催で「夢へんろ~どんな時も希望をすてず~」というミュージカルを上演しました。ニュースタートの恒例のプロジェクトに、四国遍路をしながら自分を見つめる旅というのがあるんですが、そこで感じた心身が生き返るような体験や、四国の人々の温かいもてなしの体験をミュージカルに仕立てたものです。引きこもりだった寮生たちが、率先して一つの舞台づくりに取り組みました。
  そんなときは、それまでトローンとしていた若者たちの表情が変わります。だんだん人間らしい顔になってくる。命が輝きだすんですね。
  彼らの親にあたる世代、日本の戦後世代は、豊かな社会をつくろうと一生懸命努力してきました。たしかに日本は、経済的には世界有数の豊かな国になったから、それは成功したといえるでしょう。しかし、その分失ったものも多い。その失ったものを子どもの世代が再び求めている、そう思います。
  経済的に頑張らないからだめという目で息子や娘を見てはいけない。私たちはこの社会を次の世代に託すしかないわけですから、むしろ彼らがもっているいいものに向かって働きかけるべきなんです。彼らが求めているのは、決して経済的な豊かさではなくて、もっと人間的な豊かさなんです。まずそのことを認めるなかから、初めて親子の対話が始まります。その対話のなかから、私たち上の世代にとっての、新しい生き方も生まれるような気がします。

 1994年から始まった、不登校や引きこもりなどの若者をイタリアの農園へ送る「ニュースタート・プロジェクト」が活動の起点。このプロジェクトの背景には、核家族化の進行で親子関係が緊密になりすぎることの反動として、他人との人間関係を築きにくい若者が増えているという認識がある。同世代の若者が引きこもる青年たちを訪問し、人と関わるきっかけをつくる「訪問部隊」(「レンタルお姉さん」などと呼ばれ、テレビドラマ化もされた)、全国各地からやってくる仲間と共同生活する「若衆宿」(寮)、福祉・地域・飲食・ITなどの様々な分野を同時期に複数体験できる「仕事体験塾」などのプロジェクトを展開。若者のニュースタートを応援する人間ネットワークづくりを主な活動としている。若衆宿は千葉県内6カ所にあり、現在の寮生は約90名。海外にも拠点が広がる。1999年にNPO法人格を取得。
・ホームページ http://www.new-start-jp.org/
・活動を紹介した書籍としては、『わたしはレンタルお姉さん。』(川上佳美著/二見書房刊)『レンタルお姉さん』(荒川龍著/東洋経済新報社刊)『ニートという生き方』(田尾宏文著/オンブック刊)などがある。


ふたがみのうき
1943年、韓国大田市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒。松山市で学習塾、幼稚園経営のあと、35歳のときから世界各国を放浪し、各地の教育プロジェクトに参画。1993年から、日本の若者をイタリア・トスカーナ地方の共同農園に預け、農作業を通じて元気を取り戻そうというプロジェクトを手がける。その後、引きこもりや不登校、ニートの若者たちの再出発を支援するNPO法人「ニュースタート事務局」を設立。「世の中をよくする仕事、生きることが楽しくなる働き方を創り出す」ために、世界88カ所に「雑居福祉村」を創り出すのが夢。これまで早稲田大学講師、文科省、千葉県などの各種委員を歴任。2007年4月には内閣官房から地域活性化分野で活躍するキーパーソン「地域活性化伝道師」の一人に選ばれた。著書に『希望のニート~現場からのメッセージ』『暴力は親に向かう』(共に東洋経済新報社刊)がある。

政府が自殺対策強化で「GKB47宣言!」

2012-01-24 19:28:58 | ダイバーシティ
(以下、J-CASTニュースから転載)
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政府が自殺対策強化で「GKB47宣言!」 「ゴキブリ?」「馬鹿にするな!」とネットで非難
2012/1/24 18:23

内閣府の自殺対策推進会議で、自殺対策強化月間のキャッチフレーズが「あなたもGKB47宣言!」に決まった、と報道された。
ネットでは「ゴキブリって読めるよね?」という声も。重いテーマなのにふざけている感じがあり、アイドルグループ名をもじった言葉だとし、「日本国民をバカにしているのか」などといった批判が噴出している。
蓮舫・元大臣と相談してキャッチフレーズを決めた
このキャッチフレーズは2012年1月23日に開催された「第15回自殺対策推進会議」で発表された。会議に出席した委員から芸能界のブームに乗ろうという気持ちはわかるが、共感を得るのは極めて難しい、などとキャッチフレーズ撤回を求める意見もあったという。
ネットでも「GKB47宣言」について、
「どうみてもゴキブリ47です」
「だいたい、キャッチフレーズに、『GKB47』なんぞ、説明受けなきゃ意味の分からん単語を使うこと自体がおかしいだろ!」
「ふざけすぎ。自殺まで追いつめられてる人を馬鹿にしてるとしか思えない」
などと批判ばかりが目立っている。
内閣府自殺対策推進室に話を聞いてみると、このキャッチフレーズは11年11月時点で同推進室が考え決定したものであり、決定に当たっては当時の蓮舫・行政刷新担当大臣と相談した。また、日本医師会や日本弁護士連合会といった約70の協賛団体から了承を受けていて、異論は出なかったそうだ。23日の会議では文書で疑問を投げかけた委員もいたが、混乱は全くなかった、としている。

