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ノーカーデーに自転車に乗ってはイカンのか?(続編)

2018-09-21 19:03:53 | 自転車
さて、今日は逆を行ってみよう!
通勤・通学に自動車を使っている人の割合をみてみると・・・うーむ、案の定、富山県が第1位だ。もう少し真剣にノーマイカーデーに取組んでいったほうがいいかもしれない。
自転車も使わなけりゃバスも鉄道も使わない。
クルマ依存度の高い富山県に未来はあるのか!?

ちなみに、横書きの(保有 )とあるのは、世帯別の自家用乗用車の保有割合の都
道府県別の順位だ。秋田や島根、鳥取などは保有台数では順位が落ちるものの、通勤・通学にしっかり使っているということだ。
有効に活用している。エライ!
その反対に、岐阜(保有4位、通勤15位)、茨城(保有7位、通勤18位)などは、車は持っているものの、通勤・通学では順位を落としている。車の稼働率が悪いのだろうか。

ん?
もしかして。
鉄道利用のランキングを見ると、茨城は14位、岐阜は18位だ。
ということは、車は持っているものの、通勤・通学では電車を使うって、意識高い系ってことか?
茨城、岐阜両県の生の声を聞きたいところだ。

1 富山県(保有2)
2 山形県(保有5)
3 福井県(保有1)
4 秋田県(保有20)
5 群馬県(保有3)
6 福島県(保有11)
7 島根県(保有18)
8 長野県(保有8)
9 鳥取県(保有17)
10 栃木県(保有6)

(中略)

38 福岡県
39 広島県
40 奈良県
41 兵庫県
42 千葉県
43 埼玉県
44 京都府
45 神奈川県
46 大阪府
47 東京都

で、下位の方を見ていくと、うーむ鉄道の駅、多そうだよね。
ということで、鉄道の面積あたりの駅数の上位を並べてみると、

1 東京都
2 大阪府
3 神奈川県
4 愛知県
5 福岡県
6 千葉県
7 埼玉県
8 香川県
9 京都府
10 兵庫県

なるほど、確かに正の相関関係があることがわかる。
しかしだ。

11 富山県

だったりする。
山形(42位)、秋田(43位)など、駅も少ないから自動車に乗るしかなかんべってのはわかるが、自動車利用度1位の富山(11位)や同3位の福井(16位)などは、何か特殊な事情があるか、もしくは交通政策自体に欠陥があるとしか思えない。

しかしだ。
すぐに当てがつくのは、富山市内の路面電車の存在である。
この路面電車は富山市内中心部の富山大学前駅から南富山駅までの延長約7kmほどしかカバーしていない。それにも関わらず、上記の統計処理には路面電車の駅の数がカウントされているし、3系統それぞれで駅をカウントしているので、トリプルカウントの駅まで含まれている。
うーむ、統計データ、おそるべし。
安直に統計データを信用してはならない。
前提条件次第で、恣意的に統計データを捻じ曲げることもできるのだ。こういうことは、できあがった統計データをそのまま活用している人では気付かない。
統計データの穴にズッポリはまり込んでいることにも気付かず、無自覚に統計データを押し付けてくる。やたらと客観性やら合理性やらを押し付けてくるので要注意だわ。

ということで、この路面電車を控除して再計算すると、下位に転落することは間違いないだろう(どういう計算をしているのか、よくわからないので、正確には再現できない)。

そういうわけで、今日の1回目の結論。
人口集中度にほどほどにばらつきがあり、鉄道が普及していないと、自動車依存から逃れることはできない。
人口が過密になればなるほど、道路に自動車の渋滞が発生して移動に時間がかかるうえ、ストレスもかかる。それを避けるために鉄道やバスを選択する。鉄道を利用する人口も、相当のボリュームがあれば経営上の問題もない。
ということは、人が過密して居住している都市状況になければ公共交通機関は成立しない。以上。