「話題になってたので大きなPR効果」と自殺対策推進室
ちなみに「GKB」とは「ゲートキーパー・ベーシック」の頭文字で、ゲートキーパーとは自殺しそうなサインに気付いて食い止める専門家を指し、ベーシックは一部の専門家だけでなく国民全体で見守っていこうという願いが込められた。47は都道府県の数だという。
自殺対策強化月間は2年前に毎年3月と制定されたが、キャッチフレーズが付いたのは今回が初めて。前回の11年のテーマは「気付き」で、大切な人の異変や悩みに気付いてほしいと訴えた。10年は「睡眠」で、2週間以上眠りたくても眠れない人が身近にいないか問いかけた。今年のテーマは「全員参加」となり、広く訴えかけるためにインパクトのある文言を狙った。
「アイドルグループを意識しなかった、というと嘘になりますが、今回これだけ話題になり、メディアで取り上げていただいたことは、自殺者をなくすための大きなPRになったのではないか、と考えています」
と自殺対策推進室では話している。
「あなたもGKB47宣言!」のキャッチフレーズが入ったポスターは現在製作中で、3月には全国に張り出されることになるそうだ。

外国人介護士を帰国させていいのか

2012-01-23 15:37:04 | 多文化共生
(以下、日本経済新聞から転載)
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外国人介護士を帰国させていいのか
2012/1/22付

 外国人介護福祉士候補が、29日に初めて国家試験に挑戦する。日本で働き続けるためだが、ハードルは高い。不合格なら帰国しなければならない。

 高齢化で介護分野の人手不足は深刻だ。せっかく来日した人材を追い返すような試験をしては、国際社会の信頼も失う。定着できる制度に改めるべきだ。

 経済連携協定(EPA)に基づき、2008年度からインドネシア、09年度からはフィリピンの看護師・介護福祉士候補が来日している。すでに1300人を超えた。今回、受験するのは08年度にインドネシアから来日した介護福祉士候補ら96人だ。

 政府は受け入れにあたり厳しい資格要件を設けたうえに、日本で働き続けるには、看護師なら3年以内に、介護福祉士は4年以内に国家試験に合格するよう義務付けている。看護師は毎年の受験が可能だが、介護福祉士の場合は3年間の実務経験が必要で、実質的には1回しか受験できない。

 一足先に外国人の受験が始まった看護師では、日本人の9割が合格するのに、難解な日本語が壁になり09年度の合格者は3人、10年度も16人で合格率は5%にも届かない。政府は一定の要件を満たせば1年の滞在延長を認めたが、不合格者51人が日本を去った。

 介護福祉士の国家試験は日本人でも合格率50%の難関だ。このままでは多くの不合格者が出るのは目に見えている。候補者は母国で大学や看護学校を卒業し、看護師や介護士資格を持つ。現場での評判もいい。今度の試験で不合格になっても猶予期間を与え、再度受験の機会を与えるべきだ。

 そのうえで試験の仕組みも変える必要がある。すでに資格を持つ人に「介護の基本」といった筆記試験を日本語で受けさせる必要があるのか。一定期間の実務経験を積めば、仕事で必要な日本語能力を試験すれば十分ではないか。どうしても必要な科目があれば、日本人とは別に試験すればいい。

 厚生労働省の試算では25年には看護職が30万人以上、介護職は70万人以上不足する。日本人だけでまかなうのは難しい。

 政府は昨年、ベトナムからも人材の受け入れを決めた。環太平洋経済連携協定(TPP)でも、人の移動は柱の一つだ。優秀な人材は国際的な獲得競争が始まっている。こんな試験を続けていては日本を素通りしてしまう。

外国人の子の教育考える 松阪でシンポ

2012-01-23 15:36:33 | 多文化共生
(以下、中日新聞【三重】から転載)
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外国人の子の教育考える 松阪でシンポ