うーむ。身も蓋もない。
あまりにも身も蓋もないので、家計負担からアプローチしてみよう。
例えば、片道5kmの会社に通勤している場合だ。
(自宅から近くの会社を想定。)
総移動距離は 5km×2×20日/月×12月=2,400kmとなる。
これをリッター10km、ガソリン150円/リットルとすると、
2,400km÷10km×150円=年間36,000円だ。
これよりも安くなければバスや鉄道を使おうというインセンティブは働かない。
36,000円÷12月÷20日÷2(往復)=75円

安い!安すぎる!
これでは勝負にならんて。

会社の駐車場が無料であれば、このままの計算になる。
しかし、いくらなんでも社員の駐車場を無料で確保できるような会社は相当な過疎地でもなければ無理だろう。

ということで、月極めの駐車場を借り上げた場合、
仮に3,000円/月(←会社が補助する場合)、
20,000円/月
の2パターンで、同様に日額と計算すると、
3,000円/月×12月÷12月÷20日=150円
20,000円/月×12月÷12月÷20日=1,000円

ということで、片道75円~1,075円までバラつきが出てしまう。
例えば、うちの近所で、比較してみると、

バス 370円
電車 210円 だ。

これに加えて、徒歩の時間が別にかかり、バスの場合、片道20分、電車なら片道30分というハンディキャップも背負う。

ということで、公共交通機関を存続させるためには、駐車場の借上料への補助はもちろん、通勤手当も支給してはならない。というのが今日、2回目の結論だ。
バスだろうが自家用車だろうが、実額相当を通勤手当として支給していては、時間がかかる分だけ公共交通機関を避けるのは目に見えている。好き好んで混雑しているバスやら電車に乗りたがる人も少ないだろう。

しかし。だ。
会社として社員がどこから通勤してこようが、通勤手当を一切支給しないとなると、法的には問題なくとも、社員間の不公平感も生じるだろうし、社会通念上、それは許されないだろう。
仮に、公共交通機関に通勤手段を誘導しようと、バス代等の実額以上に支給してしまうと、社員間の不公平感を再び助長してしまう。
難しいな・・・というのが今日、3回目の結論だ。

となると、個人を介さずにお金を移動させるしかない。

例えば、バス会社はQRコードでもバーコードでも何でもいいが、乗車用のパスを会社に渡す。バス通勤者は、そのパスを使って無料で乗車できる。片やバス側では乗車、降車時にパスを認識し、当該会社の社員が何人いくら分利用したかカウントする。
で、月締めでバス会社は当該会社に請求し、会社は3割増とか5割増という形でバス会社を支援する。
自家用通勤者には実額相当の通勤手当を支給するので、社員間の不公平感は発生しない。

しかし。だ。
今度は、企業側としてはよけいな負担はしたくないという気持ちが働いてしまう。
となると、最後は税金で補填するということになってしまい、そうなると当事者意識が働かなくなり、みんなで存続させようという意識も醸成されず、結局、無駄な税金が流れることになってしまい、役所に無駄な事業はヤメロという声が集まり、廃止事業になってしまい、人口減少社会がそれに拍車をかけて、公共交通機関は衰退していく。
うーむ、結局ダメなのか。

利益誘導で物事を考えようとすると、成立しないものが多い。

ということで、茨城や岐阜はどうなっているのか?
と、最初に戻る。

ノーカーデーに自転車に乗ってはイカンのか?

2018-09-21 00:00:00 | 自転車
当ブログでは唐突感があるが、個人FBでは、しょっちゅう書いてる自転車ネタ。
こちらでも展開していこう。

さて。
いつもは自転車通勤だが、今日は雨予報につき、自動車通勤だ。
帰りのラジオで「今日から県内でノーマイカーデーが実施されます」とパーソナリティーが話していた。
「現実問題として、それは無理なんだよ」と思う。
そこで、ラジオで紹介されていた旗を振っているところの富山県の総合交通政策室のページを見ると、こう書いてある。
「北陸新幹線の開業後、地域公共交通の果たす役割がますます重要になっているなか、県民の皆さんに広く公共交通の利用を呼びかけることにより、マイカーに依存した生活を見直すきっかけとし、エコや健康づくりにもつながる公共交通の利用を一層促進するため、『県・市町村統一ノーマイカー運動』を実施します。ノーマイカー運動期間中は、通勤・通学において、下記の交通機関が1回の乗車につき100円で乗車できます。」とある。

うーむ、つっこみどころが結構あるな。
素直に読むと、次のようになる。
「北陸新幹線が開業したせいで、地域に根差した公共交通機関の衰退が懸念されます。公共交通機関を使えば、エコや健康づくりにも好影響があります。だから、公共交通機関を使ってね」だ。
論旨が破たんしている。
もしこれが中学生の国語のテスト問題に使われたら、誤解答続出だろう。

参加対象にはこう書いてある。
「公共交通機関以外の方法(マイカー、バイク、徒歩、自転車など)で通勤・通学している方」。
オイオイまてよ。徒歩や自転車はエコでも健康的でもないのか?
おかしいダロ。徒歩も自転車も対象に含めるなら「公共交通機関以外の人は、極力、公共交通機関を使え」と書くべきだろう。(割引のことは、あえて言わない。)

なんだかよくわからないので、Wikipediaを参照する。
概要にはこう書いてある。
「一定の月日・曜日・または期間を「ノーカーデー」または「ノーマイカーデー」と定め、自家用車の利用自粛と公共交通機関の利用を呼びかける。日本では、1971年(昭和46年)10月3日に東京都八王子市が毎週水曜日に、大気汚染の抑制と交通渋滞の緩和を目的に、自動車利用を自粛するよう呼びかけたのが最初である。」
わかりやすいじゃないか。大気汚染の抑制、交通渋滞の緩和、自動車利用の自粛だ。ノー・カーなのだから、エコとか健康とか言うなってことだよ。徒歩や自転車まで公共交通機関を使えって、いったい何のことだよ?

そして、Wikipediaでは、主な事例として、北海道(札幌市、釧路市)、愛知県(名古屋市)、大阪府(大阪市)、京都府{京都市)、福岡県(福岡市)が紹介されている。
実感として、京都市などは、バイクも多いが、自転車もかなり多いように思われるので、通勤・通学に使われる「徒歩・自転車」の利用度を調べてみた。

その結果
15歳以上の人が自宅から通勤・通学のために、1つの交通手段のみ(「自動車のみ」、「徒歩のみ」といった形で、複合的に「自動車と徒歩」、「電車と自転車」といった回答を含めない)で、「徒歩・自転車」の利用度を調べてみたところ、上位10県は次のとおりだ。
1位 大阪府
2位 京都府
3位 愛媛県
4位 高知県
5位 東京都
6位 広島県
7位 北海道
8位 兵庫県
9位 岡山県
10位香川県
だ。
事例にある大阪、京都などは、都市部ゆえにノー・カーを呼びかけたいというところなのだろうか。大阪府なんて、27.4%が徒歩・自転車だぜ。大阪も京都も学生が多いし、フラットな地形で雪も降らないから自転車が重宝されているのかなと思う。

そして富山はどうかというと…、はたして全国最下位である。
サイテーだぜ。
全国でもっとも通勤・通学に「徒歩・自転車」を使わない県なのである。「健康づくり」と言いたくなる気持ちはわからないでもない。
「雪が降るからさ」
とか言うなよ!富山よりも北半分は雪降るダロ!
富山より北にある日本海側の県でいうと、
新潟県 40位
山形県 37位
秋田県 34位
青森県 18位
北海道  7位
だ。

「富山は日本のスウェーデン」とか書いている人もいるが、ホントにダイジョブか?

富山はホントに自転車ライダーが少ないのね。
くすんくすん。
50m先のゴミステーションまで車でゴミ出ししちゃうもんね。

あ、鳥取をグラフに入れたのは、全国23位の中位で、しかも日本海側だからです。地下鉄などのある都市部を除いたら、どこも似たり寄ったりかもしれませんね。