2012年1月23日


「いっぽ」ができてからの子どもたちの変化を述べる矢崎エリさん(右から4人目)=松阪市川井町の市民文化会館で

 外国人在住者が多い松阪市で22日、外国人の子たちの教育を考えるシンポジウムが2日間の日程で始まった。市は、日本語指導が必要な外国人の小中学生を対象にした初期適応支援教室「いっぽ」を設けており、初日は同市川井町の市民文化会館で、パネルディスカッションやいっぽ修了生らの発表があった。
 いっぽは本年度が5年目で、市は昨年から就学前の幼児向けの「ふたば」も始めた。節目の年に、これまでの成果や今後の課題を共有するのが狙い。
 パネルディスカッションでは、日本語を教えるボランティアら7人が、それぞれの立場から活動を報告。いっぽの立ち上げに携わった殿町中学校教頭水野宏美さん(53)は「ボランティアの協力で、地域との関わりが生まれた」と評価。外国人スタッフの矢崎エリさん(47)は「子どもの夢を実現するために、私たちが頑張らなくてはいけない」と述べた。修了生がいっぽを通して学んだことなども発表し、いっぽ生は日本語と母国語で将来の夢を語った。23日はいっぽの授業のほか、外国人向けの「JSLカリキュラム」で日本人にも教えている地元の久保中学校と第二、第五の両小学校の授業も公開される。 (戸川祐馬)

松山の映画館で「人生、ここにあり!」

2012-01-23 15:35:25 | ダイバーシティ
富山ではフォルツァ総曲輪で上映中。
1月27日(金)までの上映です。急げ!!!
http://www.tmo-toyama.com/forza-sogawa/

(以下、松山経済新聞から転載)
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松山の映画館で「人生、ここにあり!」上映-精神障害者支援のNPOが主催

(2012年01月20日)
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 シネマルナティック(松山市港町3、TEL 089-933-9240)で2月4日、映画上映イベント「NO ○○,NO LIFE!!~○○のない人生なんて!?」が開催される。(○=ハート)主催はNPO法人「SORA」(此花町)。

 同NPOは、松山の精神障害者の社会参加促進を目指して生活や活動・相談の場の充実を図り、精神障害者への正しい理解を通じて地域住民の心の健康づくりに寄与することを目的に設立された。今年で設立5周年を迎えた記念と、より多くの市民に知ってもらうため、今回のイベントを企画した。

 イベントは、同日から上映されるイタリア映画「人生、ここにあり!!」に合わせて開催する。同作品は1978年、イタリアで制定された世界初の精神科廃絶法により、病院から出た患者と主人公が繰り広げるヒューマンドラマ。実話を基に映画化された。

 今回のイベントでは、5つの「NO ○○、NO LIFE!?」を予定。「NO 映画、NO LIFE!?」では当日、「人生、ここにあり!」を2回上映する。「NO イタリアン、NO LIFE!?」は東温のイタリアン「Locanda Del Cuore」とのコラボ企画として、映画上映後にクイズに答えると、イタリア北部トリノ発祥であるグリッシーニにイタリア産生ハムを巻いて進呈する。

 「NO 手づくり、NO LIFE!?」は、同NPOが3つの事業所で自主制作したクッキーやグリッシーニ、木工製品や手書きはがきを販売する。「NO 福祉、NO LIFE!?」では、ジャーナリスト・大熊一夫さんによる福祉・医療をテーマにした講演を行う。「NO じゃんけん、NO LIFE!?」ではじゃんけんゲームを行い、賞品を用意する。

 スケジュールは同NPOのブログで確認できる。入場料(映画鑑賞と講演)は、前売り=800円、当日一般=1,700円、当日チラシ持参=1,000円。前売りの取り扱いは同NPOと明星共同作業所。1回の上映につき定員は160人。開催時間は12時~20時。映画の上映時間は13時~、18時~。問い合わせは同NPO(TEL 089-931-1727)まで。

災害時に外国人支援を 栗東でサポーター講座

2012-01-23 13:43:33 | 多文化共生
NPOタブマネ受託事業です。

(以下、中日新聞から転載)
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災害時に外国人支援を 栗東でサポーター講座

2012年1月22日


避難所での外国人支援で具体的に何ができるかを話し合う参加者ら=JR栗東駅前ウイングプラザ研修室で

 災害時に外国人を支援する人材の育成を目指す「災害時外国人サポーター養成講座」が21日、栗東市のJR栗東駅前ウイングプラザ研修室であった。県民35人が支援ボランティアに求められる役割を学んだ。
 外国人は、言語や文化の違いや災害経験の少なさなどから、災害情報が伝わりにくく、県地域防災計画で、支援が必要な要援護者として位置付けられている。講座は災害時の円滑な外国人住民支援につなげようと、県などが催した。
 講座では、数人で分かれて、参加者は避難所でどういう支援をしたらよいかを議論。「避難所のルールを周知する」「国籍と日本語能力のレベルを確認する」「避難所に外国語の案内表記をすることで『受け入れられている』と安心感を与える」と次々と案を出し合って発表した。
 参加者の1人でブラジル人の大村・シロウ・エリオンさん(40)=守山市吉身=は「地震が起きれば、避難所の場所さえ分からない外国人も多い。できるだけ多言語で情報提供してもらうことが大切だと思った」と語った。
 県内の外国人登録者は2万6000人。講座は引き続き、2月に避難所での支援のための訓練もする。 (梅田歳晴)